Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2012年

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 京都文化博物館へ。
 増村保造監督『濡れた二人』(大映、1968年)。
 哲也(高橋悦史)はテレビ局勤務で多忙な生活を送っている。妻の万里子(若尾文子)も雑誌の編集者だが、久々の夫との旅行を楽しみにしていた。ところが、夫は旅行を当日になってキャンセルする。
 怒った万里子は単身伊豆に向かう。そこで、彼女は精悍な漁師の繁男(北小路欽也)に出会う。年少の繁男は都会から来た人妻に惹かれる。いつまでもやって来ない夫に失望して、やがて万里子は若者に肉体を与える。ところがその夜に、夫は伊豆を訪ねるのだった。
 万里子は夫に不倫を告白した。それでも、夫は一緒に東京に帰ろうと言う。翌朝、バス停に向かう夫妻に繁男のバイクが絡みつく。夫は去り、妻は残った。その夜、万里子は若者が来るのを待った。だが、自分では彼女を幸せにできないと悟った繁男は、女を避ける。そして、万里子のもとには東京の夫から離婚を求める電報が届くのだった。
 万里子は自由を求め、孤独になる。
 若者のバイクが男の性欲と精力の象徴として描かれています。
 若尾は妖艶で、北小路は若々しい。しかし、伊豆の風景が妙に寂しい。高橋も懐かしい俳優さんです。
 他に、早川雄三ら。
 
 ムーヴィックス三条へ。
 三池崇史監督・脚本『悪の経典』(2012年)。原作は貴志祐介。
 「ハスミン」こと蓮見(伊藤英明)はハーヴァード大学に学んだエリートだが、高校で英語の教師をしている。生徒たちの人気も高い。だが、彼は子供の頃両親を殺害し、以後も多くの人々を殺害してきた。「サイコパス」である。
 「ハスミン」は自らが担任するクラスの生徒を一人一人殺しだし、それに気づいた同僚も殺害する。そして、文化祭の前夜に、ついに大量殺人に乗り出すのだった。
 高校生役に染谷将太や林遣都ら。同僚の体育教師に山田孝之。
 『バトルロワイヤル』や『サイコ』を足して割った変種のようだが、犯人の動機が不明あるいは不在のため、深みに欠ける。
 前半は殺人も巧妙だが、後半は単なる大量殺戮。動機がないから、いくらでも殺せる。
 伊藤がやたらに裸体になっているのが、印象的でした。
 ムーヴィックス三条へ。
 園子温監督『希望の匡』(2012年)。
 東日本大震災から数年後、原発を抱える長島県で地震と津波が発生し、原発事故が起こる。 
 酪農を営む小野家は、原発から半径20キロ圏内の境界線で庭を分断されてしまう。小野家の家長・泰彦(夏八木勲)は認知症の妻(大谷直子)を抱えて、あくまで自宅にとどまる決断をする。しかし、息子・洋一(村上淳)とその妻いずみ(神楽坂恵)には安全のため避難するよう命じる。妊娠したいずみは、やがて原発恐怖症に陥る。他方、小野家の隣家の青年ミツル(清水優)は恋人(梶尾ひかり)の実家が津波に流されたと知り、バイクで被災地に捜索に出かける。
 三者三様の被災者の姿が、重層的に描かれています。
 これまでの園作品と異なり、暴力と性の描写はありません。
 夏八木と大谷はさすがの力演ですが、夏八木演じる父が立派すぎる。
 政府の無策がやや安易に批判されており、作品を平板なものにしています。
 ただ、町役場の冷淡な若い職員に、最後に心情を吐露させており、それぞれの立場の苦悩を描いてはいます。
 十分見応えはありますが、園作品としては、少し期待はずれでした。
 京都シネマへ。
 アンナ・ジャスティス監督『あの日あの時愛の記憶』(2011年、ドイツ)。
 第二次世界大戦中、ポーランドにあるナチスの強制収容所で、ポーランド人のトマシュ(マテウス・ダミエッキ)とユダヤ人のハンナ(アリス・ドワイヤー)は愛し合っている。トマシュはレジスタンス活動のため、強制収容所を脱出し、妊娠中のハンナも連れ出す。
 二人は命からがらトマシュの実家に逃げ延びるが、トマシュはレジスタンス活動で行方不明になる。やがて、戦争は終わるが、トマシュの家族たちはソ連軍に連行されてしまう。生き残ったハンナは独りベルリンに向かった。
 1976年のニューヨーク。ハンナ(ダグマー・マンツェル)は、優しい学者の夫と娘と幸せに暮らしていた。ある日、彼女はクリーニング屋のテレビで、トマシュ(レヒ・キェヴィチュ)が生きており、インタビューに答えている姿を目撃した。ハンナは赤十字にトマシュの再捜索を依頼するのだった。
 映像の中に、過去と現在が巧みに織り込まれています。
 ポーランドの過酷な歴史を改めて想います。1976年にも、この国はまだ共産主義支配下にありました。
 この作品は、(主人公にとっての)1944年から76年と、(観客にとっての)76年から現在という、二つの時差の構造からなっています。
 ラストも説明的でなくてよい。
 ただ、冗長な邦題がいただけません。
 京都文化博物館へ。
 伊藤大輔監督『明治一代女』((新東宝、1955年)。
 柳橋の芸者お梅(木暮実千代)は、歌舞伎役者の沢村仙枝(北上弥太郎)と恋仲だ。その仙枝は襲名披露を控えており、柳橋の茶屋「大秀」の女将(杉村春子)は仙枝と娘が結婚することを条件に、その費用をすべて負担しようとしている。
 お梅にかねてから想いを寄せていた巳之吉(田崎潤)は、田舎の田畑を売って金を作るから、それを仙枝の襲名披露の費用に充ててお梅の女の意地を通し、その代り、仙枝とは切れて自分と結婚してほしい、とお梅に懇願する。お梅も巳之吉の真心に感動し、そうすると約束するが、金を渡したものの仙枝と別れられず、かえって巳之吉を避ける。やがて巳之吉はお梅に殺意を抱くが、もみ合いの末、お梅が巳之吉を刺殺してしまう。
 仙枝の襲名披露を一目見ようと、お梅は身を隠すのだった。
 カラオケで『明治一代女」は時々歌ってきましたが、ストーリーをはじめてしっかり知りました。
 木暮の妖艶なこと。
 「義理も人情も浮世にゃ勝てぬ みんな儚い水の泡」です。

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