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イスラエルへのカチューシャ・ロケット攻撃

1、 11月28日、レバノン南部より、イスラエルに向け、カチューシャ・ロケットが2発、発射された。アブドラ・アザム部隊と称する組織がこの攻撃を行ったと発表した。ヒズボラは沈黙している。
 イスラエル軍は報復としてレバノン領を砲撃した。しかしヒズボラの陣地があるところではなく、何もない野原に砲撃を行ったとされている。

2、 この事件は大きな衝突に発展する可能性は低いと思われるが、南レバノンには、色々な武装組織が存在し、かつシリヤの諜報機関も入り込んでいる。シリヤ側の同意なしにかかる攻撃がなされることは考え難い。
アラブ連盟は11月12日、シリヤの加盟資格を停止、11月16日には暴力の停止、都市部よりの軍の撤退、それを監視する監視団の受け入れを求め、11月19日までにシリヤ側が受け入れない限り、制裁を検討するとした。その後、11月24日には、3日以内にアラブ連盟の要求への回答がない場合、制裁すると通告したが、シリヤがそれを無視したため、11月27日、緊急外相級会合を開催、シリヤ政府幹部によるアラブ連盟加盟国への入国禁止、シリヤ中央銀行、政府との金融取引禁止、シリヤ政府対外資産の凍結、シリヤ民間航空機の乗り入れ停止などの措置を発表した。これはかなりきつい制裁措置である。シリヤの隣国、レバノンとイラクはこの決定の投票で棄権した。
アサッド政権として、この状況を打開する道はいくつかあるが、一つはアラブ連盟の要求を受け入れることである。今一つはイスラエルと事を構えて、イスラエルによるレバノン攻撃、さらにシリヤ攻撃を挑発し、イスラエルの攻撃にさらされているシリヤ、レバノンへの支援をアラブ諸国に強要する、あるいはアラブ諸国の世論にイスラエルと戦っているシリヤ、レバノンへの支援の声を上げさせることである。
国内的にもイスラエルとの紛争は国内での弾圧から国民の注意をそらせる効果がある。後者の選択をとる場合、イスラエルとレバノン・シリヤ間での武力衝突になる。
今回の事件は多分、シリヤが後者の選択の可能性があることを地域諸国に知らしめる狙いで惹き起こしたか、同意を与えたかであるとも思われる。
イラン、ヒズボラがどう判断するかの問題もある。
イランは国際原子力機関が核開発をしている疑いがあるとの報告書を発表した後、欧米諸国は新しい制裁を課している。イランにもイスラエル問題をその核の問題を含め、プレイ・アップする動機がありうる。
今回の事件はイスラエルと南レバノンの武装勢力間の1回だけの応酬で終わりそうであるが、上記のことを念頭に、イスラエル・レバノン国境の情勢は今後注意深く見て行く必要がある。
(文責:茂田 宏)

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>カチューシャ・ロケット攻撃

ひどく懐かしい兵器の登場ですね。
傑作ボタン押下!

2011/11/30(水) 午後 11:30 [ 小窪兼新 ]


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