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ロシア・NATO関係の緊張
1、 4月30日、NATOはロシア代表部の2名の上級職員を、スパイ活動をしたとして、国外追放処分にした。これに対し、ロシア外務省が出した声明、次の通り。
粗野な挑発が、報道によると、NATOロシア常駐代表部の二人の職員に対してなされた。NATOの治安担当者は、いかなる明確な説明もなしに、全くでっち上げの口実で、彼らをブラッセルから追放するとしている。この常軌を逸した行動は、ロシアとの関係を正常化する用意についてのNATO指導部の声明に、基本的に反する。この挑発の背後にある勢力が、関係改善への現在の傾向に推進力を与えることに関心を持っていないことは、我々には明らかである。彼らはロシア・NATO対話、ロシア・欧州対話の互恵の発展を妨害するための口実を、大騒ぎして探している。そして彼らはそのやり方において、完全に破廉恥である。
我々は今起こっていることの結果について、すべてのNATO加盟国が考えるように勧める。もちろん、我々はこの挑発から我々自身の結論を引き出すだろう。
2、 5月1日付ロスアンジェルス・タイムズ紙は、「ロシアは二つの問題で西側を非難」との記事の概要、次の通り。
モスクワの高官は、4月30日NATOが2名のロシア人を追放したことと、グルジアでの軍事演習をやろうとしていることで、西側を強く非難した。オバマ政権の米ロ関係の『リセット』と、最近のロシア・NATO関係の雪解けとの鋭いコントラストをなして、これはロシアによる非難と脅しの日であった。
二人は政治部長ビクトル・コチュコフと、事務局書記バシリー・チジョフとされている。この追放はNATO・ロシア理事会が昨夏のグルジア戦争後、始めて会合したすぐ後に行われた。
ロゴジン駐NATOロシア大使は、スパイ容疑は間違いである、「確立した外交慣行に従い、この行為は応答なしにそのままであることにならないと言いたい」と述べた。
NATOとモスクワ間の討議の最初の日は4月29日であったが、この討議は来週グルジアで始まる軍事演習についてのNATO計画についての緊張の高まりで行われた。ロシア大統領メドベージェフは4月30日、この演習を「公然たる挑発」と呼び、「最近戦争があったところで演習は行われるべきではないと言うのは常識である。否定的な結果へのすべての責任は、これを実施しようとする人々にある」と述べた。
この緊張の中で、ロシアはグルジアの分離地域とグルジアとのいわゆる国境の軍事支配への責任を引き受ける条約を締結した。
4月30日、南オセチアとアブハジアの大統領は、モスクワでメドベージェフと協定に署名、この協定はロシアに停戦ラインの防護責任を与えている。また3大統領は、ロシア連邦安全保障当局と両分離国との治安当局を結び付ける協力協定にも署名した。
ロシアの軍事専門家は、「もし停戦ラインで事件があれば、これはロシアとグルジアの直接対決になる。もちろんこれは戦争再開の良い口実になる」と述べた。
3、 ロシア・NATO関係はそう簡単に改善しないと考えておいて良いのではないかと思わ
れる。ロシアの行動パターンとグルジア問題はつまずきの石になる。
(文責:茂田 宏)
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