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欧州情勢

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メドヴェージェフの欧州ミサイル防衛に関するテレビ演説

1、 11月23日、メドヴェージェフ演説、次の通り。
 ロシア市民達。本日私は欧州におけるNATO諸国のミサイル防衛(以下MD)システム」に関する状況についてあなた方に話す。
MD分野での米、NATOとロシアの関係は長く複雑な歴史を持つ。オバマ大統領が2009年9月欧州のMDシステム建設の前任者の計画を変更した時、我々はこれを肯定的な一歩と歓迎したことを思い出す。この決定が我々が新START(戦略兵器削減条約)を締結することを可能にする道を開いた。この条約はそう遠くない過去に署名され、戦略攻撃兵器とMDの間の本質的なリンクを明確に言明している。これは大きな成果であったと私は言う。
しかしその後、米はMDシステムを段階的に作りだすことを念頭におく新しいMD計画を実施し始めた。これは具体的にロシアでの懸念を呼び起こす。これはロシアに近接した地域と隣接する海域に米のミサイルと軍事能力の配備を最終的には行うことになろう。
1年前、リスボンでのNATO/ロシア首脳会議で、私は各国が特定のセクターに責任を持つ欧州における共同の、セクター的MDシステムの開発を提案した。さらにNATOのパートナーの見解を考慮し、そのシステムに追加的修正を討議する用意を示した。我々の唯一の目標は欧州は新しい分割線を必要としない、ロシアの平等で法的に確立された参加で共通の安全保障の輪郭を作る
このアプローチがロシアとNATOが真の戦略的パートナー関係を築く特別の機会を作り出すだろうというのが私の信念である。我々は我々に関係にある摩擦と対決を平等、不可分の安全保障、相互信頼、予見可能性で置き換えることになる。
残念なことに、米とNATO のパートナーはこの方向に進む十分な意欲を示さなかった。この段階における欧州MDシステムに関する我々の懸念を聞き、理解する意欲を見せるよりも、彼らは単にこれらの計画はロシアに向けられておらず、我々が懸念を示す意味はないと繰り返した。これは行政当局の立場であり、いくつかの国の立法府の議員は公然と全システムはロシアに向けられていると述べている。
明確な法的義務として文書にこのことを書くべしと言う我々の要請は固く拒否された。我々は合理的な立場を持っている。我々はこれらの義務の地位と内容を討議する意思がある。しかしわが同僚はこれらの義務が実質を持たねばならず、空虚な言葉であってはならないことを理解すべきである。これらは約束や再保証のような文言ではなく、具体的な軍事・技術基準の文言でなければならない。ロシアがMD分野での米とNATOの行動が彼らの宣言と措置にどの程度適合しているか、我々の利益が侵害されているか否か、どの程度まで戦略核バランスがそのままなのかを判断することが出来るような文言でなければならない。このバランスが今日の安全保障の基礎である。
我々は短期間、6-8年の時期で我々の核抑止力を弱体化しうる計画に参加することに同意しない。欧州MD計画はすでに進行中で、残念ながら、ポーランド、トルコ、ルーマニヤ、スペインで作業は急速に進められている。我々は既成事実に直面させられている。
もちろん、我々はこの問題について米とNATOとの対話を続ける。私は最近オバマ大統領と会談した際、そう合意した。そのときに私は我々の懸念を再度明確に表明した。未だ「了解に達する時間はある。ロシアは米・NATOと我々の関係に新しい章を開くであろうこの分野での合意に達する政治的意思を持っている。もしわがパートナーがロシアの正統な安全保障利益を考慮に入れる正直で、責任ある態度を示せば、私は合意を達しうると確信する。しかし我々が「協力」し、事実上、我々自身の利益に反して行動するように要請されるのであれば、共通の基盤を樹立することは困難だろう。そういう場合には、我々は異なる対応をすることを強制されるだろう。我々はMD計画実施の各段階での事象における現実の発展に応じて我々の行動を決定するだろう。
この関連で、私は次の決定を行った。
第1:私は国防省に直ちにカリーニングラードにある早期警戒レーダーを戦闘警戒に置くように指示している。
第2:ロシアの戦略核兵器の保護掩蔽は航空・宇宙防衛の開発プログラムの下で優先的措置として強化される。
第3:戦略ミサイル軍と海軍によって注文された新しい戦略弾道ミサイルは先進的MD突破システムと新しい高度に効果的な弾頭で装備される。
第4:私は軍に必要な場合MDシステムのデータと誘導システムを無力化する措置を作成するように指示した。
第5:これらの措置が不十分と判明すれば、ロシア連邦は欧州における米MDシステムの如何なる部分も取り去る我々の能力を確実にするために国の西部と南部に近代的な攻撃兵器システムを配備する。この過程での一歩はカリーニングラード地方にイスカンダール・ミサイルを配備することになろう。
欧州MDシステムに対抗する他の措置も必要に応じて作成・実施される。
更にもしロシアに不利なように引き続き発展するならば、我々は更なる軍縮、軍備管理措置を取りやめる権利を留保する。
戦略攻撃と戦略防衛兵器間の本質的リンクに鑑み、新START条約からの我々の脱退の条件もまた出てきうる。この選択肢は条約に書かれている。
我々はMDとその分野での実際的協力に関する米・NATOとの継続的な対話の扉を閉ざしてはいないとの点を私は強調する。我々にはその用意がある。
しかしこれは我々の正統な利益と懸念を考慮に入れることを保障する協力のための明確で法的な基礎の樹立を通じてのみ、達成されうる。我々は対話にオープンであり、我々の西側のパートナーからの合理的で建設的なアプローチを希望している。

2、 米・NATOとロシアの欧州ミサイル防衛についての、話し合いは上手く行っていない。
ロシアが欧州MDシステムがロシアの戦略兵器に向けられないことを法的義務として受け入れることを米・NATOに求めているが、そういう義務を書いた条約が米国上院で承認される可能性はゼロである。米は大統領レベルでの保証書簡の発出などを提案しているが、ロシアはそれでは足りないとしている。米軍最高司令官の約束では不十分と言うのは、大統領は変わりうるということであろう。
今回のメドヴェージェフ演説は従来のロシアの立場を変えずに、米・NATOとの合意が出来ない場合のロシアの対抗策を示し、西側に譲歩を求めたものである。しかし米が条約でロシアのミサイルを対象にしないと約束する可能性は無い。
欧州MDはStandard ミサイル−3、SM-3を使うものであるが、これではロシアの戦略ミサイルを撃墜できない。しかしロシアはSM-3も将来、能力が向上しうると心配している。
欧州MDの能力制限を米としては法的義務として約束することもまた上院の態度に鑑み、不可能である。
ロシアが法的義務としてロシアの戦略兵器を阻害しないとの合意を取り付けることに固執する限り、米・NATOとの交渉は進展しないであろう。そうなると、ロシアの対抗措置は発動され、欧州は新たな緊張を経験する可能性がある。
ただロシアの経済・技術力に鑑み、米・NATOはロシアに軍拡競争をする能力なしとみていると思われる。
(文責:茂田 宏)


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