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日本の経済力
1、 12月26日、内閣府は国民経済計算の結果を発表した。
(1)それによると、2006年の日本の名目GDP(国内総生産)は4兆3755億ドルであった。これは2006年の世界全体のGDPの9、1%であるとされている。日本のGDPは1994年には世界のGDPの17,9%であった。世界経済に日本が占める大きさが1994年のピーク時から半減した。ちなみに2003年は11,5%(4兆2400億ドル)、2004年は11,1%(4兆6092億ドル)、2005年は10,2%(4兆5576億ドル)であった。
米国のGDPは2003年10兆9080億ドル、2004年11兆6309億ドル、2005年12兆3761億ドル、2006年13兆1329億ドルである。2006年の世界のGDPに米国が占める割合は27,2%である。
EU15カ国(東欧諸国は除く)のGDPは2003年10兆8078億ドル、2004年12兆4512億ドル、2005年12兆9026億ドル、2006年13兆6628億ドルである。2006年の世界のGDPにEU15カ国が占める割合は28,3%である。
中国(香港とマカオを除く)のGDPは2003年1兆6410億ドル、2004年1兆9316億ドル、2005年2兆2439億ドル、2006年2兆6447億ドルである。
韓国のGDPは2003年6081億ドル、2004年6805億ドル、2005年7914億ドル、2006年8880億ドルである。
中国、インドなどの成長で世界経済が拡大する中、日本の成長が遅々としていることがこういう数値に表れている。
(2)2006年の一人当たりの名目GDPは日本は34252ドルで、OECD(経済協力開発機構)加盟国中、18位であった。2003年9位、2004年12位、2005年15位に比較し、順位が下がっている。たとえばノールエーは71857ドルであるが,その半分もない。1993年、日本はOECD加盟国中2位であった。もちろんノールエーをそのときは凌駕していた。
こういう計算には為替レートが影響を与える。2006年の計算に使われた為替レートの平均は1ドルー116,3円である。ユーロ高であった。
2、 為替は投機などの要因でも変動する、固定相場制をとっている国もあることを踏まえ、各国の経済力をその通貨の購買力を考慮して評価することが行われる。世界銀行はこの購買力平価(以下PPPという)による評価を行ってきた。そこでは、世界最大の経済は米国であるが、2位は中国、3位が日本か又はインドとされてきた。しかるにこのほど世界銀行はこの購買力平価をより正確にするために物価調査を行い、新しい平価を採用した。
英エコノミスト誌12月22日−1月4日号は「竜の翼を切る」と題し、「中国の経済は考えられていたより小さい」との記事を掲載している。
この記事によると、世銀は以前、PPPで中国のGDP(2005年)を8兆9000億ドルと推計していたが、それを5兆3000億ドルと評価しなおした、(為替による評価は2兆2000億ドル)、インドのGDPについても、約40%下方修正したということである。
3、 日本の経済力は通常の為替で計算した場合、PPPでの評価より高くなる。PPPで評価すれば物価水準の関係で、途上国の経済はより大きくなり先進国の経済はより小さくなる。世銀の新しいPPPでも同じである。通常の為替での計算である内閣府発表で、日本の経済力は急速に落ちてきている。
国家戦略を立てるにあたっては、自分の実力に見合った課題を設定する、それが基本である。できもしない構想は戦略の名に値しないし、自分の力と達成すべき目標の関係を良く考える必要がある。しかしそれ以上に日本の経済力の下降、国力の低下に関心を払う必要がある。その観点から、経済立て直しの重要性は論ずるまでもない。
(文責:茂田 宏)
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数字の魔力ですね。いずれにしても、日本の国力の低下、経済力の低下をもっと真剣に意識し、対策を練る必要があるということですね。有難うございました。
2008/1/2(水) 午後 6:26 [ nko*k*10 ]
コメント、ありがとう。正月は休んでいますが、またよろしく。
2008/1/2(水) 午後 10:54 [ 茂田 宏 ]