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障害児の数が増えている。県教委が設置した養護学校再編整備検討委員会は昨年三月、県内の養護学校の在籍児数が今後十年間に毎年二百人ペースで増え続けると予測し、新たに養護学校十一校を整備する必要がある、と提言した。だが、二〇〇六年度は〇五年度に比べ在籍児は三百人近く増えた。予測は早くも外れ、増加は加速する様相を呈している。 予測を超える急増に対し、養護学校整備も急務になる。養護学校の適正規模は在籍百三十人前後。毎年二校前後を新たに造らなければ毎年の増加分に対応できない計算だ。しかし、〇七年度の県予算は相模原市の福祉施設跡地に一校を新設するための調査設計費が盛り込まれたにすぎない。 新設校を造らず、既設校に詰め込むのはもう限界だろう。養護学校は障害の種別で知的障害、肢体不自由、病弱に大別されるが、過密化が著しいのは知的障害の養護学校。どこも適正規模を超える子どもを受け入れている。中でも県内で最もマンモス校化が進んでいるのは県立瀬谷、保土ケ谷の両養護学校で、適正規模の二倍を上回る三百人近くに達した。瀬谷養護学校の場合、〇七年度には三百十数人にまで膨らむ。 教育環境も劣悪だ。知的障害の養護学校は、在籍児の大半が自閉症やその傾向のある情緒障害を重複している。大規模化で雑然とした中では、パニックを起こしやすくなる。だが、その子を落ち着かせる場所がない。周りの子が「殴られて鼻の骨を折った」「頭突きされて前歯がぐらついた」などの事故も起きてしまう。教師が混乱に陥った子を抑止しようとしてけがをすることもある。 こうした状況下で学校の窓ガラスがよく割れる。ある養護学校の場合、年間五十枚ほど割れ、テープで補修している。スクールバスにも乗り切れず、保護者の送迎負担も大きくなった。スクールバスに乗れても車内がひどく混雑するため、そこでパニックが起きる。現場の教師、保護者のこうした労苦は枚挙にいとまがない。 県教委は県立高校の再編統合に伴い遊休化する校舎を改修し、養護学校にする意向もあるが、具体化されていない。手詰まり感は否めず、当面は窮余策でしのがざるを得ない。三年前から県立高に養護学校高等部の分教室(現在五カ所)を設け、過密化を分散させてきた。県教委は今後、さらに多くの県立高に分教室を設ける考えだ。将来的にそれを高校の特殊学級にすることも視野に入れている。これらは全国でも前例のない対応で、入試制度、教職員配置を見直す要素も含んでおり、相当な議論になるだろう。 現状打開は難しい課題だが、やはり増加に合わせ養護学校を新設するのが抜本策だろう。小手先の対策に走っても解決しない。
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