猫のひとりごと・私って、野良猫のメグちゃんなの?

野良猫とこの家の人々との、とても愉快な、でもちょっと寂しい生活物語

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チキンの冒険・第4章

前ページよりつづく

 ジョンは、そんなピンクの、憂鬱そうな表情を感じ取っていました。
そんなピンクを気遣ったジョンは、二人で何かを話し合いたくなった時に何時もするように、ピンクを散歩に誘い出しました。
「ピンク、出掛けようか。」
「ええ。」ピンクは気乗りがしない返事をしましたが、
「天気が良いから散歩でもしようか。」
「ええ。」
既にピンクは、ジョンが何故散歩に行こうと言っているのかを分かっていました。ジョンとピンクは、言葉に出さなくても心が通じ合えるようになっていたのです。
「そうね、行きましょうか。」
ピンクは、アンとガンが寄り添っているのを見ているのも辛かったのですから、散歩に誘われて良かったと思いました。
「行ってくるからね。」ジョンはアン達にそう言うと、ピンクと二人で出掛けて行きました。
「気持ち良い天気ね。」
「そうだね。最近晴れている事が多いからなあ。」
「そうね。」
「ピンク。」
「何。」
「アンの事だけどな。」
「うん。」
「こうなってしまった以上、俺達としてはアンの幸せだけを考えてやろうと思うのだよ。」
「そうね。」
「ピンクだって、アンが幸せになるのが一番良いと思っているだろう。」
「そうよ。」
「それならもうガンを許してやろうよ。」
「・・・・・。」
「何時までもそうやって暗い表情をしていると、アンもガンも幸せにはなれないよ。」
「・・・・。」
「・・・・。」
「どうしてガンの幸せまで考えてやらなければいけないの。アンの事は良いわよ。どうしてガンのことまで考えるのよ。」
「それは、アンを幸せにするということは、ガンも幸せにするという事ではないのか。アンとガンは夫婦になったのだよ。」
「夫婦・・嫌だ、私は認めていないわよ。」
「でも、もうじきに子供が出来るのだから。」
「それとこれとは別よ。私は今でもガンを許していないのよ。」
「そうか、未だあの事を思っているのか。」
「そうよ。ガンは私に・・。そのガンがアンの夫だなんて考える事も汚らわしいわ。」
「そうか。」
「そうよ。私はガンを心から許していたわけではないのよ。でもガンがここに居る以上、いがみ合って暮らしていても良い事は無いと思ったから、だから何も言わずに一緒に生活しているだけなのよ。貴方は、私をこんな目に合わせたガンを、私が本当に許していたと思っていたの。」
「そうは思っていなかったよ。でも何も言わなくなったから、その事は余り気にしなくなったのかとは思っていたけど。」
「私の気持ちを、母親にとって子供を亡くすということがどう言う事なのか、貴方は分かっていなかったようね。」
「分かっていたつもりだよ。」
「分かっていなかったと思うわ。」
「分かっていたよ。分かっていたけど、それを乗り越えていたと思っていたのだよ。」
「それが分かっていなかったという事なのよ。それは一生掛かっても忘れる事はできないことよ。一生掛かっても許せることはできないことよ。それ位に辛いことなのよ。」
「そうか、分かったよ。ピンクの気持ちは分かったよ。それでもなあ・・。」ジョンは、ピンクの肩を優しく抱いたまま黙ってしまいました。
「私はガンを許していないけれど、アンの幸せは考えているわよ。子供の幸せを考えない母親は何処にも居ないと思うわ。そんな事は当たり前の事でしょう。」
「うん。」
「でもね、どうしても気持ちの整理が出来ないのよ。アンとガンが親しくしていればしているほど体に寒気を感じるわ。嫌なのよ。見るのも嫌なのよ。」
「そうか。」
「アンとガンが添い寝しているのなんか、見たくもないわ。ああ嫌。」そう言うと、ピンクは体をブルッと震わせ頭を抱えた。考えるだけで、自分の体に寒気を感じるのです。
「それはそうだ。それは俺も同じだ。あいつは、俺達の気持ちを少しは考えれば良いものを、皆が優しくしているから好い気になっていやがる。」
「アンもアンよ。どうしてあんな年上と。」
「そうだなあ。」
「・・・。」
「でも考えると、ガン以外には居なかったのだなあ。」実際、独身男性はガン以外には居なかったのですが。
「何も、ガンを選ばなくても良いものを。」
「そうだなあ。」
また、顔を見合わせて黙ってしまいました。
「ガンを決して許さないわよ。でもアンの幸せは願っているのよ。だから、ガンに辛く当ることはしないわよ。それ位は分かっているわよ。」
「そうか、そうしてくれるか。良かった。何時までも、そうして暗い表情をしていると、回りの皆が気にしているからなあ。」
「私の表情がそんなに暗いの。」
「最近のピンクは、今までの様に明るく話をしていないと思うよ。」
「そう、分かったわよ。それならできるだけ明るく振舞うわ。それで良いのね。」
「そうか、良かった。」
「アンはとても小さな卵を産んだけれど、大丈夫かしら。」
「きっと可愛い子供が産まれると思うよ。神様にお願いしていようよ。」
「そうね。アンのように可愛い子供だと良いわね。ガンに似た子は絶対に否よ。」
「それは。」
ジョンは、これにはどう返事したら良いものか困ってしまった。男の子が産まれたらガンに似ているかもしれないからです。
「とにかく、元気な子供が産まれるように神様にお願いしようよ。」
「そうね。」
その後は、今までの辛かったことや楽しかったことなど、いろいろな話をしていました。
その時に、ジョンは自分の胸を苦しそうに叩きました。
「ジョン、如何したの。」
「否、何でも無いよ。ただ最近時々、この辺りが痛いと思う事がある。」
「そう、何時も一生懸命に働き詰だから、少し休んだ方が良いかもしれないわね。」
「そうだなあ。ああ、もう痛くなくなったよ。」
「良かった。」
「うん。」
未だこの時は、この事がジョンの体にとって、とても深刻な事が起こっているとは思っていませんでした。

 ジョンとピンクが話をしている頃、ガンとナイフも出掛けていました。ナイフがガンを誘い出したのです。
ナイフはガンに、どうしても言いたい事があったのです。
ガンはナイフが、何故自分を誘い出したのかは、既に分かっていました。
二人は黙って歩きました。かなり遠く迄歩いて来て、草原の一際大きな石の横に、もたれるように座りました。
「ガン、ここに座れ。」
「ああ。」
「俺は、お前に言いたい事がある。」
「分かっているよ、ナイフ。お前が言いたい事は分かっているよ。」
「そうか、何だと思う。」
「アンと俺の事だろう。」
「そうだ。」
「言わなくても分かっているよ。」
「お前なあ、アンは、お前の孫のように小さいのだよ。それをお前は。」
「・・・・。」
「皆、お前の事を信用していた。それがこんな事になるとは。」
「申し訳ない。」
「お前の気持ちが良く分からないよ。お前のした事は普通の大人がすることではないよ。」
「済まない。」
「俺にはとても出来ない事だよ。考えられないことだよ。だいたいお前は、ピンクとジョンの事を考えた事が有るのか。」
「有るよ。ピンクとジョンには済まない事をしたと思っているよ。」
「済まないことか。済まないで済むほど簡単な事では無いぞ。」
「うん。」
「お前はピンクにとって何をしてきたのか。そして、今度はまた。その事を考えると、ピンクやジョンはどんなに辛い思いをしていると思っているのか。お前に、そういう気持ちが有るのか。俺にはお前という奴が分からなくなってきたよ。」
「有るよ。有るよ。でもなあナイフ。俺も最初はそんなつもりは無かったのだよ。それはお前達と同じだ。俺とアンでは年が違いすぎるよ。分かっているよ、そんなこと。だけれど、どうにもならなくなってしまった。俺は、俺を押さえられなくなってしまったのだ。」
「それが俺には分からない。」
「お前には分からないだろう。お前には家族が有るから分からないだろう。俺も、お前達のように、同じ幸せを味わいたかった。だからアンが・・。」
アンから積極的に来たのでこうなったと言いかけたが、それは口先まで出てきたが止めました。大人気ないと思ったからです。このことの責任は、全てが自分に有ると思ったからです。
「家族か、俺達のようになりたかったということか。だからといっても、アンでは幼すぎるよ。そうは思わないか。」
「それなら誰が居るのか。誰も居ないじゃないか。」そう言ったものの、良く考えると、ナイフの子供のメアリーが、アンより年上でした。
言ってしまったあとでは遅すぎました。ガンはナイフの顔を見られなくなってしまいました。
「そうかメアリーでは駄目か。」
「いや、そういう訳では。」
気まずい雰囲気になりかけました。
「そうだろうなあ。メアリーは我が儘で、気が強いから可愛くないのか。」
「いや、メアリーも可愛いよ。」
「良いよ。無理して言うなよ。」
「済まないナイフ。」
「それより、お前はピンクとジョンの前では、アンと余り仲良く引っ付いてばかりでいるなよ。少しは考えろよ。」
「分かっているが、アンが。」実際に、ガンがそうしているのではなく、アンがガンに寄り付いているのでした。
「アンにも言えば良いだろう。」
「ああ、分かったけれど。」
「ピンクの気持ちを考えたら、それくらいの配慮をしたらどうか。」
「そうだなあ、分かったよナイフ。」

 ガンとナイフは、そんな話をした後に皆の処に戻って行きました。
ナイフはガンに、皆の前では、余りアンとベタベタするなと注意したのですが、アンのガンへの甘えようは更にエスカレートしていったに様に思われました。
それはアンが、自分達の事を皆に認めてもらえたという安心感と嬉しさとで、このような甘えた行動がエスカレートして行ったのです。アンとガンとのその行為は、まるで父親が子供を抱いているような不思議な光景です。考え方を変えるならば、嫌悪を感じるような行為にも見えるのですが、それが実際の夫婦と言う事ならば、許せない事も許さざるを得ないのでした。
ピンクとジョンにとっては、それは見たくも無い姿でしたが。
                             つづく

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チキンの冒険・第4章
十一、幼妻

ガンがどのように話をしようかと迷っているうちに、その日はやって来てしまいました、
この日まで、ガンはピンクとジョンに言わなければならないと考えていたのですが、話をすると、ジョンとピンクそして皆からどんな反応が返って来るのかと考えると、ついつい言えなくて、この日を迎える事になってしまったのです。
「叔父さん。」アンが、小さな声でガンを呼び寄せました。
「叔父さん、産まれるわ。」アンがそう言うと直ぐに、可愛い小さな卵を産みました。
「産まれたわ、叔父さん見て。」又、小さな声で言いました。
「そうか、見せてくれないか。」
「うん、良いわよ。」アンはそっとお腹を浮かせた。
そこには小さな可愛い卵が一つ有りました。その卵は本当に小さな卵でした。とても未熟な卵でした。アンの小さな幼い体から出てくるには、これ位の大きさの卵でないと無理だったのかもしれません。
「今まで見てきた物より、少し小さいようだな。」
「うん、でも私のよ。」
「そうだね。」
そんな小声の会話でしたが、その会話がピンクに聞こえました。
それからが、想定していたように大変な事になってしまったのです。
ピンクにもジョンにも、その事は全く予想していなかった事でした。
「アン、あなた今何と言ったの。貴女、そこを退きなさい。」そう言うと、アンの手を強く引き寄せた。
アンは仕方が無く、ピンクの言うように、そこを空けました。
ピンクは、アンのお腹の下に有る物を、自分の目を疑っているかのように見つめた。そして、大きな声でジョンを呼び寄せた。
「ジョン、来て。アンが。」
ジョンはピンクが何を言っているのか分からなかったが、直ぐに近寄ると、アンのお腹の下に有る物を見つけた。
そしてジョンが、アンに向かって何かを言おうとした時に、「済まないピンク、済まない。」ガンが、ピンクとジョンに慌てて謝ったのです。
ジョンもピンクもそれには『まさか。』と、我を疑った。しかし、直ぐにその事が認識されました。
「ガン、お前、まさかアンと。」
「済まないジョン、本当に済まない、ジョン。」ガンはそう言ったが、その言葉が終わるか終わらないかの内に、ジョンの拳がガンの顔をめがけて飛んできた。
「お前は。」
ジョンのその言葉と同時に、ガンの顔が横に折れた。
ジョンの拳が顔を打ったのです。
ガンはすっ飛びました。そして、バタリと倒れました。
「貴方は何て事を。」ピンクも、体を震わしてガンに言った。
そして、更にガンに何かを言おうとしたが、それを見ていたアンの行動は早かった。それは、ジョンとピンクの予想していたものとは全く違っていました。想像できない行動を、アンが行ったのです

アンは倒れているガンに、抱きつくように、覆い被さる様に座り込むと、ピンクを振り返り、「叔父さんを叱らないで、お願いママ、叔父さんを叱らないで。パパお願い、叱らないで。」既にこの時、アンの瞳から涙が出ていたのです。
「パパ、ママ、お願い、叔父さんを叱らないで。」すがる様にピンクとジョンを見上げていました。その姿にジョンは動揺したが「アン、お前は黙っていろ。」と言いました。アンのその姿を見てそれしか言えなかったのです。アンのその姿を見ただけで、アンとガンの関係がどうなっているのか直ぐに分かったのです。
「お願い、パパ。」
「退け、アン。」
「嫌だあ、私の叔父さんを叩かないで。」アンが、泣きながらジョンに哀願していましたが、
「アン、退くのだ。」
アンは、再び、強引にガンと引き離されてしまいました。
アンの気持ちは分かっても、ジョンとしては許せる事ではなかったのです。
「ガン、お前は何という事をするのか。それがお前の俺達への仕打ちか。」
「済まない、済まない。」
「お前は、お前は、自分のした事がどう言う事か分かっているのか。」
ジョンの拳が震えていました。
ピンクの体も震えていました。
「貴方は、私達に何の恨みが有るの。どうしてこんな事をするの。」
「済まない、ピンク。」
「貴方のした事が、どう言う事か分かっているの。」
「済まない、済まない。」ガンは、ひたすらに頭を下げていました。
「パパ、ママ、もう良いでしょう。叔父さんを苛めないで。お願い、パパ。お願い、ママ。」
「アン、貴女は何時頃からガンとこうなっていたの。」
「ずっと。」
「貴女は、自分のした事がどう言う事か分かっているのね。」
「分かっているわ。私には赤ちゃんができるのよ。」
「そうよ、貴女には赤ちゃんができるのよ。」
「分かっているわ。分かっているわよ。私の赤ちゃんよ。私と叔父さんの赤ちゃんよ。」
「貴女、子供を産むという事がどういう事か、貴女が母親になるという事よ。」
「分かっているわよ。だからもう叔父さんを叱らないで。」倒れているガンを介護するように、小さなアンがガンを抱きかかえていました。
一生懸命に、ガンを守ろうとする幼いアンの姿を見ていると、ピンクもジョンも何も言えなくなってしまいました。
アンは未だガンを抱いていました。まるでその姿は、母親が子供を抱いているようにも見えました。小さな体のアンが、その倍以上もある体のガンを抱きしめていたのです。ガンの体を、ジョンの攻撃から守ろうとしているようでした。その行動はアンの本能的な母性行動のように見えました。ガンに対しての、愛の深さが分かるものでした。

ガンはアンに抱かれて、泣いて詫びていました。
それは、不思議な光景でした。
ジョンもピンクも、そんなアンを見てしまっては、ガンを攻撃することはできなくなってしまいました。
「ガン、お前は情けの無い奴だなあ。こんな小さな子供に支えて貰うなんて。しっかりしろガン。良いか、お前のやった事は、決して許せることではないぞ。」
「アン、済まない。」
「叔父さん、痛くない。」アンが、ジョンに殴られたガンの顔の辺りを優しく撫ぜながら見ていた。
「痛くは無いよ。大丈夫だ。」
「そう、良かった。」
「ジョン、ピンク、本当に済まない。でも俺はアンを・・、産まれてくるこの子を、きっと幸せにする。」
「当たり前だガン、アンを不幸にしたら許さん。」
ジョンはそう言いながら泣いていました。未だ、拳が震えていました。
ピンクも泣いていました。
ピンクは、ジョンがガンを許したようには許せませんでした。ただ、これ以上ガンを責めると、アンが可哀相だと思ったから黙っていたのです。
『ガンは私に辛い思いをさせておきながら、私のアンをもこのようにして・・。』
そんな考えを持っていたのです。

 そんな事がありましたが、それから数日が過ぎて行きました。
アンは、体は幼いままでしたが、卵を抱いている表情とか、ガンと話している仕種などは、既に大人の感じを受ける程になっていました。
アンとガンの中睦ましいその姿は、どちらかと言うと、ガンがアンの指示に従っているような感じでした。実際にガンをリードしていたのは、アンの方だったのです。子供とも孫とも思えるほどの年の差がありましたが、この事に関しての精神年齢は、アンの方がはるかに上だったようです。
 ピンクとジョン以外は、そんなアンとガンの姿を微笑ましく見守っていましたが、ピンクとジョンは、未だに心の中では、ガンを許せませんでした。それは、ピンクの気持ちが特にそうでした。
                  次ページへつづく

寿老の滝

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恵那市へ蕎麦を食べに行ったとき、道中で、滝の看板を発見。
そこで、滝まで足を延ばすことにしました。

行ってみると、とても綺麗な滝でした。
子供が、滝の水に浸かって無邪気に遊んでいた。

空気がひんやりとして、とても気持ち良かったです。

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