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リビヤ情勢
1、 3月19日から開始された米、英、仏軍によるリビヤの防空施設やベンガジに向けて進軍中であったカダフィ側兵力への攻撃は、ベンガジにいる文民の保護に成功したと思われる。
ベンガジを本拠地とする反カダフィ勢力は逆転攻勢に出ている.
2,3月28日付ワシントン・ポスト紙は「リビヤでは反政府側がモメンタムを得る。3重要都市、奪還。NATOが国際的任務の統制を引き受ける予定」との概要次の記事を掲載している。
3月27日、反政府側は沿岸沿いに西に進み、少なくとも3都市を奪還した。3月28日、ベンガジはカダフィの出身地シルトが陥落したとのニュースで湧きかえった。ロイターがシルト陥落を報じたほか、アラブ衛星局フラーも確認した。
米高官も用心深さを示しつつ反政府側に有利になっていることを認めている。同時に東リビヤで反政府派は主導権をとっているが、カダフィ政権は反政府派の勝利というより政権の内部崩壊あるいは交渉による解決で退陣するだろうと述べた。
ゲイツは国防長官は3月27日、「政権が割れてくる可能性を過小評価すべきではない」と述べた。
3月27日、NATOはNATOがリビヤへの軍事行動を指揮することに合意した。
反政府側は3月25日にはアジュダビヤを奪還し、その後、ブレガとラスラヌフ、さらにビン・ジャワードを支配下に置いた。しかし連合軍の目的は文民保護であり、反政府側支援ではないので、トリポリへの反政府側の攻撃を支援するか否かは判らない。
3月27日クリントン国務長官はヨルダンの元外相ハティブがトリポリに向かい、カダフィに「極めて明確なメッセージ」を送ると述べた。
2、 リビヤ情勢は明らかに反政府側に有利に展開してきている。国連安保理の決議は文民の保護を目的としたものであるが、カダフィ政権が連合軍の空爆と反政府派の攻勢にどこまで持ちこたえるか、疑問になってきている。
カダフィ政権は武器禁輸を受けているので、その軍事力も漸減せざるを得ない。泥船からは逃げ出すという心理と相まって、ゲイツが言うように政権の内部崩壊の可能性があると思われる。
カダフィは国際刑事裁判所に訴追されているほか、亡命しようにも亡命先がない状況にあるが、ハティブがカダフィに逃げ道を用意してやれば、リビヤを不毛な内戦から救うことになるように思われる。この交渉がどうなるか、まだよくわからない。
(文責:茂田 宏)
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