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イラク戦争に関するペンタゴン文書の漏えい

1、 10月23日付米各紙は、ウイキリークス(元ハッカーのジュリアン・アサンジェ主宰)がそのウエブサイトにイラク戦争についてのペンタゴンの秘密文書391,832点を掲載したことを大きく報じている。7月25日にアフガン戦争について91000点の秘密文書を掲載したことに引き続く2回目の掲載である。
各紙の見出し、次の通り。
ニューヨーク・タイムズ紙:「イラク文書、ある戦争の軌跡」、「漏えいされた報告書はイラクの民兵へのイランの支援を詳細に述べる」、「拘禁者はイラク人の手でもっと悪い取り扱いを受けたとウエブは述べる」、「イラクでの民間人死亡の不快な描写」、「国防省の反応」、
ワシントン・ポスト紙:「秘密のイラク戦争ファイルは不快な新しい詳細を提示;米はウイキリークスの発表を非難、文書の真正さは疑問視せず」
 ウイキリークスは事前にニューヨーク・タイムズ紙、スピーゲル誌、ガーディアン紙、アル・ジャジェーラ放送局などに情報提供し、かつ情報源の氏名を削除した由。

2、 これらの文書は先に発表されたアフガン文書同様、現地の軍部隊からの報告を主たる内容とするとされているが、機密文書が大幅に漏えいしたということである。
誰が漏らしたのかについては、前にウイキリークスへの機密漏えいの廉で逮捕・取り調べ中のブラドリー・マニングが容疑をかけられている。

3、 報道された文書の内容中、注目点は以下の通り。
第1:イラク戦争の犠牲者(死亡者)数が109、032名死亡で、うち民間人が66、081名であったこと。
第2:イランがイラクでの宗派対立で大きな役割を果たし、革命防衛隊が民兵への武器供与、訓練その他の支援を積極的に行っていたこと、更に米軍との戦闘にまで及んでいたことなど、イランの介入が従来想定されていたより多かったこと。
第3:イラクの拘禁者収容施設で米軍施設アブ・グレイブにおけるよりももっとひどい拷問などが行われていたこと。(これはマリキ首相の責任追及につながりうる)

4、 米国内においてイラク戦争は既に過去のものとの認識が一般的であるので、アフガン戦争についてのリークのようなインパクトはないであろう。ただ反戦運動家は新しい攻撃材料を手に入れたことになる。

5、 ペンタゴンは激怒して、米兵や協力者の命を危険にさらす行為であるとの声明を発表した。
(文責:茂田 宏)

米でのロシアのスパイの逮捕

1、 6月29日付ワシントン・ポスト紙は、「FBI、ロシアのスパイとして働いていた廉
で10名逮捕」との記事を掲載している。その記事の概要、次の通り。

6月28日、米司法省は6月28日ロシアのスパイとして身分を偽装し、シンク・タンクや公務員に接触し、米の政策や機密についての情報を得ようとしたとしてロシアのスパイ10名を逮捕したと発表した。
6月27日の逮捕はクリントン政権時代からの捜査の結果である。ビデオでの監視、隠しマイク、家屋の内密の捜索が行われた。6月26日に容疑者の一人が新聞紙に5千ドル入った封筒をアーリントン郡の公園の秘密交換場所に置き、それをFBIが回収した。
逮捕者の3人はアーリントンに居住し、ホワイト・ハウスから数ブロックしかは離れていないところやマンハッタンの中心部で容疑者と隠れ工作員が秘密の会合をしたことが訴追書類に書かれており、FBI係官がロシアの工作員と容疑者がすれ違いの際にバッグを交換している状況をビデオにとっている。
「不法者計画」と米の捜査官が呼んでいるこの作戦はシンク・タンクなど非政府機関にスパイを送り込み、政府の内部情報を取ろうとするものであったとされる。彼らがどれだけ成功したかはよくわからないが、FBIは10名もの外国諜報員を一度に逮捕したというケースは顕著な成功であるとしている。
11名がマンハッタンの連邦裁判所で不法外国工作員としての行動と資金洗浄を含む罪で告訴されたが、スパイ罪で告訴されてはいない。10名が6月27日、アーリントン、ニューヨーク、ニュージャージー、ボストンで逮捕されたが、1名は捕まっていない。10名のうち、8名は結婚したカップルで、金融やメディア関係の仕事などに就いていた。
モスクワ中央からは、種々に指令がグループに出されていたとされている。

2、 6月29日、ロシア外務省は次の報道官コメントを発出した。
 米国でロシアのためのスパイ容疑で1グループに対しなされた告発に関し、我々は異なる時期に米国に居ることになったロシア人に関するものであると報告する。彼らは米の利益に反する何の行為もしていない。
我々は彼らが拘禁場所で正常な取扱いを受け、米当局がロシアの領事と弁護士に彼らへの接触を保障するものと考えている。
我々は米側が露米関係の発展における現在の段階の肯定的な性質に基礎をおくことを含め、この問題の適切な理解を示すように希望している。

3、 この事件はまだ全貌が明らかになっておらず、米露関係に与える影響も読みづらい。
ただロシアがまだまだ諜報活動を気長く行っていると言うことは確かである。容疑者の一人は20年以上、米に住んでいたとされている。
 日本にはスパイ防止法もない。日本の機密保護体制は不十分である。しかし国際政治の中で諜報はいまも重要な地位、役割を果たしていることは認識されるべきであろう。こういうグループが日本にいても不思議ではない。
(文責:茂田 宏)

メドヴェージェフ大統領の訪米

1、 ロシアのメドヴェージェフ大統領は6月22日より25日まで米を訪問した。
サンフランシスコから訪問を始め、先端技術の現場を視察するなどした後、ワシントン入りし6月24日にはオバマ大統領と首脳会談に臨んだ。
オバマ大統領はハンバーガー店にメドヴェージェフを案内するなど、歓待に努めた。
6月25日、メドヴェージェフはG8出席のためにカナダに向かった。

2、 米露首脳会談を受け、なんと11本もの共同声明が発出された。ソ連もロシアも訪問の成果として文書を作ることに熱心になることが多いが、その結果であろう。
 米露両大統領共同声明として取り上げられた項目だけ記載すると次の通り。
(1)開かれた政府の推進と実施、(2)キルギスタン共和国における状況、(3)エネルギー効率、(4)戦略的安定性、(5)テロ対策協力、(6)国際養子縁組、(7)アフガニスタン、(8)国民間交流、(9)イノベイションにおける戦略的パートナー関係、(10)ロシアのWTO加盟、
加えて、米露大統領委員会調整官による共同声明が出された。
私は全文を読んでみたが、これまでの米露間で達成された合意を振り返り、さらに今後も協力を続けようという趣旨で、中身の薄い共同声明である。
米露間には、イラン、北朝鮮(核と天安沈没事件)、グルジア、ジャクソン・ヴァニック修正条項などに関し、意見の相違があるが、そういう対立点は取り上げられていない。

3、 ホワイト・ハウスはこれらの共同声明に加えてオバマ政権下で対ロ関係を「リセット」
する方針を打ち出した後、START条約をはじめどういう成果が得られたかを記述したFact Sheetを発出した。
オバマ大統領は米露関係の改善を自分の成果としてプレイ・アップしている。
メドヴェージェフもそうしている。
米露がお互いにそういう姿勢に出ていることが世界に向けて発信されたというのが今回の訪米についてもっとも注目されることであろう。

4、 こういうメドヴェージェフ・プーチン政権に甘いオバマ政権の姿勢は、現政権のやり方に反対しているロシアの民主派、ロシアへの警戒心を持つ中欧諸国を落胆させるだろう。
 そういう落胆は民主派については現政権、中欧諸国についてはロシアとの関係調整に向かわせる可能性が大きい。
 メドヴェージェフはロシア経済の近代化を主張している。人によっては、プーチンと違う面を出しているのだと言う人がいるが、私は役割分担をしているにすぎないと考えている。
しかしメドヴェージェフが米との協力関係を柱の一つに、経済近代化を目指そうとしていることは明らかである。
(文責:茂田 宏)

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米サイバー司令部始動

米サイバー司令部始動

1、 5月21日、ペンタゴンは概要次の通り発表した。

本日、ゲイツ国防長官は陸軍大将キース・アレクサンダーを初代米サイバー司令部司令官として任命したと発表した。発表はアレクサンダーを4星将軍に昇任させる式典後に行われた。 
ゲイツは「サイバー空間への依存が増大していることを踏まえ、この新司令部は脆弱性に対処し、増大しつつある種々の軍事システムへのサイバー脅威に対処するために国防省の資源を集める」と述べた。
米サイバー司令部は必要な技術能力を保持し、軍のサイバー作戦の統合に焦点をあわせる。司令部は国防省の情報安全保障環境を防衛するために、既存のサイバー空間資源を一緒にし、現在存在しないシナジーを作りあげ、戦闘効果を同調させる任務を有する。これは国防省の任務の拡大ではない。これは米の国家安全保障を保護し防衛し、制服の男女の生命を保護する国防省の任務に合致している。
米サイバー司令部は準統合司令部で、米戦略司令部に従属する。現在、その本部はメリランド州フォート・ミードに置かれている。上院はこの新司令部の司令官にアレクサンダーを昇任させることを5月7日に承認した。

2、5月26日、マレン統合参謀議長は、コロラド・スプリングで空軍アカデミーの卒業生への演説で、「サイバー空間が今後20年間で我々がどう戦うかを変える」、「サイバー空間はグローバル・コモンであり、そこでは、我々は競争相手がいないような有利さを持たず、国際的規範が破られやすい」などと述べ、すべてのレベルで指導的立場にある人間がサイバー問題に知識を持つように求めた。マレンはサイバー空間での国境、規則、権限ある当局の欠如を指摘し、国際社会はその利用について共通の基準に合意するために会合する日が来るだろうと予想した。

3、 6月3日、アレクサンダー司令官は就任後初めてCSISで講演をおこなった。
この講演でアレクサンダー司令官は、指揮・統制から通信、情報、作戦、ロジまですべてがネットワークに依存している、サイバー空間は国家及び軍の力のすべての要素にとり重要な手段になっている、我々の軍は多分より大きな危険にある、オバマ大統領の国家安全保障戦略は、ディジタル・インフラを戦略的国家資産であり、プライバシーと自由を守りつつ、それを保護することは国家安全保障上の優先事項であると指摘した、と述べた。
またアレクサンダー司令官は軍のコンピューター・システムは700万台以上のコンピューター、1万5千のネットワークとの連結、21の衛星ゲイト、2万の商業的サーキットからなる、これに対し1時間当たり25万回の許可されていないアクセスの試み、一日で6百万以上のアクセスの試みがあるとし、今のところ、前線での防衛はうまく言っているが、外国、テロリスト、犯罪グループ、個人のハッカーからの脅威がある、と述べた。
アレクサンダー司令官は米政府の他の機関との協力、最終的には国際社会が合意する交戦規則がサイバー空間での活動についての法と責任を樹立するために必要であろう、またサイバー司令部と国家安全保障局(NSA)の人材がサイバー挑戦への対処で重要である、と述べた。

4、 米のサイバー司令部が5月末から活動を開始した。
 国家安全保障局(NSA)は米最大の情報機関であり、暗号解読やエシェロンの運用など、通信傍受で大きな成果を挙げてきたが、NSAの機能を活用してサイバー攻撃の察知なども行うとされている。

5、 テロ担当大使の頃、サイバー・テロ攻撃から重要インフラを守ることについて、G8で何
度か話し合った。予防には膨大な費用がいるが、攻撃後の損害限定はより少ない費用で済むから、例外的な場合を除き、損害限定で対処すべしなどの議論もあった。攻撃側には余り費用がかからないことが対処を困難にする。
軍が大きくサイバー空間に依存し、かつある程度のオープンネスが必要である以上、サイバー防衛は重要な分野である。国際的にサイバー空間利用規則が出来れば、主としてその違反を取り締まる方法がありうるが、そういう利用規則はまだないし、米の望むような規則が出来るとも限らない。規則を作っても違反者への対処が必要になる。

6、この動きに関連して私が気になったのは、同盟国軍のネットワークとの関係である。日本に関していうと、自衛隊のネットワークと米軍のネットワークが連結している、あるいは連結する場合もあるだろう。その際、米軍ネットワークをよく防護していても、自衛隊の防護が手薄である場合は、ネットワークの常として弱い環が全体を弱くしないか、という問題がある。専門ではないので、良く判らないが、米の防護態勢を少なくとも日本が掘り崩すことがないようにしなければならないであろう。
(文責:茂田 宏)

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無人機によるイスラム過激派殺害の法的な問題

1、 米国はテロとの戦いでパキスタン、アフガニスタンその他でテロリストと目される人
を無人航空機からのミサイルで殺害してきた。米軍が運用するものとCIAが運用するものに大別される。米のテロとの戦いでこの手段は大きな役割を果たしている。
しかしこの合法性について最近、国内的にも国際的にも問題が提起されている。

2、国内的には、米憲法上、許されないのではないかとの問題提起がある。
CIAは、最近、アンワール・アウラキを無人機による殺害対象者のリストに加えた。アウラキはイスラム過激主義の扇動者であり、現在イェーメンに潜伏中とされる。彼はテキサス州フォート・フートで乱射事件を起こしたニダール・ハッサンにも思想上の影響を与えたとされる。
アウラキは米国市民権を有するので、米憲法で認められた人権を享有している。従って、正当な裁判所の手続きを経ないで,その生命を奪われない権利を有する。情報機関が収集した情報に基づき、同人を処刑するに等しい殺害対象者リストに加えるのはそういう意味で憲法違反であると言う論がある。
これに対し、大統領は戦争を行うに際して国際法で許された手段をもちいうるのであり、たとえばナチスに加担した人を米国人であったとしても戦争行為の一環として殺害することは許される。アウラキについても、殺害対象者にすることを排除するのは憲法上の大統領権限の否定であるとの反論がある。
この論争は、戦場で敵に協力する人を殺害することとアフガンやイラクという戦場から遠く離れたイェーメンで殺害するのとは区別されてしかるべし、テロ戦争での戦場とはどこなのか、アフガン戦争は自衛権にもとづき遂行されているが、その自衛権の行使に地理的限界はないのか、などの論点も加わって、錯綜してきている。

2、 国際的には、無人機での殺害をCIAが行っているのは問題であるとの声がある。
この問題について5月28日付ニューヨーク・タイムズ紙は「国連高官、CIA無人機による攻撃をやめるように米に要請予定」と題する記事、次の通り。
国連の司法手続きなどによらない処刑に関する特別報告者フィリップ・アルストン(ニューヨーク大教授)は27日、無人機の「生死の力」は軍に委任されるべきで、情報機関に委任されるべきではないとの報告書を6月3日ジュネーブの人権理事会に提出すると述べた。
彼は軍は説明責任を果たしているが、CIAはそうしていない、情報機関による無人機攻撃を戦争犯罪とまで主張しないが、問題がある、としている。オバマ政権の法律部局は戦争法に従いつつ、対テロ作戦としての無人機攻撃を正当化するために苦労している。
戦争法上、兵士は戦場で敵を殺害したことで訴追されたり、罰せられることはないとの免責特権を有する。米はアルカイダの戦闘員は制服を着用するなどジュネーブ条約の要求に服していないので、彼らにはそういう免責はないと主張してきたが、CIAの無人機運用者も制服を着用していない。
グアンタナモで軍事裁判所をカナダ人の拘束者について再開するに際し、ペンタゴンはその規則を定めた大部のマニュアルを出すのを直前まで遅らせたが、これは政府部内で論争があったからである。ブッシュ政権時代のマニュアルでは、戦争法に違反する殺人を制服を着用しないなど「合法的な戦闘員の要件」を満たさないものによる殺害と定義していたが、国務省の法律顧問がこれでは米国の無人機運用者を戦争犯罪人にしてしまう恐れがあるとし、ペンタゴンもその懸念を共有した。それでマニュアルが書きかえられ、免責のない戦闘員による殺害をスパイ行為と同じように戦争犯罪ではないが、国内法で処罰出来るものとして取り扱うこととされた。
CIA本部で無人機を操作している人は、戦争犯罪人ではないが、各国の国内法では、その規定内容如何では、処罰されうることになるとの整理である。

3、 この論争はテロとの戦いに伴い、これまでの国際法や国内法で律しきれない法律問題
が出てきていることを示している。どう考えるのが正しいのか、よくわからない。
ただ無人機によるイスラム過激派攻撃はアフガンやパキスタンで多用されており、この論争は場合によっては米軍やCIAの用いているこういう手段に制約を課すことにつながりかねないと考えられる。
なお軍はネヴァダの基地から、CIAはバージニア州の本部から、無人航空機による攻撃を現地とタイアップしながら、行っている。
(文責:茂田 宏)


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