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米豪防衛協力の強化
1、 11月15日付ワシントン・ポスト紙は「豪州訪問で、オバマは軍事プレゼンスについての協定を明らかにするだろう。米はアジアにおける兵力態勢の見直しの一部として基地へのアクセスを得るだろう」との記事を掲載している。その概要、次の通り。
オバマは11月16日から2日間豪州を訪問する。その際、ダ―ウインの軍施設でギラード首相とともに米海兵隊が訓練と上陸演習のためにそこの基地を使うことを可能にする計画を発表する予定である。
専門家は在日米軍が一部グアムに再配置される中で、「兵力態勢」を再検討する最初の小さな一歩であるとしている。
中国の軍事力などが成長するなかで、アジアでの米の同盟国は南シナ海などでの潜在的脅威をバランスさせるために支援を求めており、豪州は東南アジアに近い位置にある。
更に専門家は豪州の基地は中国の弾道ミサイルの射程外になるとしている。
ウイラード太平洋軍司令官はこれは南アジアをも含むアジアでの米軍にとっても有益であると述べた。
豪州のロウイ研究所の2010年の世論調査では、豪州人の55%が米軍基地を豪州に置くことに賛成している。豪州人の44%が中国は次の20年で軍事的脅威になり、77%が豪州は自分では紛争時に防衛しきれないと考えている。
2、 最近、米豪軍事協力は強化されてきている。
背景は中国の軍事力増強にある。豪州の米軍基地は南シナ海やインド洋に近く、かつ中国の接近阻止・地域拒否のためのミサイル、DF-21の射程外になるとのメリットがある。
更に豪州には、沖縄におけるような反基地感情はほぼ皆無である。
米国内ではアジアでの兵力配置について中国の接近阻止・地域拒否兵器を懸念し、オフショア戦略と称して、中国のミサイルの射程外に主要な兵力配置を移すべしという議論がある。さらに北東アジアに集中している米軍を分散させるべしとの議論もある。
日米が普天間移転でもめる中で、こういう動きがあることに日本としても注意する必要がある。在日米軍基地は日米双方の利益に合致するが、米には、他の選択肢もあるということは頭の片隅に置いておく必要があろう。
(文責:茂田 宏)
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