Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2012年

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5月31日 邦画35

 北京でDVDをもう一本。
 田坂勝彦監督『花の渡り鳥』(大映、1956年)。原作は川口松太郎。
 清太郎(長谷川一夫)は島帰りの旅人で、郷里に戻る途中だった。そこで瀕死の脱走囚(香川良介)に娘おみね(阿井美千子)への伝言を頼まれた。スリのおぎん(小暮実千代)と子分の半二(勝新太郎)もついてくる。
 おみねはやくざの親分・岩井屋半蔵(柳永二郎)に狙われていた。しかも、清太郎の許嫁だったおしの(清水谷薫)は清太郎の弟分で堅気になった佐吉(市川雷蔵)と結婚していた。そのおしのにも、半蔵の魔手が。清太郎はおしの夫婦やおみねのために、半蔵一家を退治するのだった。
 雷蔵も勝新も、まだ長谷川の刺身のつま的存在。
 清水谷という女優、まるで学芸会並みでした。
 他に、夏目俊二や寺島貢ら。

5月30日 邦画34

 北京でDVD。
 舛田利雄監督『上を向いて歩こう』(1962年、日活)。
 少年鑑別所を脱走した九(坂本九)と良二(浜田光夫)。九は保護司の永井(芦田伸介)に拾われて、その運送会社でまじめに働くことに。他方、良二はドラマーに憧れ、町の不良・健(高橋英樹)に拾われる。実は、健は複雑な家庭環境で育ち、一時は永井の世話になったこともあった。
 しかし、健は永井に反発し、九と良二の友情もすれ違っていく。だが、永井の養女・紀子(吉永小百合)らの手助けもあって、彼らは和解し「上を向いて」進むのだった。
 吉永は当時18歳。みな本当に溌剌としています。
 彼ら青春スターを芦田や嵯峨善兵、清水将夫らベテランが支えています。
 ストーリーも単純ながら、しっかりと組み立てられています。
 「上を向いて歩こう」が高度成長の謳歌だと、よくわかりました。

5月29日 邦画33

 5月30日に新藤兼人監督の訃報に接しましたが、実はその前夜、出張先の北京で、持って行った新藤作品のDVDを偶然鑑賞していました。
 新藤監督・脚本『どぶ』(1954年、近代映画協会)。
 川崎に近い河童沼のルンペンの集落に、行き倒れ同然の女・ツル(乙羽信子)が舞い込む。遊び人のピンちゃん(宇野重吉)と徳さん(殿山泰司)が面倒を見ることに。しかし、ツルの頭が弱いのをいいことに、二人は彼女に売春をさせる。他のルンペン仲間も、ツルに無心する。
 ある日、ピンちゃんがツルに肉体関係を迫るが、ツルは拒否して家を追い出されてしまう。その上、他の売春婦集団に縄張り荒らしとして制裁を受ける。錯乱したツルは交番から拳銃を持ち出して発砲したため、巡査に射殺されてしまう。
 実は、ツルは性病を患っていた。好きなピンちゃんを拒んだのもそのためだ。通夜の夜、河童沼の住人達を慕うツルの日記が発見され、ピンちゃんへの贈り物まで見つかるに及んで、人々はツルを思って号泣するのだった。
 日本版『道』といったところか。
 乙羽の演技がやや大げさだが、他にも飯田蝶子、藤原鎌足、信励三、菅井一郎らベテランが揃い、日本映画全盛期の力量を示している。
 もちろん、売春が合法だった頃の、しかも、貧困が切実だった頃の物語です。
 いい作品をたくさん見せていtだきました。新藤氏のご冥福をお祈りします。
 
 京都文化博物館へ。
 ここも淡島千景特集です。
 五所平之助監督『黄色いカラス』(1957年、松竹)。
 鎌倉が舞台。図画の得意な小学生の清は大仏を黒と黄色だけで描き、担任の先生(久我美子)に不信がられる。
 清は母マチ子(淡島)と仲良く暮らしていたが、そこに9年ぶりで中国から父の一郎(伊藤雄之助)が引き揚げてきた。父は仕事がうまくいかず、つい清につらく当たってしまう。清も母の愛情を独占したい。やがて、
 妹が生まれる。担任の先生や隣の小母さん(田中絹代)の助けで、清と父の関係はよくなるかに見えたが、ふとしたことから清は妹に怪我をさせてしま鵜。他方、父は清の飼っていたカラスを不潔だと、離してしまう。清は黄色いカラスの絵を残して、大みそかに家を飛び出す。
 母は息子の不憫を悟り、父も必死に息子を探す。戻ってきた清を、両親はしかっりと抱きしめるのだった。
 黒い大仏から黄色いカラスへ。
 美しい母・妻をめぐる長男と父との三角関係の物語です。
 家庭でも仕事でも、抑留中の9年間の時差を埋め合わせるために、一郎も家族も苦しむのでした。
 やはり淡島の美しさには、ため息が出ます。
 

5月21日 邦画31

 松阪に向かう車中でDVDを一本。
 安田公義監督『一本刀土俵入』(大映、1960年)。原作は長谷川伸。
 利根川近くの宿場町に貧しい取的(とりてき)、褌かつぎの力士・駒形茂兵衛(長谷川一夫)が通りかかる。遊女のお蔦(月丘夢路)が彼に情けをかける。
 それから七年。茂兵衛はやくざになって、宿場町に戻ってくる。町は新興やくざ(山路義人)に支配されている。お蔦は幼い娘を育てながら、亭主の辰三郎(菅原謙二)の帰りを待っている。ところが、辰三郎は賭場でいかさまをやり、やくざたちに追われる身に。ようやくお蔦の居場所を見つけ出した茂兵衛は、恩返しにやくざたちを退治し、親子三人を救うのだった。
 他に、沢村宗之助や伊達三郎ら。
 何度も映画化されている作品です。
 最後に、長谷川が若い取的役の林成年(長谷川の長男)とすれちがうシーンはご愛嬌。
 月丘のきれいなこと。すっかり見かけなくなりました。今年で90歳。2年前に夫の映画監督・井上梅次は亡くなっています。

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