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パレスチナ:UNESCOに加盟
1、 10月31日、UNESCOの一般総会はパレスチナを加盟国として承認するか否かの投票を行い、賛成107票、反対14票、棄権52票で加盟を承認した。
国連加盟国ではない国家の加盟については、UNESCOの執行理事会の勧告および一般総会で出席し投票する国の3分の2の賛同が必要である。棄権国は投票国にならないので、この要件は軽く満たされた。
2、 10月31日、米国務省ヌーランド報道官は次の声明を発表した。
パレスチナを加盟国として認めるUNESCO加盟国の本日の投票は、遺憾であり、時期尚早であり、中東における包括的で公正かつ永続する平和という我々が共有する目標を掘り崩すものである。米国は独立・主権パレスチナ国家の樹立を支持するとの点で不動である。しかしそういう国家はイスラエルとパレスチナの直接交渉を通じてのみ、現実化される。
米は国連システム全体を通じ、しっかりとした多数国間の関与に強くコミットしている。しかしながら、UNESCOへのパレスチナ加盟は長年にわたる法的な制限の引き金を引き、米がUNESCOに資金拠出することができなくなる。UNESCOへの米の関与は教育,科学、文化、コミュニケーション問題についてわが国益に資するものである。米はUNESCOにおける加盟国の地位およびUNESCOへのコミットメントを維持する。我々は議会と米の利益と影響力が保たれることを確保するために協議を行う。
3、 日本は英などとともに棄権した。私は賛成してもよかったのではないかと考える。
直接交渉でパレスチナ国家が樹立されるのが最も望ましいが、その直接交渉を国際法違反であるとされている入植地建設で駄目にしているのはイスラエルである。
民族自決権の行使に直接交渉が妥結しないからと言って拒否権を長年にわたって行使し続けるのは無理があると言わざるを得ない。
米がこういうことでアラブ諸国の不信を買うのは米にとっても得策ではなく、米の投票態度こそ遺憾である。
4、 UNESCOはよい仕事をしている。米は6千万ドルのUNESCO分担金の支払いを止めることになる。イリナ・ボコヴァ事務局長はUNESCOの活動資金が少なくなり、有益な仕事に制約が出てくることに警鐘を鳴らした。
(文責:茂田 宏)
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