国際情報センター

的確な国際情勢判断をする国民、それが国の進路を誤らない最大の担保です。

アメリカ情勢

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

核兵器に関連した諸問題

1、 5月26日、国際問題研究所で米国の核兵器問題の著名な専門家、モートン・ハルぺ
リン、ウオルター・スローコム、リントン・ブルックスから、米の核兵器政策などについての話を聞く会合があった。
米の核態勢見直し(NPR)の説明が主であったが、米側参加者から、米は日本と核兵器についての協議を日本側がする用意のある広さ、深さで行う用意がある、NATO諸国との核協議に匹敵するような内容の協議をする用意がある、との話があった。これは既にキャンベル国務省次官補からもオファーがあった話で、予備的な協議も既に行われたと承知しているが、大変貴重な機会であり、日本側としては活用していくべきであろう。

2、 この会合において私から4つの質問をした。それらに対する回答は次の通り。ご参考
まで。

質問1、NPRにおいて、NPTを遵守する国には核兵器を使用しないとの政策宣言、消極的安全保障宣言がなされている。米が同盟国日本に核を使うことは考えられないので、この宣言は日本の安全保障には何の新たな貢献もしないが、もし米国がこういう消極的安全保障を他の核兵器国も行うように求め、他の核兵器国もそれに同調すれば、日本の安全保障を強化することになる。中国は曖昧であるが、先制不使用を採用しているが、ロシアは先制使用を明言している。ロシア、英、仏に米と同じ姿勢をとるように働きかける用意はあるか。
答:核兵器国が揃って米と同じ政策宣言をすることが望ましいが、現実の問題としてそういうことになるとは思われない。ロシアが反対である上、フランスも反対である。そういう状況であるので、いまそういう働きかけをする考えはない。

質問2、今回の政策宣言、NPT遵守国には核は使わないということは、NPT違反国、北朝鮮には使うと言うことになる。6者協議の文書で、北に核を放棄させるために米は北への武力行使は核によるものを含め、しない、と約束している。北はNPRに6者協議文書違反と言って怒っている。NPR作成過程で、この問題を考慮しなかったのか。
答:6者協議の文書は、北が核を放棄すればと言う話である。6者協議の文書とNPRの政策宣言が矛盾するとは考えていない。(注:6者協議文書の読み方にかかわるが、この答のように簡単に矛盾なしとは出来ないのではないか)

質問3:拡大抑止に関連して、ソ連がSS−20を配備した際、西ドイツのシュミット首相が米と欧の間で安全保障上のディカプリング、分離が生じると論じ、パーシングIIとクルーズ・ミサイルの欧州配備がなされた。結局、INFゼロ条約が出来たが、現在、日本は中国との関係で、当時の西ドイツと同じような状況にある。中国はINFを配備している。欧州からの反撃の必要を当時米は認めたが、欧州からの米核撤去が現在問題になる中で、このディカプリング論について現在の見解如何。
答:冷戦当時と今では状況が異なり、ディカプリングの議論の妥当性はなくなっている。さらに言うと、シュミットの議論があった際、直接それに携わった立場から言うと、シ
ュミットの議論は馬鹿な議論(Bullshit)と考えていた。ソ連にとっては、モスクワを含め、
どこが攻撃されるかが重要で、欧州からか米国からか、どこから攻撃されるかは大きな問
題ではなかった。主要同盟国の首脳がディカプリングを深く信じ、主張したことに対し、
同盟国間の信頼維持の見地から、対応したということである。欧州からの核撤去について
は、ロシアから地理的に離れた国でそれを望む国がある一方、ロシアに近い国は反対であ
る。エストニアでのNATO会議で、NATO全体として決定するとされた。戦域核の必
要性は状況に応じ検討されるだろう。

質問4:フォーリン・アファーアズ誌に核専門家(注:2009年11月・12月合併号のリーバー・ジョージタウン大学準教授とダライル・プレス・ダートマス大学準教授論文)
が、北朝鮮が在日米軍基地を核攻撃したことへの報復としてピョンヤンを破壊するのは著
しく均衡を失すると書いている。米の専門家の多くはそう考えているのか。
答:フォーリン・アフェーズ誌には権威のある人もそうでない人も寄稿する。
在日米軍基地が北から核攻撃された場合の反応については、その時の状況による。適切な
対応がなされるだろう。しかし北朝鮮国民は圧政の犠牲者であり、それを目標にすること
は不適切である。軍事力を対象とし、付随する損害は抑える方策を考えるだろう。
拡大抑止には核の傘という核による部分と通常兵器による部分がある。在日米軍基地への
核攻撃があった場合の質問に明確に答えると、その時点での状況を見た上でのことになる
が、核兵器で反撃することになるだろう。日本の防衛にはコミットしている。

3、 上記以外にも質問したい事項があったが、参加者の多い会合であり、機微に過ぎる質
問は不適当と考え、遠慮した。
しかし核に関する日米協議が本格化した場合、日本として機密の保全をする必要がある。現在の機密保護体制では明らかに不十分である。
(文責:茂田 宏)

開く トラックバック(2)

新戦略兵器削減条約(START条約)の批准

1、 5月13日、オバマ米大統領は上院に新START条約を提出したが、その際に米ホ
ワイト・ハウスが発表したFact Sheet全文、次の通り。

本日、大統領は新STARTRT条約を批准への助言と同意のために上院に提出した。大統領の不拡散議題のための重要な道標である、この条約は各当事者に条約の範囲内で戦略兵力の構成を自ら決める柔軟性を認めつつ、米ロをかなり数の少ない戦略兵器に制限する。
大統領はまた(1)運搬手段の維持、(2)安心、安全かつ信頼性のある米の核兵器在庫の保持、(3)核兵器施設の近代化のための包括的計画についての秘密報告を、2010年度会計年度の国家防衛権限付与法の1251条の要求に従い、議会に提出した。この報告は核態勢見直しにおける政策と原則に基盤を置き、新START条約の有効期間とその後に強い核抑止力を維持する包括的な計画を記述している。
新START条約下の核戦力構成。
国防長官は統合参謀本部の勧告に基づき米の安全保障要請を完全に満たし、新START条約の制限に合致する基盤的核戦力構成を決定した。将来の計画のための基礎を提供するこの兵力構成は、適切で、かつ条約で許容されるように調整を行う柔軟性を有している。
・米は現在450の大陸間弾道ミサイル(ICBM)サイロを有する。基盤的計画では420の配備されたICBM(すべて単弾頭)までを保持する。
・米は現在94の配備可能な核兵器搭載能力のある爆撃機を有する。基盤的計画では、いくつかは通常兵器のみの爆撃機(条約の枠外)に転換され、60までの核兵器搭載爆撃機を保持する。
・米は現在14隻の戦略核潜水艦を有する。基盤的計画では、すべての14隻の戦略核潜水艦が保持される。米は潜水艦発射弾道ミサイル発射機(発射管)を核潜水艦あたり24から20に削減し、いかなるときにも240以上の潜水艦発射弾道ミサイルを配備しない。
次の10年間に、米は現有能力を維持しするため、いくつかの戦略システムを近代化するために核運搬システムに1000億ドルをずっと超える投資を行う。
在庫管理とインフラ近代化。
 米の核兵器はその安全、安全保障,有効性を確保するために今後、大きな、有効期間延長プログラムが実施される。信頼性のある核抑止力を維持することは、米が近代的な物理的インフラを運営し、高度の能力をもつ作業人員を維持することを要求する。政権の近代化計画は、今後10年以上の期間、軍備管理、不拡散、拡散対抗とともに、強い核抑止力を支持するために必要な能力を我々の核施設が持つことを確保する。大統領は核施設を近代化し、安全で、安全が保障され、有効な核抑止力を核実験なしに保持することにコミットしている。
大統領は在庫維持とインフラ投資のために2011年度会計年度に70億ドル(2010年会計年度比、ほぼ10%増)を要求した。下記にあるとおり、政権は核兵器施設の維持と近代化のために次の10年間に800億ドルを投資する意図を有する。
兵器在庫とインフラ費用の見通し(単位:10億ドル、その年のドル)
2010年―6.4、2011年―7、2012年―7、2013年―7.1、2014年―7.4、2015年―7.7、2016年―8.4、2017年―8.9、2018年―9,0、2019年―8,7、2020年―8.8,

2、 新START条約で、戦略核兵力が削減されることは、米にとって核兵器関連費用が
減ることを意味するのかと思っていたが、今後10年間で運搬手段への投資が1000億ドル、核弾頭関連が800億ドルに上るということである。
オバマ大統領は核兵器への依存を減らすとしてきたが、国防予算のなかの核兵器関連予算は結果として増えてくることになる。国防予算内の割合は総国防予算がどうなるかによるが、新STARTの意味合いを少し冷静になって考える必要がある。
数を少なくしたら、兵器の信頼性を高めなければならずお金がかかると言うことであろう。核抑止力の維持は、主要国間の戦争回避のために必要であると私は考えているが、それにしても、お金をかけ過ぎではないかと思われる。ロシアはとてもこういうお金をかける余裕はない。
新START条約を通すためには、共和党の支持を得る必要がある。上院で民主党系は59議席で、批准のためには3分の2,67議席が必要である。8人以上の共和党議員の支持がいるので、共和党の強い核抑止力保持論に歩み寄ったと解説されている。
いずれにせよ、新STARTで、核なき世界に近づいたような考えは、持たない方がよい。
(文責:茂田 宏)

米ロ戦略核削減条約の署名

I,4月8日、オバマ米大統領とメドヴェージェフ・ロシア大統領はプラハで「戦略的攻撃兵器の更なる削減と制限のための措置についての米合衆国とロシア連邦間の条約」に署名した。
それに伴い、条約文と付属議定書が発表された。条約の主要条項、次の通り。なお全文は米ホワイト・ハウスのホーム・ページ、ロシア外務省ホーム・ページ(ただし露語)にある。

前文:(省略)
第1条:(この条約による義務履行規定)
第2条:1、各当事者は、この条約の発効の7年後とその後、そのICBMとICBM発射機、SLBMとSLBM発射機、重爆撃機、ICBM弾頭、SLBM弾頭、重爆撃機核兵器を、この条約の第3条に従って勘定される次の総計の数を越えないように、減らし、制限する。
(a)配備されたICBM、配備されたSLBM、配備された重爆撃機:700
(b)配備されたICBM弾頭、配備されたSLBM弾頭、配備された重爆撃機のために勘定された核弾頭:1550
(c)配備されたものと配備されていないICBM発射機、配備されたものと配備されていないSLBM発射機、配備されたものと配備されていない重爆撃機:800
2、(戦略兵器の構成を決める当事者の権利)
第3条:1、この条約の第2条1(a)に規定されている総数制限への勘定のために、
(a) 配備された各ICBMは1と勘定される。
(b) 配備された各SLBMは1と勘定される。
(c) 配備された重爆撃機は1と勘定される。
2、 この条約の第2条(b)に規定されている総数制限への勘定のために、
(a) ICBMとSLBMについては、弾頭の数は配備されたICBMとSLBMに装備されている再突入体の数である。
(b) 配備された各重爆撃機は一つの核弾頭と勘定される。
3、 この条約の第2条(c)に規定されている総数制限への勘定のために、
(a) 配備された各ICBM発射機は1と勘定される。
(b) 配備されていない各ICBM発射機は1と勘定される。
(以下SLBM、重爆撃機について同じ趣旨の規定がc,d,e,fとおかれている)
4−8、(この条約の対象たるICBM,SLBM、重爆撃機の範囲の規定)
第4条:(ICBM、SLBM、重爆撃機の配備位置に関する規定)
第5条:(近代化の許容と新しい戦略攻撃兵器についての協議規定など)
第6条:(兵器の転換と廃止に関する規定)
第7条:(データ交換に関する規定)
第8条:(当事者の行動が疑惑を招く可能性がある場合の情報提供規定)
第9条:(ICBM、SLBM発射に関するテレメトリーの交換に関する規定)
第10条:1、この条約の規定の遵守の検証を確保するため、各当事者は次を行う。
(a) 一般的に承認された国際法の原則に合致する方法で、その有する検証の国家技術手段
(注:衛星偵察情報を主として意味する)を使うこと
(b) この条に従って活動している他の当事者の検証のための国家技術手段に干渉しないこと
(c) この条約の規定の遵守の検証の国家技術手段による検証を阻害する隠匿措置をとらないこと
2、 (実験場での隠匿禁止などの規定)
第11条:1、この条約の対象である戦略攻撃兵器についての申告データの正確さを確認し、この条約の規定の遵守の検証を確保するために、各当事者はこの条とこの条約の議定書第5部に従い、査察活動を行う権利を有する。
2、各当事者はICBM基地、潜水艦基地、空軍基地で査察を行う権利を有する。この査察の目的はこの条約の対象である配備された、又は配備されない戦略攻撃兵器の数とタイプ、配備されたICBMと配備されたSLBMに搭載されている弾頭の数、配備されている重爆撃機に搭載されている核兵器の数についての申告されたデータの正確さを確認することである。この査察はタイプ1の査察と以下言及される。
3、各当事者はこの条約の議定書第5部の第7章にリストがある施設で査察を行う権利を有する。この査察の目的は、この条約の対象である配備されていない戦略攻撃兵器の数、タイプ、技術的特性についての申告されたデータの正確さを確認し、戦略攻撃兵器が転換し、廃止されたことを確認することである。
加えて、各当事者はこの条約の議定書の第2部に規定されている以前に申告された施設において、これらの施設がこの条約と合致しない目的のために使われていないことを確認するために査察を行う権利を有する。この項で規定される査察は以下タイプ2の査察と言及される。
4、〔展示についての規定〕
第12条:この条約の目的と履行を推進するために、当事者はここに2国間協議委員会を設置する。その権限と作業の手続きはこの条約の議定書第6部に規定されている。
第13条:(この条約の規定に反する国際的義務を負わないとの禁止規定)
第14条:1、(批准、発効条項)
2、(10年間有効で合意によりさらに5年延長可能などの規定)
3、各当事者はその国家主権の行使としてこの条約の主題に関連した非常事態がその至高の利益を危うくすると決定した時にはこの条約から脱退する権利を有する。この決定は他の当事者に通知される。この通知には通知する当事者がその至高の利益を危うくしたと考える非常事態についての声明が含まれなければならない。この条約は上記通知が他の当事者により受け取られた日から、通知にそれより後の日が特定されていない場合には、3ヶ月後に終了する。
第15条:〔条約改正規定〕
第16条:(条約の国連登録に関する規定)

II,ロシアは署名に際して、ミサイル防衛に関し次の声明を発出した。
2010年4月8日プラハで署名されたロシアと米国の条約(正式名称に言及しているが、省略)は米国の対ミサイル防衛システムの可能性の質的、量的な発展がない状況においてのみ実施されうるもので、その状況で生命力をもつ。従って、条約の14条で言及されている非常事態は、ロシア連邦の戦略核兵器の能力に脅威が生じる米国の対ミサイル防衛システムの可能性のかかる発展をも含む。

III,この条約は戦略攻撃兵器の削減を進めるもので、そういうものとして評価される。ただ、核廃絶にこれで近づいたというような評価は過大に過ぎる評価である。
 削減については、重爆撃機には10発以上の核弾頭を搭載する事が可能であり、かつ通常そうしているのに、それを一発と勘定することになっている。
 核弾頭を在庫として保有することについても、申告を見てみないと明確な判断が出来ない。
 ロシアは交渉の最後の段階まで米国のミサイル防衛に歯止めをかけようとした。オバマ大統領がメドヴェージェフに電話し、そういうことに固執するのなら、米として、この条約を止めてもよいと述べた。ロシアも核軍拡競争をする余裕がないので、前文で攻撃兵器と防御兵器の関連に言及すること、脱退条項とミサイル防衛の結びつけを一方的に声明することで交渉の妥結を図ったということである。

IV,ロシアでの批准はあまり問題なく進むだろう。米上院での審議では、運搬手段の削減が大きすぎないか、検証はどうかなどの諸問題が提起されるだろう。検証については、査察規定もあり、オバマ政権としては、上院を説得できると考えている。多分、その判断は正しいと思われる。
 核兵器については、数の削減が素人目に評価されがちであるが、本当の問題は核兵器が使われない状況の確保である。そのためには戦略的安定性が重要であり、数を減らして安定性を低めてはどうしようもない。
〔文責:茂田 宏〕

米国の核態勢の見直し(NPR)の発表

1、 4月6日、米国防省はNPRを発表した。

2、オバマ大統領は同日、次の声明を発出した。
1年前の昨日プラハで、私は、核兵器の拡散を防止し、核兵器なしの世界の平和と安全保障を追求する包括的な議題を描いた。私は、今週メドヴェージェフ大統領と米ロをその核兵器庫の実質的な削減にコミットする新STRAT条約を署名する時に、プラハでのこの議題を前進させることを楽しみにしている。
今日、わが政権は私がプラハでしたいまひとつの約束―核兵器が存在する限り、米国、同盟国、パートナー国のために安全で安全が確保された効果的な核抑止力を維持しつつ、わが安全保障戦略の中で核兵器の役割を減らし、21世紀の核の危険を削減する―を果たすことで意義深い措置をとる。
国防省が主導したNPRは米と世界的な安全保障へのもっとも大きな脅威は国家間の核の撃ち合いではなく、暴力的過激派による核テロと増大する数の国家への核拡散であると認めている。さらにNPRはわが安全保障と同盟国とパートナー国の安全保障はますます米の誰にも優越する通常軍事能力と強いミサイル防衛で守られうるようになっていることを認めている。
結果として、我々は我々の軍事的優位を保持し、侵略を抑止し、米国民の安全を保障しつつ、核兵器の役割を減らす具体的な措置をとる。
第1に、また初めて、核拡散と核テロの防止が米の核政策のトップにくる。それは核不拡散条約(NPT)の中心的重要性を確認する。我々は、政策を調整し、世界での核拡散を防止するためのプログラムのために大きな予算手当ての増大を提案した。来週の核安全保障サミットは、47カ国が4年以内にすべての脆弱な核物質を安全に確保するとの目標を追求するための具体的な措置にコミットする機会である。そして来月には、ニューヨークで我々はすべての国がその責任を果たすことを確保するための世界的な不拡散体制を強化するためにより広い世界と作業をする。
第2に、我々は政策宣言によって諸国がNPTと不拡散義務を守る重要性を更に強調する。米国はNPT加盟国で核不拡散義務を遵守している非核兵器国家に核兵器を使わず、使うと脅すことをしないと宣言する。これは各国にNPTの義務を守る追加的な動機を与えつつ、核兵器がまだその役割を果たしうるより狭い範囲の有事のために我々がその核抑止力を維持することを可能にする。その義務を守っていない諸国は従ってより孤立化させられ、核兵器の追求が彼らをより安全にはしないことを認めさせられるだろう。
最後に、我々はNPTにコミットしている核兵器国としての責任を果たす。米国は核実験を行わず、包括的核実験禁止条約の批准を追求する。米国は新しい核弾頭を開発せず、核兵器のための新しい軍事的な任務や新しい能力を追求しない。
昨年プラハで述べたように、核兵器が存在するかぎり、我々は、米国の防衛、同盟国とパートナー国を安心させ、潜在的な敵対者を抑止するために、安全で安全が確保された、効果的な兵器庫を維持する。そのために、我々はわが抑止力の重要な一部である通常兵器の能力を強化しつつ、インフラを改善し、科学・技術を強化し、我々の在庫を維持するための人的資本を保持し続けるために相当な投資を求めている。今日発表している核戦略はしたがって同盟国とパートナー国の安全保障への米国の揺らぐことのないコミットメントを再確認し、米の国家安全保障を前進させる。
核兵器の拡散を止め、核テロを防止し、これらの兵器が存在しない日を追求するために我々は我々の包括的な議題のあらゆる要素―兵器庫を減らし、脆弱な核物質の安全を確保し、NPTを強化すること―を前進させるために攻撃的に作業する。これらは米が求めるより安全な将来に向けての措置であり、これが今日我々が前進させている仕事である。

3、 NPRは80ページくらいの文書であり、私もまだ全文を読んでいないが、ペンタゴンが
出したファクト・シートにあり、オバマ声明が触れていない主要点、次のとおり。
(1) 米のICBMは安定性向上のためにMIRVはやめ、単弾頭にする。
(2) ロシアと新START条約後も軍備管理を進め、非戦略兵器も対象とするように求める。
(3) ロシアと中国と安定性のための対話を追求する。
(4) 米は戦術爆撃機への前進配備核兵器を保持し続ける。
(5) 核搭載・海上発射巡航ミサイルは退役させる。
中国との戦略核兵器について安定性を確保するために対話を行うと言う点は新しい点であろう。中国の核戦力がそういう対象になるまで大きくなってきたことを反映している。

4、 鳩山首相と岡田外相は同盟国への核の傘が維持されることに言及しつつ、より強くNPT
を遵守する非核兵器国への核不使用宣言を歓迎する意向を示している。核廃絶への一歩と言うことであろうが、これは遠い未来の話である。
米は日本の同盟国で、日本に核を使うなど考えられない。日本としては、中露も米同様の宣言をするように求めるというのが日本の安全保障を増進するより適切なコメントであっただろう。中露の核ドクトリンには、日本が懸念するべき点がある。中国は先制不使用を一応言っているが、細かくみると、疑念がある。
首相、外相共に核問題についてのコメントがピントはずれのことが多く、心配である。

5、 今回の核不使用宣言はイランと北を例外としており、これはクリントン時代に北朝鮮に与
えた北への核攻撃はしないとの保障と矛盾することになる。北朝鮮が強く反発し、北の核を巡る協議に難題が増える結果をもたらしかねない。
(文責:茂田 宏)

開く トラックバック(1)

有事の際の核搭載艦寄港
 
1、報道によると、岡田克也外相は3月17日の衆院外務委員会で、有事の核持ち込みについて「米国の核搭載艦船の一時寄港を認めなければ日本の安全を守れない事態が発生すれば、そのときの政権が命運を懸けて判断する」と述べた。
 
2、この岡田外相の発言は非核3原則を国是とするとされている日本の外相として勇気のある発言である。また将来における行動の自由を確保しておこうという発言である。
    ステートマンとしての発言として高く評価されるべきであろう。
(文責:茂田 宏)

開く トラックバック(1)


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事