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アフガン・タリバンNo.2の拘束

1、 2月16日付ニューヨーク・タイムズ紙は「秘密の共同急襲、タリバンの最高司令官
をとらえる」との見出しで、概要次の通り報じている。
 米高官によると、数日前、タリバンの最高軍事指揮官がカラチでパキスタンと米の情報機関の秘密の共同作戦で捕えられた。
 アブドル・ガニ・バラダル師(1968年生まれ)はこの8年間の戦争で捕えられた最重要なタリバン要人であり、ムハンマド・オマール師に次ぐ影響力を持っている。
 現在、米とパキスタンの情報関係者が尋問を行っている。彼が話しているかどうかは定かでないが、彼がオマールの居場所を明らかにすることが望まれている。
 現在、米その他とアフガン軍は南アフガンで大規模作戦を展開している中で、バラダル拘束が明らかにされた。
急襲の詳細ははっきりしないが、パキスタン軍のスパイ組織、ISIが行い、それにCIAの工作員が同行したとされている。
ニューヨーク・タイムズ紙は、2月11日にこの作戦を知ったが、情報をさらに得るための障害になるとのホワイト・ハウスの要請で報道を差し控えた。タリバンの指導者はバラダルの逮捕を知らず、もし公になれば、行方をくらまし、お互いに連絡するのに慎重になるとされた。ホワイト・ハウスがバラダル拘束がよく知られるようになったと判断したことを受け、ニューヨーク・タイムズは報道することにした。
米高官はバラダルがタリバンの軍事作戦を指導するほか、クエッタ・シュラと呼ばれるタリバン指導者会議を主宰していたと見ている。
パキスタン情報機関の今回の動きはカヤニ軍参謀長を含むパキスタンの指導者が米との協力のレベルを上げたことを示唆する。ISIは米軍の撤退後のアフガン情勢を考え、タリバンとの協力の余地を残そうとして来たが、それが変わってきた。タリバンがパキスタン内で割に自由に活動していることがISIとCIAとの対立点であった。尋問がパキスタン主導で行われている。どう行われているか、よくわからない。米はオバマ政権で水責めは禁止されているが、パキスタンの尋問は残酷であるとされている。
バラダルの拘束がタリバンの今後に与える影響は今のところ不明である。
最近、オマール師を含め、タリバン指導者がカラチに逃げたと考えられている。タリバンの指導者会議は戦争指導のほか、タリバンの「影の知事」の任命や野戦軍司令官を任命する機能などを有してきた。
タリバンの内部事情に詳しい人によると、バラダルはタリバン指導者の中で最も外部の人が近づきやすい人で、アフガン政府と交渉する用意が他の人よりあったとされている。

2、 バラダルの拘束はアフガン・タリバンにとり大きな痛手である。
第1:パキスタンの情報機関とタリバンの決別が決定的になった。
第2:オマール師は精神的指導者であり、日常的な指示を出していたのはバラダル師であると考えられていたので、タリバンにとり最高指揮者がいなくなった。タリバン内部で混乱が生じる可能性がある。

3、 なお日曜日からISAF軍はアフガン軍を含むと15000人の兵力を動員して、ヘ
ルマンド州のマルジャ市からタリバンを掃討する作戦を行っている。道路わき爆弾や文民被害に注意しながらの作戦で、スピードは速くないが、作戦自体は順調に進み、タリバンよりイニシャティブを奪う結果になっている。ただタリバンを掃討した後、この地域を保持し得るかはまだ判らない。この作戦は文民被害を少なくするために事前に公表された上で行われ、タリバンの多くは既に他の地区に退避している。アフガン人が連合軍が引き続き滞在すると考えるように持っていくことが重要であろう。
(文責:茂田 宏)

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