Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2012年

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邦画13 映画館17

 シネヌーヴォへ。東北映画特集です。
 斉藤耕一監督『津軽じょんがら節』(1973年、ATG)。
 津軽の寒村に、東京から若い男女がやって来る。イサ子(江上杏子)はこの土地の出身で、漁場で亡くなった父と兄の墓を建てるのが悲願だ。徹男(織田あきら)は東京育ちのチンピラで、他の組の幹部を刺して追われている。徹男はこの寒村から一日も早く出て行きたい。
 やがて、徹男は盲目の娘・ユキ(中川三穂子)に慕われ、関係を持つ。また、孤高の漁師・為造(西村晃)に惹かれ、漁を手伝うようになる。徹男ははじめて「故郷」を発見したのだ。だが、イサ子は父と兄の保険支払いを拒否され、貯金まで盗まれて、この村を離れようとする。
 女は故郷を離れ、男は故郷を発見した。しかし、それも束の間、徹男は東京から追ってきたヤクザたちに殺されるのだった。
 津軽の風景とじょんがら節が、心に突き刺さる。
 他に、寺田農や佐藤英夫ら。佐藤は「救心」のコマーシャルで有名でしたが、ここではエロ親爺を見事に演じています。
 1970年代の反体制的で暗い雰囲気が、ひしひしと伝わってきます。

3月1日 邦画12

 東京に向かう車中でDVDを一本。
 今井正監督『どっこい生きている』(1951年)。
 前進座総出演の左翼映画。
 敗戦の混乱の中で、毛利(河原崎長十郎)は妻(河原崎しづエ)と子供二人を養うため、日給240円の「ニコヨン」日雇い労働に勤しんでいる。
 だが、一家は借家を追い出される。妻は子供たちを連れて実家に帰るが、実家も生活に苦しく、すぐに戻ってくる。この間、毛利はいったん仕事を見つけるが結局採用されず、貧しい仲間たち(木村功や飯田蝶子)から借りた金まで泥酔の末に木賃宿で盗まれてしまう。
 毛利は一家心中を決意して、子供たちを遊園地に連れて行くが、そこで長男が溺れる。命の尊さを悟った毛利は、次の朝また日雇い労働に赴くのだった。
 他に、岸旗江や中村翫右衛門ら。
 イタリアのネオレアリズモの影響を受けた作品だそうです。
 思想的メッセージは明確ですが、当時の世相がよく伝わり、また、役者たちはみな達者なものです。
 シネヌーヴォへ。
 富田克也監督『サウダーチ』(2011年)。
 山梨県の甲府が舞台。
 土方の堀(鷹野毅)は三十台半ばで、妻はいるがタイ人のホステスにはまっている。堀たちの作業場に派遣された猛(田我流)は20代のフリーターで、仲間とラップをやっているが、地元のブラジル人グループと対立している。この二人を軸に物語が展開していく。
 サウダーチとは憧憬という意味だそうだが、経済力、世代、国籍によって人々は分断されており、コミュニケーションやつながり、絆を渇仰している。、見えないタイやブラジル、東京にあこがれながら。
 3時間近い作品ですが、時間を感じさせないリアリティと迫力があります。
 宮台真司氏が政治家役で特別出演しています。なかなか堂に入った演技で、驚きました。
 登場人物の一人がアンディー・ウォーホールを引用します。「誰でも人生の中で15分は主役になれる」。本作の津上人物たちは、その15分をさがしあぐねているように思いました。
 
 京都みなみ館へ。
 鈴木清順監督『夢ニ』(1991年)。制作は荒戸源次郎。
 画家の竹下夢ニ(沢田研二)は彦乃(宮崎萬純)と駆け落ちを約束して、一足先に金沢へやって来た。そこで、彼は美貌の脇屋夫人(毬谷友子)と出あう。資産家の夫・脇屋(原田芳雄)は居酒屋の女将に手を出し、その愛人・鬼松(長谷川和彦)に殺され死体は遺棄されたらしい。
 だが、脇屋は実は生きていた。彼はかつて夢ニと決闘したことがあり、いまだに拳銃で夢ニの命を狙っている。だが、その脇屋もまだ鬼松に命を狙われている。酔狂な脇屋は妻と夢ニに関係をもたせ、夢ニに妻の姿絵を描かせようとする。その頃、夢ニのライバル稲村御舟(阪東玉三郎)や彦乃も、金沢にやって来る。
 他に、大楠道代や宮城千賀子ら。
 清順ワールド特有の怪しげな原色、そして夢と現の混在。
 ラストで主題歌「宵待ち草」を朗々と歌うのは、なんと淡谷のり子!これだけでも感動です。
 

2月17日 邦画9

 「草津よいとこ一度はおいで」の草津に向かう車中で一本。
 三國連太郎監督・原作・制作『親鸞 白い道』(1987年)。
 鎌倉時代に念仏による往生を説く親鸞(森山潤久)が、様々な迫害や試練に耐えながら信仰の道を歩む姿を描いています。親鸞はついには妻(大楠道代)や子とも決別します。
 泉谷しげる、小松方正、ガッツ石松、小沢栄太郎、丹波哲郎、フランキー堺、若山富三郎ら、三國の人脈で脇役も豪華です。
 親鸞の苦悩や、三國の親鸞への傾倒ぶりは、よく伝わってきます。
 しかし、登場人物が多すぎて、当時の歴史的背景や宗教の相関図について十分な知識がないと、ストーリーがつかめません。
 また、映画としてはどこが山場なのかよくわからない、やや冗長な作品になっています。
 カンヌ映画祭審査委員賞受賞との由ですが、カンヌのエキゾチズム贔屓でしょうか。
 偉大な俳優の監督作品としては、失礼ながら期待はずれでした。
 因みに、今年は親鸞聖人の生誕750周年ですね。

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