国際情報センター

的確な国際情勢判断をする国民、それが国の進路を誤らない最大の担保です。

全体表示

[ リスト ]

インド洋での海上自衛隊による給油活動の終結

1、1月15日、日本が「不朽の自由作戦」の海上阻止活動に従事する諸国の海軍艦船に行ってきた給油その他の活動は終結する。このためのテロ特措法が失効するからである。この活動に従事した自衛官に敬意を表明する。

2、1月11日付産経新聞は、複数の政府関係者が中国海軍が代わりに補給活動を引き継ぐことを検討していると述べたと報じるとともに、原油の9割を中東に依存する日本にとってそのシーレーンでプレゼンスを失うだけでなく、中国にエネルギー政策の根幹を左右されることになりかねず、政府内に警戒感が広がっている、と報じている。
海自の活動を中国が引き継いだからと言って、「中国にエネルギー政策の根幹を左右される」というのは大げさすぎる。そんなことにはならない。公海での航行の自由は確立された国際法上の規範である。
しかしこの補給活動はテロとの戦いへの日本の参加を示し、危険も少なく、関係諸国より高く評価されていた活動である。こういうものから撤退することは最近低下しつつある日本の国際的な地位をさらに低下させる効果を持つ。中国が取って代われば、中国の国際的な地位向上に資する。
この給油は日本が自主的にやってきたことであり、やめたとしても、普天間基地移転問題のごとく国際合意違反になるわけではない。しかし民主党政権がなぜこういう国際貢献をやめているのか理解に苦しむ。間違った憲法解釈、あるいは単に前政権の時に反対した惰性で、この給油をやめているのであれば、残念なことである。

3、この給油などの対象になっていた海上阻止活動は今後その重要性を増すと思われる。アフガンやパキスタンで米軍増派によって圧力を受けるアルカイダとそのシンパは今後、イェーメンやソマリアに活動の拠点を移していくことが考えられるが、そのためのルートとして海上ルートが最も便利と考えられるからである。

4、国際平和維持活動への日本の貢献は現在ゴラン高原に45名の輸送隊員、ネパールその他に若干名が出ているに過ぎない。それに比較し、中国は手元にある資料では2008年11月末現在で2000名近い軍人を国際平和維持活動に派遣している。国際平和維持への貢献でも日本は中国に大きく後れを取っている。経済面でも世界第2位の経済大国の地位を近く中国に占められる。世界のGDPに占める日本の割合は1990年代初め約18%であったが、今や約8%である。日本の国際的な地位や発言力が弱くなるのは当然である。
この日本の国際的地位低下を止めるためには、経済成長と同時に、日本の国際的な役割の強化を図っていくべきであろう。しかしこの給油活動の廃止など現政権のやっていることは逆方向を向いている。
(文責:茂田 宏)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事