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アフガン・パキスタン情勢

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オランダ軍のアフガンよりの撤収

1、 2月20日、オランダの連立政府は、現在アフガンに派遣中の2000名のオランダ軍を本年8月以降も派遣するか否かの問題をめぐり、労働党が派遣継続に反対し、崩壊した。バルケネンデ首相は規模縮小し、派遣継続を主張したが、合意が得られなかった。同日、首相はオーストリアで休暇中のベアトリックス女王に政府辞職を報告した。
数日中に選挙を行うかどうかの女王の決定がなされ、その決定後、83日以内に選挙が行われることになる。
米、アフガン政府、オズルガン州知事を含む地元、NATOなどの要請にかかわらず、オランダ軍の撤収は不可避になった。

2、 オランダ軍は2006年8月より2年間の予定で派遣され、その後2010年8月まで2年間派遣が延長されてきた。しかし21名の戦死者が出る中で、世論はアフガン派兵に否定的になってきた。
オランダ軍の大多数はアフガンのオルズガン州(現在、米・NATO・アフガン軍がタリバンに対して大攻勢をかけているヘルマンド州に隣接する州)のキャンプ・オランダに駐屯している。アフガンでの戦闘は主として南部と東部で行われているが、オルズガンもその一部で、戦闘の激しいところである。ドイツ軍が戦闘を避け、アフガン北部に駐留しているのに比較すると、オランダ軍は厳しい環境の中で頑張ってきたと言える。
このキャンプ・オランダには豪州軍が1300名駐留している。

3、 2月22日付オーストラリアン紙は、「豪軍、オランダ人が残す空白を埋める気なし」
との見出しで、スミス外相が2月21日、オルズガンでのオランダの指導力と貢献に大きな敬意を表明するが、オランダなきあと、豪州がオズルガン州での指導的役割を果たす立場にはなく、その旨、NATO、米、ISAFに明らかにしたと述べたことを報じている。
豪軍はオランダ軍の医療部隊に頼っていたので、それをどうするかなど再編成の必要が出てくる。

4、 カナダ軍も本年末までに2800名をアフガンから撤収させるとしている。

5、 オバマ政権は3万人増派をするとともに、NATOにも1万人の増派を求めた。NATOは7000名までの増派を約束したが、撤退予定の取り消しなども含み、「真水」の部分はそれに到達していない。米・NATO間で今後とも問題になろう。
NATO諸国が、オランダが撤収するのであれば、自分たちも撤収するとして、アフガン戦争の連合が崩れる危険が今差し迫っているとは思われない。しかしアフガン戦争への欧州世論の支持は弱まってきている。
タリバン側がもうすこし粘れば、西側の継戦意欲はなくなると考える可能性は高い。
ゲリラ戦では、心理面が重要である。このオランダの撤収はその意味で大きな意味がある。
なおタリバンはイスラムを守るという宗教心、パシュトゥン人としての民族意識(部族意識と言った方が適切かもしれない)と社会改造意識、郷土防衛意識をもっており、その継戦意欲はかなり強いと判断される。
(文責:茂田 宏)

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大変参考になりました。

やはり派兵自体に無理が有ったと僕は見ているのですがねえ。

それと期間

シベリア出兵ですら日本は五年でした。

最大限二年でしょう。

それを過ぎればどんな派兵でも国民は厭戦的な気分になります。

2010/2/23(火) 午後 8:41 ure*ruh**oshi

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