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G−7財務大臣・中央銀行総裁の声明(2007年10月19日)
世界経済は、力強い成長の5年目にある。最近の金融市場の動揺、高い石油価格、そして米国住宅分野での弱さはこの成長を穏やかなものにしそうである。しかしながら、我々の全体的な経済ファンダメンタルズは引き続き強く、新興国市場は、世界経済の強さに決定的な勢いを与えている。
我々は強い世界的な成長を維持するために自らの役割を果たすことに引き続きコミットする。我々は、世界金融市場の体系的安定性を保護するため、決意を持って行動してきたし、貨幣政策は価格の安定性を維持するために警戒的なままでなければならない。我々は、引き続き中期的な構造改革と財政規律を追求する。技術的変化と貿易・投資への開放性はグローバル化した世界での我々の繁栄のために不可欠である。我々は、保護主義的圧力に抵抗すること、農業、非農業市場アクセス、特に金融サービスを含むサービスの重要な分野で意義のある新しい貿易の流れをもたらすドーハ開発ラウンドの成功にコミットしている。貿易自由化と貿易のための援助は、世界的な貧困削減にとり、重要である。
我々は、為替レートが経済ファンダメンタルズを反映すべきであると再確認する。為替レートの過剰な変動や秩序のない動きは経済成長のため望ましくない。我々は、為替市場を綿密に監視し続け、適切に協力する。我々は、その通貨の柔軟性を増加させるとの中国の決定を歓迎する。しかし経常収支における増加する黒字と国内でのインフレに鑑み、我々は、その実効的な為替レートの加速化された切り上げを許す必要を強調する。
最近の世界市場の動揺の後、金融市場の機能は改善しつつある。強い世界的なファンダメンタルズと資本化が上手くなされている金融機関は健全で、回復力のある基盤を提供している。しかし一様でない条件は今後しばらく続く可能性があり、綿密な監視を必要とする。
最近の金融の動揺に対する我々の対応はその原因の完全な分析に基づかなければならない。証券化と金融上のイノベイションは我々の経済の成長に意義深く貢献した。我々は、最近の出来事で暴露された多くの短所に対し、市場参加者が取り組むことを期待する。健全で、透明性がある、包括的な枠組みを確保するため、我々は金融安定フォーラム(FSF)に対して、動揺の原因を分析すること、流動性とリスク管理、金融デリバティブの会計と価値付け、構造的金融における信用格付け機関の役割・方法、利用およびバランス・シート外の手段の取り扱いを含む思慮深い監視についての基本的な監督原則、の諸分野において、提案を行うことを要請した。我々はFSFの議長マリオ・ドラギより作業計画の概略を受け取った。日本とワシントンにおける来るべき会合で、我々は彼の更なる報告を期待している。
我々は、借り入れの多い機関についてのFSFの勧告の実施における進捗を討議した。この文脈で、我々は、強化されたベスト・プラクティスを開発するため、英と米の民間の代表が行った作業を歓迎した。
我々は、世銀とIMFの改革を討議した。我々は、世銀総裁ゼーリックより、世銀の仕事を前進させるための考えについての報告を受け取った。我々は、世銀が経済成長と貧困削減を推進するうえで、変化しつつある挑戦に成功裡に取り組むことを確保するための彼の計画を、彼および他の株式保有者と、さらに討議することを楽しみにしている。我々は、ロドリゴ・デ・ラトにIMFの仕事への彼の貢献に感謝した。我々は、新しい専務理事ドミニク・ストラウス・カーンと働くことを楽しみにしている。我々は、基本的な改革の野心的なパッケージを達成することに引き続きコミットしている。クオータ配分と発言力は、その多くが新興国市場であるダイナミックな経済の大きくなりつつある重みと役割を含め、世界経済の現実をよりよく反映すべきである。我々は、また、低所得国の発言力が高められるべきことに合意した。我々は、為替レートを含む、IMFの監視枠組みの近代化についての決定を歓迎し、その確実で、公平な実施を期待する。IMFの金融は維持可能な基盤に置かれる必要がある。同時に、IMFはその活動の真剣な見直しとその支出の統合を行わなければならない。
我々は、成長と経済開発を支持しつつ、エネルギー安全保障と地球的気候変動に取り組むための統一された行動の重要性を討議した。我々は、主要な経済とともに、かつ国連の気候プロセスを通じて、その目的のために働くことにコミットしている。我々は、市場に基盤を置く政策措置はそれぞれの国での具体的な条件に合致するように効果的に設計されるべきであると合意した。我々は、「クリーン・エネルギーと投資枠組み」のような既存のメカニズムを通じてクリーンな、低炭素技術への投資をかさ上げする必要に留意し、クリーン・エネルギー技術の途上国への配置を支持するためのクリーン・テクノロジー基金を創設することを探求することに合意した。
国境を超える、市場に基盤を持つ投資は、力強い世界的成長への主要な貢献者である。この文脈で、我々は、政府系ファンド(SWF)が国際金融システムのますます重要な参加者であること、我々の経済がSWFの投資に開放されていることから利益が得られることに合意した。我々は、制度的な構造、リスク管理、透明性、説明責任などの分野でSWFにとってのベスト・プラクティスを見出すことにメリットがあると考える。政府が支配している投資の受け取り手にとり、無差別、透明性、予見可能性などの原則に基づくことが重要であると我々は考える。我々は、関係する諸国との対話の強化にコミットしており、今夜のアウト・リーチ晩餐会でこれらの問題を討議することを楽しみにしている。我々は、IMF,世銀、OECDがこれらの問題を検討するように要請する。我々は、我々の経済の間での投資の流れを高める機会を探求し、比較可能な証券レジームの相互承認についての討議を継続する。
我々は、IMF、世銀、アフリカ開発銀行に“アフリカにおけるよい金融統治のためのG8行動計画”を積極的に支持するように、またこの分野での戦略をより整合性のあるものにするように要請する。我々は、重債務貧困国(HIPC)に対する攻撃的な訴訟提起の問題を引き続き懸念している。我々は、この問題に対処するためにパリ・クラブがすでに取った措置を歓迎し、すべての主権国債権者にHIPCへの権利を売らないように要請するとともに、とりうべき追加的措置を検討している。我々は、「新興国市場経済と途上国におけるローカルな債券市場の開発のためのG8行動計画の実施報告」を討議し、なされている作業を歓迎した。我々は、すべてのIMF加盟国に、リベリアでの現在の状況に対応し、IMFで完全な債務救済を行うとの我々に歩調をあわせるように呼びかける。
我々は、資金洗浄、テロリスト金融、金融市場に同じような危険をもたらす他の不法な金融とたたかうことに引き続きコミットしている。我々は、大量破壊兵器拡散金融の危険を調査し、世界的脅威の監視を高め、民間セクターとの対話を深めている「金融行動タスク・フォース(FATF)」の現在の作業を賞賛する。我々は、IMF、世銀にFATFとの緊密な協力を継続するようによびかけ、FATFが国際的な標準を承認していない国などと集中的に協力するように強く勧める。我々は、来春、FATFのマンデートを更新するために他のFATFの閣僚と会合することを楽しみにしている。
我々は、イランに関連した種々の資金洗浄とテロリスト金融のリスクから国際金融システムを保護するための措置について、特にFATAを賞賛する。イランの核・ミサイル計画に関連した国連安保理の2度にわたる全会一致の決議、およびイランと関連のある不法金融のリスクを特定したFATFの活動に鑑み、金融機関はこれらのリスクを考慮に入れるように、助言される。
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