キネマ徒然草

映画ネタやその他話題を(ボクシング関係が最近多いです)

全体表示

[ リスト ]

映画感想≪ミスト≫

イメージ 1

毎月、十本弱ぐらいの映画を観ているんですが、なかなか当たりがありません。

「もう映画観るのやめようかな〜」なんてがっかりすることも多いです。しかし止められない。。それは何故か!

たまにこの映画のような大傑作映画にぶつかるからです!!!

≪ミスト≫★★★★★
監督・脚本:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、ジェフリー・デマン

いやー、凄い映画でした。大傑作ではないでしょうか!スティーヴン・キング原作&フランク・ダラボン監督という≪ショーシャンクの空に≫のコンビの作品なんですが、この二人って映画史上最高レベルのコンビなのでわって思います。

少なくとも、キング作品を最も素晴らしく映像化できる監督はフランク・ダラボンだと思いますね(キューブリックファンの方ごめんなさい。。キューブリックも好きなんですけれどね)。

キング&タラボンというと、感動・奇跡系の作品というイメージがありますし、実際この映画も予告においては感動系を装っていますが、実際はクリーチャーがバンバン出てくる、モンスターホラー系の作品です。
≪ショーシャンクの空に≫や≪グリーンマイル≫のような作品を期待して観に行くとエライ事になります←いやマジで!
むしろ幾多あるキング原作のB級映画的なノリも持つ映画です。

いやーしかし、さすがはダラボン監督、一筋縄の作品は作りませんね!

この映画、モンスター&クリーチャー襲来によるパニック映画であると同時に、追い詰められた人間がみせる狂気を描いている映画でもあるのです。いやむしろそちらがこの映画の本当の見せたいところなんでしょう。

迫りくるクリーチャーも怖いですけれど、恐怖で壊れてしまった人間はもっと怖い!スーパーの中はもう無秩序状態になるわけですが、もう大変ですよ。

ここで面白いのは、追い詰められた人達が、宗教信者の馬鹿女になびいていくところなんですよ。なんでもこの映画、キリスト教の世界観がベースにあるとか。私は馬鹿なのでよくわかりませんが、宗教というものがイデオロギーの生成において重要な要素であることぐらいはわかります。イデオロギーそのものになる場合もありますね。スパーマーケットの中はもう無政府状態みたいになるのですが、その中で宗教信者の馬鹿女が幅を利かすようになるわけです。
まあ国とか民族主義なんて、宗教から成り立っているわけですからね。まだまともに法律とか制度なんかない時代に、人をまとめるにおいて宗教ってデカイ存在でした。それこそ科学や情報伝達なんて未発達だったわけだから真実の検証なんて無理だったわけですしね。ある意味、人間が生み出した防衛行動のマニュアルみたいなもんでもあるわけです宗教って。どうすればいいか分からなくなった時などは、とりあえずすがれる物です。かつてマルクスは「宗教はアヘンである」と言ったそうですが、麻薬などとは次元の違うものでしょう。


↓↓ここから少しネタばれが入ります↓↓


しかし「石をパンに変える!」てな感じで、適当な事を言って壊れた人たちを信者に変えていった馬鹿女は殺されるわけですが、クリーチャーでは無く人間に殺されるんです。しかもスーパーマーケットに侵入してきたクリーチャーと同じ殺され方でです。私の考えすぎかもしれませんが、意味のある展開だと思いますね。

とまあ、普通に書き出していくだけでもみどころたくさんなんですが、しかし最大の見どころは原作を改変したというラストでしょう。

「衝撃のラスト15分」というキャッチコピーですが、正確には「衝撃のラスト15分とトラウマのラストカット」でしょうか。何にしろキャッチコピー以上の衝撃があります。もう何とも言えない無常感が凄い。≪セブン≫等をはじめバッドエンドの映画ってたくさんあるけれど、これ程のものは観た事がありません。霧の中からあるものが出てきた時は「うわっーーーーー」とかなっちゃいましたよ。「仕方ないよ、お前よく頑張ったよ」と主人公に入れ込んで観てた人なんかは大パニックですよ。ラスト以外がクソ詰まらないなら映画だったらまだ救いがあるけれど、全編において演技も演出も脚本も完璧すぎるぐらいなので、主人公に感情移入しまくりになる分、もう絶望の淵に落とされることになるんですよ。信念に従い、ただ希望に向かって進んでいた主人公も、気づかぬうちに狂気に捉われてしまっていたとわ・・・。主人公の正義も勇気も優しさも全てのみ込まれていたんですね霧の中に。。

原作とオチが違うラストだそうで(私は原作未読です)賛否両論あるみたいですけれど、私はこの映画はあのラストがあってこそだと思いますね。良く出来た物語の全てがラストの伏線となっていると考えていいでしょう。

凄い映画です。間違いなく必見の大傑作と言える作品です。

閉じる コメント(10)

顔アイコン

せっかくTBを頂きましたのに、こちらからは未送信になってしまいました・・・すみません。
私もつまらない作品が重なると鑑賞をやめようかと思うこともしばしばです。
でもこういう傑作と出会えると、そうした気持ちも吹っ飛びますね!!!
ほんと激しく同感です!
素晴らしい作品でした。

2008/5/19(月) 午前 9:09 [ sum*re*ro7 ]

顔アイコン

>sumireiro7さん
こちらこそありがとうございます。
ヤフーブログってちょっと微妙みたいで、プロバイダーを超えてTBするとちょっとトラブル事が多いみたいです。。こちらからのかけるときでもうまくいかないことがあるんですよ。。

傑作と出会えると、ほんと映画館に行ってよかった!って思えますよね(^^)。これだから映画鑑賞は辞められない。。

2008/5/19(月) 午前 11:51 [ koj*re*t ]

顔アイコン

ラストは本当に後味の悪いものでした。キングの原作は大抵ラストでガックリきますが今回、原作と変えてあるというのでどうなのかと思ったら更に厳しい最後でした。
しかし、確かに「人間性」がテーマであるなら
ここまで描く必要があったのかもしれません。
私はこの最後を見て沖縄集団自決を連想していました。
勿論作り手にはそんな意図はないでしょうし、そう感じた人もいないようです。しかし極限状況における人間心理というものは平時には有り得ない、想像を絶するものがあるのだろうという事は感じました。
とにかく、心に重くずしんと来るので忘れ難い作品で
あるのは間違いのない事実です。

2008/5/21(水) 午前 10:08 [ 翡翠 ]

顔アイコン

>翡翠さん
原作未読なのでオリジナルのラストが分からないのですが、この映画に関して言えば、あのラストで無いと、【描きたかった事がハッキリしなくなる】と思うんですよ。物語的に曖昧な終わり方は出来なかったんだと思います。フランクダラボン監督って「ショーシャンクの空に」とかもそうなんですが、常に作品全体を完璧に把握して映画を作っていく人という感じがします。
【描く】のは簡単でも【描き切る】事は難しい。【描き切る】事を出来るのがフランクダラボンの凄いところだと思います。

2008/5/21(水) 午後 11:44 [ koj*re*t ]

顔アイコン

こんばんは〜はじめまして、ワトソンです。
TBありがとうございます。
この作品奥が深いです。
一筋縄ではいかない傑作です。
ホラーマニアにはたまらないシチュエーションですね。
やっぱり人間が一番怖いのかも知れません。
原作が読みたいのですが売り切れです。

2008/5/27(火) 午後 11:58 [ ワトソン ]

顔アイコン

>ワトソンさん
いらっしゃいませ!

>TBありがとうございます。
こちらこそです!

ほんとこれは物凄い作品でした。何というか人の心を揺さぶるとかいう類のぬるま湯作品とは一線を画した作品だと思います。極限のどん底を見せられたような感じがします。

私も原作との違いが気になります。フランク・ダラボンという人間を知る意味でも、原作を読んで違いを確認したいところです(笑。。

2008/5/28(水) 午前 1:22 [ koj*re*t ]

顔アイコン

kojirestさんのレビューを読んで、この作品を深く納得しました。

仰るように、『グリーンマイル』を期待して行ってしまった私は、
あまりの無常感に映画館で『ぽか〜ん』としてしまいましたが、
今でしたら、納得いきます。
ってか、観てよかった☆

何も知らなかったので、オリーがなくなったところで映画に存在する“神”を怪しみました。
私、どん感ですね(汗)
詳しい解説、ありがとうございます!

2008/5/28(水) 午前 10:44 [ Aqua ]

顔アイコン

>sha*ks_*y*s32*aqaさん
どうもサーバーのトラブルがあるようで、プロフィール名が正確に表示されない状態です。のでコメントの名前が間違っていたらごめんなさい。。


>仰るように、『グリーンマイル』を期待して行ってしまった私は

今までの感動・奇跡系だと思って期待して行くとエライ目にあいますよね。この映画(笑

クリーチャーが一切登場しない劇場予告編とか観て来た人とかびっくりしたでしょうね(私がそうだったんですが(笑))。いかにも奇跡が待っているみたいな予告をかましておきながらあのラストって・・・。

2008/5/28(水) 午後 11:32 [ koj*re*t ]

顔アイコン

いや〜あのラストはないね^^;

2009/1/10(土) 午後 4:20 [ イツキ ]

顔アイコン

僕もみてビックリ!
ねれまあせん

2009/1/11(日) 午前 2:14 Y

開く トラックバック(24)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事