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人権と癒し

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暴行…救えなかった命

 岡山県倉敷市のアパートで今年1月、母親と暮らしていた光中翔(かける)ちゃん(当時4歳)が、のどに異物を詰まらせて窒息死した。のどには七味唐辛子が約4・5グラムあった。警察は母親の美幸被告(31)(公判中)が冬の寒い時期に翔ちゃんを戸外に放置したり、七味唐辛子を口に入れたりしたとして、暴行や傷害致死などの疑いで逮捕した。

 近所の女性(70)は、裸のまま外に出されて泣く翔ちゃんの姿を何度も目撃していた。「部屋から『何回言ったら分かるんだ』という甲高い大声と、『痛いよー』という子どもの泣き声もたびたび聞こえた」と話す。

相談所の対応 後手に


 実は、虐待は倉敷児童相談所も把握していた。2004年2月には、病院からの通告をきっかけに、翔ちゃんと4歳上の長男を一時保護していた。長男は児童養護施設に入所させたが、翔ちゃんは「傷の程度が兄ほどではない」ことなどから家庭に戻した。

 児童相談所は母親への指導や支援を続けてきたと説明するが、悲劇は防げなかった。

 翔ちゃんが亡くなる8日前にも命を救うチャンスはあった。美幸被告が翔ちゃんの首を絞めたと話していたという通告が、幼稚園から寄せられていた。児童相談所は翌日に家庭を訪れたが、母子が不在だった。その翌日に母親と面談したが、翔ちゃんの様子は直接見て確認しないまま、美幸被告の言葉などから「直ちに一時保護しなければならない状況ではない」と判断したという。その後、二度と翔ちゃんに会う機会はなかった。

 「親との関係がこじれると子どもの家庭復帰が難しくなるので、対応が消極的になってしまった」。児童相談所を所管する岡山県子育て支援課長の吉松裕子さんはいま、対応の難しさを振り返る。



 千葉県松戸市では今年、わかっただけでも3人の乳幼児が死亡した。今年1月に亡くなった大竹美咲ちゃん(当時2歳)は、母親の内縁の夫、吉野陽士被告(25)(公判中)から暴行を受けていた。

 検察側冒頭陳述によると、被告は昨年暮れごろから、美咲ちゃんがお茶をこぼした、部屋の片づけをしないなどと言って頭や胸部を殴った。今年1月、腹部を拳で殴打するなどの暴行によって小腸に穴が開き、腹膜炎を起こした。

 このケースも、児童相談所が昨年12月に美咲ちゃんを一時保護した後、家庭に戻してから事件が起きた。美咲ちゃんは児童相談所が最後に家庭訪問した5日後に死亡した。

 いずれの事件も、県が有識者らに委託して検証作業を行うことにした。倉敷市の事件では、職員が実際に目で見て安全確認することを怠ったり、保護を十分検討しなかったりした点など、児童相談所の対応の不備が指摘された。

 厚生労働省によると、2005年の死亡例(56人)を検証した結果、児童相談所が生前に関与していた例が約2割を占めていた。

 松戸市の事件は検証作業を続けているが、千葉県虐待防止対策室長の鈴木冨美子さんは「いろいろな事例を積み重ね、担当の児童福祉司一人ではなく、組織として対処する力、状況を見極める力を高めていくほかない」と話す。



 暴力を振るう、食事を与えないなどの児童虐待がなくならない。虐待から子どもを守るために、虐待を受けた子どもが健やかに育っていくために、何ができるのかをこの連載を通じて考えたい。

児童虐待 暴力などの身体的虐待、食事を与えないなど養育の放棄・怠慢(ネグレクト)、性的虐待、暴言を繰り返すなどの心理的虐待がある。

 全国の児童相談所が対応した虐待相談は昨年度3万7323件に上り、10年前(4102件)の約9倍に増えた。市町村が対応した相談件数(児童相談所の件数と一部重複)は昨年度4万7933件だった。警察庁によると、今年上半期だけで18人の子どもが虐待によって死亡した。
 太陽の光に輝き、風にそよぐ樹木の葉、植物や土の混ざり合った自然の香り-。森を歩いてリラックスした経験は誰にもあるだろう。森林浴の効果が科学的に証明できた森を、医学や森林の専門家の審査を基に、農林水産省所管の公益法人が「森林セラピー基地」に認定している。ストレスだらけの社会を生きる毎日、森の癒やしの力にあらためて注目したい。

 県内では厚木市七沢の東丹沢七沢温泉郷が新たにセラピー基地に選ばれた。全国十二道県、十八カ所のうちの一つだ。長野県の栂池高原、鹿児島県の霧島高原など全国的に有名な森とともに、癒やし効果があると評価された。

 セラピー基地にいると、都市部にいるときよりリラックス効果が高いとされている。生理実験という方法で被験者が都市部と森林を散策し、心拍数の変化、ストレスを感じたときに増える唾液(だえき)中のホルモン濃度、マイナスイオンの量などを測定し、ストレス軽減効果があると確認された。

 森には人の心にプラスの影響を与える大きな力がある。近年の研究で、脳の司令塔といわれる前頭前野の活動が森の中で変化することが分かってきた。脳の血流が変化、活動が沈静化しリラックス状態になるのだ。都市で暮らす以前、長く自然の中で生きてきた人間を本来の状態に近づけると、研究者は指摘している。

 別の研究では、森林浴で血液中のナチュラルキラー(NK)細胞と呼ばれる免疫細胞が増え、免疫が活性化するという。森の体験は体にも効くようだ。

 内閣府の森林と生活に関する世論調査によると、森林に期待する働きとして、複数回答で「二酸化炭素を吸収することで地球温暖化に貢献する」54・2%、「山崩れや洪水などの災害防止」48・5%、「水資源を蓄える」43・8%などに続き、「心身の癒やしや安らぎの場を提供」31・8%が挙げられている。

 わたしたちはいま、さまざまなストレスにさらされている。職場や学校、地域で起こる人間関係の不具合の積み重ね。「自分探し」が思うようにならず自己実現がかなわない悩み。格差社会がもたらす切実な問題。それらは心身に異常も来した。そのゆがみが犯罪へとつながったこともある。

 かつて精神世界という言葉が流行し、瞑想(めいそう)にのめり込む若者もいた。ヨガや欧米の心理療法を取り入れ、ストレスから心を解き放つ努力でもあった。

 だが、大切なのは、いま生きていることを素直に喜べる人間本来の心を取り戻すことだろう。現実からの逃避ではなく、癒やしの知恵を学んでストレス社会の暮らしに生かしている人々もいる。

 森に入って樹木や動物の気配に五感を働かせる。そんなところからストレス軽減策を始めよう。
 憲法記念日を機に、憲法改正の是非についての議論が再燃した。「平和主義」を象徴する9条改正案の是非をめぐる論議が中心となった。自衛隊を改称した“日本軍”による武力行使を恐れている国民が多いようだ。この心配は大きいだろうが、ともに心配すべきなのは第12、第13条の改正案だ。

 自民党新憲法草案によると、第12条に今まではなかった「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う」が加わる。第13条にも「公益及び公の秩序」という文言がある。

 言い換えると、「あなたたちに人権を与えるが、それを利用して秩序を乱したらだめだよ」という意味になる。

 「人権」と「秩序」を対立させるのは残念だ。自民党が人権や自由を「自己中心」と間違えている。自由と権利を国民に与えると、やりたい放題という「過剰な自由」が許されていると勘違いされることを恐れているようだ。だから、政府が「過剰な自由」にプレーキをかけるために「あなたたちには秩序を守る義務もあるよ」と、国民を脅かす必要を感じているのだろう。

 国民が互いの自由と権利を敬うことで、秩序を保つのが民主主義だ。政府の“脅迫”によって秩序を保つのは、独裁的な全体主義といわざるを得ない。
 女性を「産む機械」に例えた柳沢伯夫厚生労働相の発言が波紋を広げている。少子化問題を担当する閣僚だけに単なる「失言」では済まされず、このままだと少子化対策への影響も避けられない。安倍晋三首相の指導力が問われる。

 柳沢厚労相は松江市で開かれた自民党県議の決起集会で「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人で頑張ってもらうしかない」などと、女性を機械に例えて少子化問題を解説した。

 仮に失言だとしても、厚労相が女性を「機械」のように思っていなければ、このような発言はなかっただろう。そこから連想されるのは男尊女卑の思想である。

 子供を産む産まないは個人の自由で、国が強制すべきでない。経済事情などから子供を産みたくても産めない女性はたくさんいる。そんな事情も考慮せず、子供を産めない女性は不良品のように言う発言は許されることではない。

 実際、未婚化や少子化は社会的な要因が大きい。二〇〇二年のデータでは、正規社員に比べ収入が低い非正規社員の男性は三十四歳でも約六割が未婚。夫婦は平均二・五六人の子供を望んでいるが、実際は二・一二人。理想とするだけの子供が持てない理由について、六割以上が「子育てや教育にお金がかかりすぎる」と答えた。

 経済的な問題を解決しなければ少子化を食い止めることは難しい。国は安心して子供を産めるような労働環境の整備と経済的な支援に努めるべきではないか。

 厚労相の発言に対して、民主党など野党に加え、与党内からも反発が相次いでいる。「選挙にマイナスになるような国会運営はできない」(矢野哲朗・参院自民党国対委員長)など、夏の参院選への影響を憂慮して辞任を求める声が上がっている。

 「産む機械」と言われた女性たちは強く反発している。安倍内閣は女性の支持率が高い。共同通信が一月に実施した全国電話世論調査によると、男性の不支持率は44.5%。支持率は44.1%で政権発足後初めて不支持率が上回った。これに対し、女性の不支持率は33.6%にとどまり、支持率の方が12ポイント以上高かった。

 ”頼みの綱”の女性の支持を失えば、安倍政権の存亡にかかわる。首相や厚労相は謝罪を繰り返して沈静化を図っているが、果たして思惑通りにいくだろうか。女性にとっては「消しゴムでは消せない言葉」(自民党の笹川尭党紀委員長)だろう。

 野党四党は衆院予算委員会を欠席し、柳沢厚労相が辞任するまで国会審議を拒否する方針を打ち出している。しかし、審議拒否ということになると、国会議員としての責任放棄になり、国民の理解を得られるとは思えない。活発な議論を交わし、その中でさらに厚労相発言も追及すればいい。

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