Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2012年

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 京都シネマでもう一本。
 フェルザン・オズベテク監督・脚本『あしたのパスタはアルデンテ』(イタリア、2010年)。
 南イタリアの地方都市が舞台。作家志望の若者トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)が帰省する。生家はパスタ製造を手広く営んでいる。トンマーズは兄アントニオ(アレッサンドロ・プレツィオージ)に、自分が親の希望する経営学ではなく文学を学び、小説家志望であること、そして、自分がゲイであることを告白する。
 ところが、翌日の夕食の席では、何と兄のほうが先に自分はゲイだと告白してしまう。父は兄を勘当し発作で倒れる。図らずも、トンマーゾは兄の代わりに工場経営を任され、共同経営者の娘アルバ(ニコール・グリマウド)と仕事をする仕儀に。彼女は美しいが、早くに母を亡くして風変わりな人間嫌いである。だが、アルバはトンマーゾがゲイと知りつつ恋慕の情を抱くようになる。
 そこに、トンマーゾの恋人とゲイの仲間たちが、ローマから訪ねてくる。やがて、祖母の死を契機に家族は和解するのだった。祖母は夫の弟を愛しながら暮らした過去をもち、孫たちに「他人の望む人生なって、つまらない」と諭し続けていたのである。
 地方都市のブルジョア家庭に、陽気で洒脱な雰囲気と保守的な偏見が共存しています。
 涙あり笑いありの、盛りだくさんな内容です。
 性的少数者へ理解はかなり深くなったと思いますが、ゲイがいつも若いイケメンとして描かれるのでは深みに欠けます。先日観た『ボーイズ・オールライト』(こちらはレズビアン夫婦が主人公)のほうが、一枚も二枚も上。
 そもそも、「自分らしく生きよ」というメッセージが明確すぎて、味わいが足りません。イングマール・ベルグマン監督曰く、「メッセージを届けるのは、郵便局の仕事だ」。
 京都シネマへ。朝から長蛇の列で驚きました。
 ワン・ビン監督『無言歌』(香港、フランス、ベルギー、2010年)。英語のタイトルは"Ditch"で掘割という意味。
 1960年のゴビ砂漠。毛沢東の「百家争鳴」を信じて体制を批判したため「右派」のレッテルを貼られた人々が、過酷な強制労働に従事している。食糧は極端に不足しており、人々は鼠を食べ、病人の吐瀉物を食い、さらに死体の一部をも食する。
 上海から訪ねてきた妻は夫が死んだことを死って号泣し、何百もの遺体から夫を探し出して火葬する。
 また、かつて子弟だった二人は脱走を試みるが、老いた師は砂漠で力尽きる。
 ある大学教授は「プロレタリア独裁では狭い。国民独裁というべきだ。国は国民のものなのだから」と述べて、この地に追われたという。
 荒涼とした風景の中で、淡々と、しかし鮮烈に政治の愚行を提示しています。
 食べ物への渇仰が命へのそれと重なります。
 
 

1月7日 外国映画5

 自宅でビデオ。
 ジョン・フォード監督『俺は善人だ』(アメリカ、1935年)。
 小心で真面目なサラリーマンのジョーンズ(エドワード・G・ロビンソン)は、残酷な殺人犯ムニオン(ロビンソン)とそっくりで誤認逮捕された。釈放の際に、検事が身元証明書を書いてくれた。ジョーンズは一躍有名になり、新聞にムニオンの評伝を連載することに。
 ところが、アパートに戻ってみると、ムニオンが待っていた。身元証明書を夜中に借用しようというわけである。そのことに気づいた同僚のクラーク嬢(ジーン・アーサー)はムニオンの子分たちに拉致されてしまった。ジョーンズはムニオンになりすまして、子分たちに彼を殺させ、クラークを救ってハッピーエンドとなる。
 テンポのいいコメディで、ロビンソンが善人と悪人をうまく演じ分けています。
 フォード監督もロビンソンも硬派のイメージですが、結構コメディの才能もあるようです。
 シネリーブル神戸へ。
 神戸の映画館に行くのは久しぶりです。かつて朝日会館があったところで、若い頃に色々な映画を観たことが思い出されます。
 ガス・ヴァン・サント監督『永遠の僕たち』(2011年、アメリカ)。
 イーノック(ヘンリー・ホッパー)は、両親を交通事故で亡くし、葬儀に参列できなかったトラウマから、他人の葬儀に参列することが趣味になっている。そこでアナベル(ミア・ウシコウスカ)という少女と出会う。彼女は脳腫瘍で余命3ヶ月だが、鳥を愛し、ダーウィンを尊敬して、健気に生きている。
 若い二人は愛し合うように。しかも、イーノックはかつての臨死体験から、特攻隊の幽霊ヒロシ(加瀬亮)が見えて友達になっている。だが、二人には運命の時が迫っていた。
 ホッパーは昨年亡くなったデニスの子息。ウシコウスカは『アリス・イン・ワンダーランド』でアリスを演じ、『キッズ・オールライト』でも印象的でした。加瀬も好演。
 美しい映像だし、ストーリーに工夫もありますが、感動の押し売りの感は否めません。
 死期の迫ったアナベルがマリンバを奏でます。私も子供の時に習っていたので、懐かしく思いました。
 イーノック、アナベルと、必ずしも一般的ではない名前ですが、宗教的または人種的な含意があるのでしょうか。
 特攻隊の幽霊が友人役なのですから、日米関係もここまで来たかという感じです。

1月2日 外国映画3

 自宅でビデオ。
 エドワード・ズウィック監督『グローリー』(1989年、アメリカ)。
 再び南北戦争。ショー(マシュー・ブロデリック)は、東部有力者の子弟で理想に燃える若者だ。彼は大佐に起用され、初の黒人部隊54連隊の指揮を任される。大佐は私心を抑えて、黒人たちを厳しく訓練する。黒人兵には靴も軍服も与えられなかったが、兵士たち(デンゼル・ワシントンやモーガン・フリーマン)は反発しながらも訓練に励む。
 別の黒人部隊では、民間人への暴力や略奪が当たり前だった。そんな中で、ショー大佐は54連隊が実戦参加できるよう上層部に陳情する。やがて、彼らは南軍の難攻不落の要塞攻略に投入され、進んで先頭に立って壊滅的な被害を被るのだった。
 黒人解放を大義とした北軍の中の、露骨な人種差別と、黒人たちの気概が描かれています。
 結局、最後は高邁な理想よりも、仲間との連帯感が戦場の部隊を支えます。
 助演のワシントンの不敵な面構えは、柔和な主演ブロデリkックよりも、はるかにはるかに印象的でした。
 この54連隊の活躍を期に、北軍に加えられた黒人は18万人に上ったそうです。

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