Koji Murataの映画メモ

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邦画 2012年

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5月10日 邦画32

 自宅でDVD。
 田坂勝彦監督『勘太郎月夜唄』(大映、1952年)。
 やくざな勘太郎(長谷川一夫)は、愛するお京(乙羽信子)をやくざの親分から守って堅気の新吉(堀雄二)と添わせたが、自らは簀巻きにされたため、地元の伊那では死んだものと思われていた。
 その勘太郎が堅気になって、伊那に戻ってきた。しかし、お京夫婦はやくざの罠にはまって家財を奪われようとしており、勘太郎を恐れるやくざの親分は彼に盗賊の濡れ衣を着せようとする。その上、新吉までが勘太郎とお京の仲に嫉妬して、やくざんの手先にされてしまうのだった。
 他に、エンタツ、香川京子ら。
 香川の初々しいこと。何しろ60年前の作品です。
 主題歌を歌う霧島昇の高音が冴える。
 このDVDは通販で購入したのですが、何と台湾製でした。
 京都シネマへ。
 塚本晋也監督『KOTOKO』(2011年)。
 琴子(Cocco)は未婚の母で、大二郎という赤ん坊を育てている。彼女は情緒不安定で周囲と騒動を起こし、赤ん坊は沖縄の姉のもとに引き取られることになる。大二郎は沖縄ですくすと成長する。
 ある日、田中(塚本晋也)という小説家が琴子に求婚する。琴子はリストカットと田中への暴力を繰り返すが、田中は「大丈夫」と彼女を抱擁しようとする。
 やがて、大二郎が戻ってきた。だが、田中は姿を消す。再び琴子は情緒不安定になり、ついには大二郎を殺してしまう。
 琴子は隔離施設にいる。そこに死んだはずの大二郎が成長して訪ねてくるのだった。
 Coccoの美しい歌声とモダンアート、そして暴力と平安が交差する。
 自身の体、田中、愛児と、愛する者を傷つけることでしか存在を確認できない不安な琴子。それは今の日本に住むわれわれ自身でもあるのでしょう。
 しかし、正直言って、1時間半ほど観ているのが苦痛でした。それだけインパクトのある作品です。
 
 母を連れて神戸国際松竹へ。
 原田眞人監督『わが母の記』(2012年)。原作は井上靖。
 昭和34年、作家の伊上(役所広司)は、湯ヶ島の実家に危篤の父(三国連太郎)を見舞う。その直後に、父はなくなる。母(樹木希林)には痴呆の兆候が現れている。伊上は幼少期に、母から養母に数年間預けられ「捨てられた」という思いがある。
 湯ヶ島や東京、軽井沢で、伊上は妹たちや娘たち(宮崎あおい他)と地方の進む母の面倒を見ながら、母との心理的な和解を探るのだった。
 忘れられない過去失われる記憶との相克、そして三代にわたる家族の紐帯が、静かに格調高く描かれています。
 往年の名画を観る思いがしました。
 私が生まれる前後の時代背景だから、よけいに感情移入できたのでしょう。
 役所もいいし、何と言っても樹木の老け役が見事。北林谷江を思わせます。
 三国も来年で90歳、文字通り戦後の日本映画とともに歩んだ最後の巨人です。
 井上はノーベル文学賞の有力候補でした。しかし、日本人では安倍公房が最も有力で、意外にも、三島由紀夫はそれほど有力な候補ではなかったそうです。
 
 
 新京極のシネマリーベへ。第10回新京極映画祭です。
 山田洋次監督『続・男はつらいよ』(松竹、1969年)。
 シリーズ第二作。
 葛飾に戻ってきた寅二郎(渥美清)は、中学時代の恩師・坪内先生(東野英治郎)に再会し、その愛娘・夏子(佐藤オリエ)に一目ぼれする。
 さらに、坪内親子は旅行先の京都で寅二郎と再会する。寅さんは子供の頃別れた母親を探しているという。だが、ようやく見つけた母親(ミヤコ蝶々)はラブホテルの女将で、寅さんを邪険に追い返してしまう。
 やがて、坪内先生が亡くなる。寅さんは葬儀を取り仕切るが、夏子が恋人の青年医師(山崎勉)と抱き合うところを目撃してしまう。傷心の寅さんは再び旅に。そして、京都に母を改めて訪ねるのだった。
 他に、おなじみの倍賞千恵子、前田吟、笠智衆、森川信、三崎千恵子、太宰久雄ら。
 寅さん版「瞼の母」です。
 坪内先生は天然の鰻が食べたいと言い、寅さんは江戸川で釣りをします。 
 昔の中学校の先生には、実に威厳があります。
 初期作品には、寅さんの弟分で津坂匡章(今の秋野太作)が登場します。
 
 
 久しぶりに京都文化博物館へ。
 内田吐夢監督『たそがれ酒場』(1955年、新東宝)。
 大衆酒場が舞台。
 常連客の梅田画伯(小杉勇)は、自分の戦意高揚の絵画が若者を戦場に駆り立てたことを後悔し、絵筆を折っている。酒場の専属ピアニスト遠藤は往年のオペラ歌手だが、弟子に離反され妻に裏切られて落剝し、今では若い健一(宮原卓也)を育てることだけが生きがいだ。
 ウェイトレスのユキ(野添ひとみ)はやくざの森本(丹波哲郎)に言い寄られているが、別の青年(宇津井健)と駆け落ちをしようとしている。ところが、田舎の母親が重病だとの知らせが舞い込む。さらに、ストリッパーのエミー・ローザ(津島恵子)は刃傷沙汰に巻き込まれる。
 客の一人(高田稔)は音楽界の重鎮で、健一をスカウトしようとする。しかし、実は彼は遠藤を裏切った昔の弟子だった。梅田の説得で、遠藤は健一を送り出すことにするのだった。
 旧世代が新世代に肥やしになろうとする、戦後日本の物語。
 居酒屋だけが舞台で、その半日の人間ドラマが巧みに描かれている。
 宮原の美声はさすが。
 小杉は渋い味を出しています。
 津島もお嬢様女優だと思っていたら、ストリッパー役を堂々とこなしています。
 他に、多々良純や江川宇礼雄、東野英治郎、それに天知茂も端役で一瞬登場します。

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