Koji Murataの映画メモ

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邦画 2012年

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 久しぶりに京都文化博物館へ。
 伊藤大輔監督『番町皿屋敷 お菊と播磨』(大映、1954年)。
 御存じ、旗本・青山播磨(長谷川一夫)と侍女お菊(津島恵子)との悲恋の物語。
 伊達藩と旗本の対立、それに身分違いの恋が重なります。
 他に、田崎潤や新藤英太郎、東山千栄子、清水将夫ら。
 以前に同じ大映の雷蔵版を観たことがあります。ほとんど同じで、いかに雷蔵が長谷川を模倣する役割だったかがわかります。
 津島演じるお菊は可憐。
 出張先の松本で映画館へ。
 今話題の、蜷川実花監督『ヘルタースケルター』を鑑賞。原作は岡崎京子のマンガ。「ひっちゃかめっちゃか」という意味だそうです。
 全身整形で芸能界の頂点を極めたモデルのりりこ(沢尻エリカ)が堕ちていく物語。りりこはマネージャー(寺島しのぶ、見事なブス役)やその恋人を籠絡して、わがままをきわめるが、新人モデル(水原希子、本当にかわいい)に追い上げられ、手術の後遺症に悩み、失脚する。しかも、りりこを手術した悪徳整形外科医(原田美枝子)には司直の手が迫る。
 草間彌生(松本出身)のようなド派手で幻影的な美術の中で、沢尻が捨身にヌードを開陳する。
 りりこの芸能プロダクションの社長に桃井かおり。さすがに巧い。桃井や原田も元アイドル的存在で、時代を感じさせる。
 蜷川監督、前作の『さくらん』よりははるかに充実した作品を手がけたと思います。
 大森南朋演じる検事がやたら哲学的なことを言うが、これがいかにも解説的で浅薄なキャラになっています。
 それに比して、新井浩文演じるゲイのメイク係は、いかにもと思わせる。
 甲府からの帰路にDVDを一本。
 河瀬直美監督のデビュー作『萌の朱雀』(1997年)。
 奈良県の西吉野村の一家の物語。
 過疎化の進む中で、田原(國村隼)は地元のトンネル工事に従事していたが、工事は中止となり、無気力な日々を過ごすようになる。甥の栄介が近くの旅館で働き、家計を支える。だが、田原は趣味の八ミリ映像を残して、命を絶つ(自死か事故かは不明)。
 栄介は義理の叔母である田原の美しい妻に思いを寄せているが、田原夫妻の娘は栄介を慕っている。やがて、未亡人は娘を連れて実家に戻る決意を固め、栄介も祖母とともに旅館に住み込むことに。こうして、田原家は静かに離散していくのだった。
 八ミリ映像を効果的に使い、蝉しぐれや雨音と静寂が交差する。
 台詞も少なく、背景説明も乏しい。
 全体に印象主義的で、俳句のような映画でした。
 祖母の存在が光っていました。
 吉野の山林も寂しげで美しい。
 自宅でDVD。
 マキノ雅弘監督『日本侠客伝 白刃の盃』(東映、1967年)。
 昭和初期の千葉県銚子が舞台。
 流れ者の大多喜(高倉健)が病気の妻(藤純子)を抱えて、外川運送の世話になる。社長(菅原謙二)はヤクザの息子だが堅気になって、運送業を営んでいた。組を継いだ根占(天津敏)は外川運送を乗っ取ろうと企てていた。
 外川運送の芳造(長門裕之)が根占の手先に殺された。その頃、先代の若頭だった江夏(大木実)が4年ぶりに刑務所から出所してきた。しかし、江夏の妻(松尾嘉代)は根占に犯され自殺してしまう。江夏が根占の組に殴り込みをかけて殺されると、ついに大多喜が立ち上がるのだった。
 他に、伴淳三郎ら。伴は飄々としながら貫録を示しています。
 とはいえ、全体に迫力不足で、マンネリ気味でした。
 京都文化博物館へ。
 山本薩夫監督『傷だらけの山河』(大映、1964年)。原作は石川達三。新藤兼人脚本。
 有馬勝平(山村聡)は西北グループ総帥で、鉄道やデパート、住宅などに事業展開している。有馬には何人もの愛人がおり、私生児がいる。私生児の一人は有馬を相手に認知の訴訟まで起こす。
 また、有馬は金の力で貧乏画家の妻光子(若尾文子)まで愛人にするが、光子は有馬の子息で精神を患う秋彦(高橋幸治)と恋に落ちる。そのため、光子は有馬のもとを去り、秋彦は父を憎んでさらに病状が悪化する。
 有馬は新たな鉄道敷設のために、ライバルの香月(東野英治郎)と対抗して土地を買いあさるが、担当課長は使い込みと疲労が重なり、自殺しまう。
 こうして、多くの者を犠牲にしながらも、孤独な有馬の権力欲はとどまるところを知らなかった。
 西部の堤一族がモデルでしょうね。
 山村がどこか憎めない権力者を力演しています。有馬に比べて周囲の人たちは弱すぎます。
 有馬が肉親の情愛を示すのは、年老いた母に対してだけです。
 行動経済成長期の迫力を感じさせる、2時間半の力作でした。
 

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