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イランの核問題

イランの核問題

1、 11月7日付ワシントン・ポスト紙は「国際原子力機関(IAEA)はイランは核能力に近い
と述べる。外国の専門家が決定的な支援を行ったことが判明」との見出しで、IAEAがイランが核兵器のための技術を取得してきているとの報告書を近く発表する予定であると報じている。
 この報告書では、ソ連の核兵器専門家ヴィアチェスラフ・ダニレンコが1990年代にイランとの契約に基づき5年間支援を行ったこと、北朝鮮とパキスタンのカーン博士のネットワークが兵器の設計や中性子発生機などで協力したことを指摘している由。
また、11月7日付ニューヨーク・タイムズ紙は「査察官がイランの核計画について報告書を準備する中、米は正面に出ないようにしている」との見だしで、IAEA報告書がイランがパルチン軍事基地で内向高性能爆薬(核分裂を惹き起こすために核物質を爆縮する技術)について作業しているとの事実を明らかにする予定であると報じている。
この報告書について、中露は天野IAEA事務局長に対しイランを追い詰めないようにこの報告書の公表を控えるようにとの申し入れを行ったこともこの記事は明らかにしている。

2、 イランは自国の核開発は発電のためであり、核兵器の取得を目指すものではないとしてき
た。しかしこの報告書はイランが核兵器を作るための関連技術の取得をしようとしていることを明らかにしているとされる。
 この報告書が発表されるとしていつか、そこにどれくらいの証拠が記載されるかはまだよく判らない。天野事務局長も難しい判断を迫られるだろう。
IAEAは技術的な機関であり、あまり政治的考慮をせずに、事実を明らかにする姿勢をとることがIAEAの権威保持のためにも重要であると思われる。それがIAEAの責務でもある。
イランは平和目的の核開発しかしていないと述べてきたが、もしそうであれば、そのこと
をIAEAに納得の行く形で示す必要がある。イラン側はこの問題は政治的に取り扱われているとしているが、米やイスラエルの意見はともかく、IAEAの意見を政治的として退けることは国際的にはあまり上手く行かないであろう。
この報告書の発表はイランの核問題のついての論議を今一度強めることになるだろう。
私は、イランは核兵器取得をまだ最終的には決定していない一方、いざと言う場合に短時日で核兵器保有が出来るように準備をしているということではないかと考えている。

3、 なおイランの国内政治については、最高指導者ハメネイとアハマドネジャッド大統領の間
で対立の兆候がある。
イランではペルシャ帝国の歴史を国のアイデンティティとしてどう位置づけるか、それを栄光の歴史とするか、イスラム以前の無知の時代と位置づけるかの問題が常にある。
イラン革命前のシャーはペルシャ帝国の歴史を強調した。ホメイニはそれを否定した。最近、アハマドネジャッドはイランの地域での重要性を強調する中で、ペルシャ帝国の伝統を肯定的に描写している。これにハメネイが怒っているとの情報がある。
イランの新聞には、ペルシャ暦、イスラム暦、西暦がこの順序で掲載している。これがイランのディレンマを象徴している。ホメイニはペルシャ暦を革命直後に禁止したが、国民の祝日がペルシャ暦に沿っていることもあり、いまでは復活している。
(文責:茂田 宏)

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