Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2012年

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邦画8 映画館13

 ムーヴィックス三条へ。
 山崎貴監督・脚本『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012年)。
 昭和39年といえば、私の生年です。
 新幹線開通と東京オリンピックが、物語の背景になっています。舞台はもちろん、夕日町三丁目。
 鈴木オート一家(堤真一と薬師丸ひろ子=ともに1964年生まれだと思います)では、六子(掘北真希)の恋と結婚がテーマになっています。堀北の東北弁は、なかなかのものですね。
 他方、茶川家(吉岡秀隆と小雪)では、養子の淳之介が少年小説で成功し、自立していきます。
 皆が上を向いていた時代、希望に満ち溢れていた時代ですが、昔はよかったの懐古趣味で終わっては、むしろ日本の将来は暗いでしょう。
 鈴木、茶川両家とも、血縁のない家族の一員が自立していくわけで、伝統的な共同体の終わりを示唆しているのかもしれません。
 染谷将太の出番が少ないのは、残念。次には準主役になるのでしょうか。
 他に、三浦友和やむたいまさこ、米倉斉加年ら。
 自宅でDVD。
 ミヒャエル・ハネケ監督・脚本『ファニーゲーム』(1997年、オーストリア)。
 裕福な家族が、休暇を田舎の別荘で過ごそうとしている。車の中でクラシックのCDをかけてタイトルを当てるゲームをしている。ところが、クラシックが突如パンプに変る。
 さて、彼らの別荘に、隣家に滞在しているという青年が、卵を借りに来る。やがて、もう一人の青年も。二人とも礼儀正しいのだが、突如態度が豹変して、夫ゲオルグ(ウルリッヒ・ミューエ)の膝をゴルフクラブで打ち砕き、妻アナ(スザンヌ・ロタール)と子供を人質にする。「明日の朝まであなたがた生きていられるかどうか、賭けをしよう」と、彼らは申し出る。
 いったん脱出した子供も捕まり、殺されてしまう。犯人たちが退去したことから、アナは助けを求めに外に出るが、やはり犯人たちに捕まり、夫は殺され、アナも翌朝湖に投げ込まれる。ゲーム終了。二人の青年は別の別荘に卵を借りに出かけるのだった。
 噂にたがわず、おぞましく絶望的な映画です。
 直接の暴力シーンは、ほとんど映し出されません。
 それでも、ハネケの術中にはまり、途中で観るのが苦痛になってきます。
 「映画は現実より現実的だ」と犯人の一人は、恐ろしいことを言います。
 しかも、アナは犯人の一人を射殺するのに、もう一人の犯人はリモコンで映画自体の映像を巻き戻し、仲間を救うのです。映画の登場人物がスクリーンから乗り出してきて、観客が映像の中にとり込まれるようです。人質になったのは、観客なのです。
 池袋の新文芸座で山本薩夫監督『ああ野麦峠』(1979年、新日本映画)。
 これはDVDにもビデオにもなっていない作品です。
 明治の半ば。飛騨の貧農の娘たちが野麦峠を越えて、諏訪の製糸工場に働きに出る。みね(大竹しのぶ)は勤勉に働き、百円女工に出世するが、結核にかかる。兄(地井武男)に背負われて、野麦峠から飛騨の眺望に接し、息絶えるのだった。一方、ゆき(原田美枝子)は工場の跡取り(森次晃嗣)の子供を宿すが、裏切られて流産してしまう。
 他に、三国連太郎、古手川祐子、西村晃など。
 三国は本当に巧い。北林谷栄も、いつもながら渋い。
 森次はウルトラセブンで有名で、芸能人の中で、私と同じ名前の人物です。
 作中の過酷な労働条件は、いま改めてリアリティを伴っています。
 
 京都シネマへ。
 園子温監督・脚本『ヒミズ』(2011年)。
 東日本大震災の被災地。中学3年生の住田(染谷将太)は母に捨てられ、父(光石研)には「死ねばいい」と罵られ殴られる。そんな少年に同級生の茶沢(二階堂ふみ)は恋慕し、執拗に少年の貸しボート屋を訪れる。その周辺には、震災でホームレスになった夜野(渡辺哲)らが住んでおり、やはり住田を応援している。
 ある日、父の借金の取立てにヤクザ(でんでん)らが現れる。夜野は犯罪に手を染めてまで、住田を助けようと600万円を手に入れる。一方、住田少年は父を殺してしまった。
 住田は社会の「くず」を殺して自分も死のうと町を徘徊するのだが。
 「俺は何でも知っている。自分のこと以外なら」というヴィヨンの詩が紹介されています。
 渡辺やでんでんが巧いのは当然としても、染谷と二階堂の存在感には圧倒されます。さすがはヴェネチア映画祭のダブル受賞だけのことはあります。彼らの存在感が、若者の再生と未来へのエール、震災日本へのエールという、やや説教臭いストーリーを補ってあまりあります。
 洗濯機の中の拳銃が冒頭とラストに結びつきます。
  因みに、「ヒミズ」というのはモグラのことだそうです。
 蝋燭に囲まれた宗教的雰囲気や照明など、園ワールド全開でした。
 久々に京都文化博物館へ。
 羽仁進監督『不良少年』(1961年)。なかなか観る機会のなかった、待望の作品です。
 浅井少年(山田幸男)は仲間と宝石店を遅い、少年院に送られた。浅井には身寄りがなく、親のいる仲間たちは保釈となった。少年院での浅井の孤独と先輩によるイジメ、喧嘩、そして、新しい仲間との友情が、回想と交差して描かれていく。とりわけ、少年院仲間の回想する恐喝シーンは寒々としている。
 やがて、浅井は出所するが、おそらくより厳しい現実と人生が、外界で不良少年を待っているのだった。
 ドキュメンタリー・タッチで描かれており、1960年代初頭の日本の、まだ貧しさの残る様子や、少年院の過酷な環境が、切実に伝わってきます。
 ここに登場する少年たちも、ほどなく70歳を迎えるはずです。その後、どのような人生を歩んだのでしょうか。
 音楽は武満徹。

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