Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2012年

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3月22日 外国映画33

 『シュンベン・ライダー』に予想外に多くのコメントをいただき、ありがとうございます。
 さて、東京に向かう新幹線でDVDを一本。
 ジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン監督のミュージカル『踊る大紐育』(1949年、アメリカ)。もちろん、紐育は「ニューヨーク」と読みます。
 ゲイビー(ケリー)とチップ(フランク・シナトラ)、オジー(ジュールス・マンシン)の三人の水兵は、一日だけニューヨークで休暇を楽しむことになった。ゲイビーが「ミス地下鉄」のアイヴィ(ヴェラ・エレン)に一目惚れして、彼女を探し出してデートを申し込む。この間、チップは女性のタクシー運転手と、オギーは女性博物学者と結ばれる。
 まさにハリウッド全盛時代、冷戦を戦う水兵たちのひと時の現実逃避、アバンチュールを愉快に描いています。
 眠らない街ニューヨークの魅力も全開です。
 博物館で恐竜の標本が倒れる。無線でこれを知った警官が叫ぶ。「何!ダイナ・ショーが倒れた!ファンなんだ!」。ダイナ・ショーは当時人気だった歌手で、恐竜は英語でダイナソー。
 ムーヴィックス京都へ。
 フィリダ・ロイド監督『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011年、イギリス)。
 メリル・ストリーブがサッチャーを演じて、二度目のアカデミー女優賞を獲得した作品。さすがに渾身の名演です。政治家としてのサッチャーと、最愛の夫デニス(ジム・ブローベント)を亡くし、健忘症に陥っている老後とを、巧みに演じきっています。
 女性蔑視や階級差別と戦いながら、イギリスの、しかも保守党で戦ってきたサッチャーは、夫に強く支えられ、その夫を心から頼りにしていました。レーガンとナンシーとの関係と同じです。
 ブライトンでの暗殺未遂事件が、大きなトラウマになっていたこともうかがえます。この点でも、レーガンと同じです(彼も暗殺未遂事件に遭遇しています)。
 政治ドラマと家庭ドラマが交差した作品です。
 1980年代の映像も懐かしい。
 因みに、今年はフォークランド戦争から30年になります。
 老後のサッチャーが医者に気分はどうかと聞かれて、気分ではなく、何を考えているかを尋ねてほしいと言います。「考えが言葉になり、言葉が行動になる。行動が習慣を作り、習慣が人格を形成する。そして、人格が運命を左右する」
 ポーランドからロンドンへの帰路に一本。
 ジェームズ・ホエール監督『透明人間』(1933年、アメリカ)。
 イギリスの寒村に、サングラスに包帯姿の男が現れた。
 彼はグリフィン博士(クロード・レイノルズ、『カサブランカ』のルノー署長役)で、モノケインという薬物の実験で透明人間になってしまったのだ。村中は大騒ぎになる。やがて、逆上したグリフィンは警察官を殺害し、さらに犯罪を重ねる。
 グリフィンは警察に通報した昔の同僚も殺害するが、雪の夜の大包囲網で、ついに重傷を負う。愛する婚約者のフローラ(グロリア・スチュアート)に見守られて、グリフィンは息を引き取る。すると、彼の姿はもとに戻るのだった。
 今からすれば、他愛のないSFですが、当時は画期的だったのでしょう。
 因みに、スチュアートは『タイタニック』で晩年のローズを演じた女優で、一昨年に100歳で亡くなりました。

3月11日 外国映画30

 東日本大震災から1年経った2012年3月11日、ポーランドのアウシュビッツを訪問しました。厳粛な思いがします。
 さて道中にDVDを一本。
 ウィリアム・ディターレ監督『ノートルダムのせむし男』(1939年、アメリカ)。原作はヴィクトル・ユーゴー。
 グーテンベルグの活版印刷が発明された頃のパリ。
 ノートルダム大聖堂に醜い鐘つきのせむし男カジモト(チャールズ・ロートン)がいる。カジモトは美しいジプシー娘エスメラルダ(モーリン・オハラ)に一目ぼれする。実は、フロロ伯爵(セドリック・ハードウィック)も、彼女に心を奪われる。カジモトは彼女を誘拐しようとしたと誤解され、公開のむち打ちの刑に処される。エスメラルダだけが、彼女に水を与えるのだった。
 そのエスメラルダは吟遊詩人グランゴアル(エドモンド・オブライエン)と親しくなるが、心は逞しい将校に向いていた。だが、その将校が殺害され、彼女が逮捕される。実は、嫉妬にかられたフロロ伯爵の仕業だったが、伯爵は彼女を魔女として処刑しようとする。カジモトが彼女を救い、ノートルダム大聖堂に連れ込む。だが、伯爵は大聖堂から聖域の権限を外そうと画策する。カジモトとグランゴアルの活躍で、エスメラルダは救われ、彼女とグランゴアルが結ばれるのを、せむし男は寂しく見送るのだった。
 ロートンの名演、たいへんな役者です。アメリカの伊藤雄之助といったところ。
 オハラも当時19歳で、魅力満開です。
 ハードウィックも格調が高い。
 俗権と聖域の境界線を、ジプシーとせむし男が行き来する物語です。
 入浴中のルイ11世で召使が言う。「年に二回は入浴していただかないと」。
 香港からロンドンに向かう機中でもう一本。
 デヴィッド・クローネンバーグ監督"A Dahgerous Method"(2011年、ドイツ、カナダ)。
 精神分析学者ユング(マイケル・ファスベンダー)とユダヤ人の女性患者サビーナ・シュピールライン(キーラ・ナイトレイ)は、治療を越えて肉体関係をもってしまう。さらに、ユングと恩師フロイト(ヴィゴー・モーテンセン)の間にも子弟愛だけでなく、ライバル心が潜んでいた。
 治療のために患者と肉体関係をもつのが、「危険な方法」というタイトルの由来。
 フロイトとサビーナの間には、ユダヤ人という同朋意識がある。
 サビーナは自らの性的トラウマに向き合い、精神分析医として自立する。むしろ、ラストでは主客が転倒して、ユングが彼女の助けを必要とするのだった。
 その意味で、女性の自立の物語でもあります。
 しかし、すべての登場人物を二つの世界大戦が飲み込んでいくのです。
 この作品も実話に基づくそうです。
 他に、ヴァンサン・カッセルら。

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