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北朝鮮情勢

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北朝鮮による威嚇

北朝鮮による威嚇

1、 北朝鮮は、米韓合同軍事演習、キー・リソルブとフォール・イーグルへの非難、ロケット発射への日米韓の非難への反発を強めている。

2、3月9日朝鮮人民軍参謀本部報道官が発出した声明、次の通り。ご参考まで。

米帝国主義侵略兵力の空母戦闘部隊、戦略爆撃隊、その他の強大な軍事力が既に南朝鮮とその周辺に配備され、傀儡軍の3軍の軍事力は既に北朝鮮(以下DPRK)への侵略戦争のための演習を開始した。
これらの戦争演習は、米・日の侵略者と反逆者李明博グループがDPRKが「最初に核兵器を取り除くべし」と主張することでは満足せず、それを超えて、DPRKが平和的な目的で衛星を打ち上げるのを阻止するために巨大な地上および沿岸の迎撃手段を動員した時に、開始された。
現在の深刻な状況に鑑み、朝鮮人民軍参謀本部はDPRKへの戦争狂の思慮のない侵略行為から国および民族の至高の利益を守るために厳かに次の通り宣言する。
(1) 我が革命軍は我が国の主権を侵害し、その不可侵の領土,領海、領空に進入する敵によるいかなる小さな敵対行為に対しても、迅速で慈悲のない軍事行動によって対抗する。敵に我が領土、領海、領空を0,001ミリも侵入することを許さないための全面的対決のために、完全な用意があるというのが我が革命軍の変わらない立場である。
(2) 我々は平和目的の我が衛星を迎撃する如何なる行為にも、最強の軍事的手段による迅速な対抗打撃で報復する。
もし敵が思慮なしに我が衛星を迎撃する選択をするならば、我が革命軍は躊躇なく正義の報復打撃作戦を、関与したすべての迎撃手段に対してのみならず、この計画を作った米、日、南朝鮮傀儡の本拠地に行なう。
平和的目的の我が衛星を撃つことは、正確に戦争を意味する。
(3) 即座の措置として、DPRKにむけられた戦争演習が行なわれる間、我々はより厳格な軍事支配を実行し、北・南の管理下にある東部と西部の開放沿岸地域における安全保障を確保するため、北・南間の軍事通信を遮断する。
南朝鮮の傀儡が上記の戦争演習に熱を上げ、仲間の同国人に外国軍と共に銃を向けている時に、正常な通信経路を維持するのは無意味である。
従って我が軍は3月9日より、北と南の間に存在した最後の経路である軍事通信を遮断する。
反逆者の李明博グループと米・日の侵略者は分別を持って行動するように忠告されるべきである。(出典:朝鮮中央通信英語版)

2、 北朝鮮は3月5日北朝鮮の領空周辺通過の韓国の民間航空機の安全を保障しないとの警告を出した。韓国の民間航空機は大事を取って北朝鮮の領空に近づかないルートを現在とることを余儀なくさせられている。

3、 先日、浜田防衛相の衛星打ち上げのためのロケット発射の場合にも迎撃するという発言は先走りすぎていると書いたが、これに対して北朝鮮が強く反発してきたということである。これは北の立場からすればわからないこともない。
しかし、3月5日の北の「領空周辺での民間航空機の安全を保障しない」との警告はとんでもない警告である。民間航空機の安全確保は、ハイジャック条約をはじめ、初期のテロ対策条約の主要眼目であった。国家がこういう警告を出すことは、これらの条約の視野に入っていないと思われるが、そういうことは想像もされなかったからである。北朝鮮の政策が北の立場から見ても合理性を欠いてきている。

4、 我々としては、北朝鮮の危険性を今まで以上に認識すべきであると思われ、かつ対応としては、冷静で強固なものが求められる。
こういう威嚇をした北には何の報償も与えるべきではない。日本が出来る最強硬な対応は、こういう政権との国交正常化はしないと決定することである。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮によるロケットの発射

1、 北朝鮮(以下DPRK)はカン鏡北道舞水端里(ムスダンリ)の基地でテポドン2号
改良型の発射準備を進めている。
この件について、2月24日、朝鮮宇宙技術委員会の声明、次の通り。(・・部分省略)

宇宙は人類共有の資産であり、平和目的ための利用は全世界的傾向である。
DPRKは・・政府政策に従い、1980年代より自分の努力と技術で衛星を軌道に乗せる研究・開発を着実に進めてきた。その過程で、DPRKの科学者や技術者は1998年8月最初の試みで、最初の実験衛星光明星1号を軌道に乗せるとの偉大な成功を収めた。・・DPRKは通信、自然資源探査、気候予報など・・国の経済発展のために不可欠な実用衛星を打ち上げ、・・それを通常に運用することを考えている。
運搬ロケット銀河2号による実験通信衛星光明星2号の打ち上げの準備は・・東海衛星打ち上げ場所で現在活発に前進している。
この衛星打ち上げが成功した時、国家の宇宙科学・技術は経済強国の建設のため今ひとつの巨大な歩みを進めることになるだろう。(出典:朝鮮中央通信)

2、北朝鮮のミサイル発射に関する安保理決議としては、決議1695号(2006年)と決議1718号(2006年)がある。これらの決議の関連部分、次の通り。(・・部分省略)
I,決議1695号(ミサイル発射非難決議)
安全保障理事会は、・・核、化学及び生物兵器並びにその運搬手段の拡散が、国際の平和及び安全に対する脅威を構成することを再確認し、
 北朝鮮の弾道ミサイルの発射について、このような装置が、核、化学及び生物兵器の弾頭の運搬手段として使用される可能性にかんがみ、重大な懸念を表明し、
 北朝鮮が、ミサイル発射のモラトリアムを維持するという誓約に違反したことについて、深刻な懸念を表明し、
 北朝鮮が、適切な事前通報を行わなかったことによって民間航空及び海運に危険を生じさせたことについて、更なる懸念を表明し、・・
 北朝鮮が、1998年8月31日に、地域の諸国に対する事前通報を行わずにミサイルによって推進される物体を発射し、当該物体が日本付近の海域に落下したことを想起し、
 北朝鮮による核兵器の不拡散に関する条約(以下「条約」という)からの脱退に関する発表並びに条約及び国際原子力機関(以下「IAEA」という)の保障措置に係る義務にもかかわらず、核兵器を追求することを表明したことを遺憾とし、
 中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって2005年9月19日に採択された共同声明を実施することの重要性を強調し、
 前記の発射は、特に北朝鮮が核兵器の開発を行っている旨宣言したことにかんがみ、地域内外の平和、安定及び安全を危うくすることを確認し、
 国際の平和及び安全の維持のための特別な責任の下に行動して、
(1)北朝鮮が、2006年7月5日(現地時間)に弾道ミサイルを複数回発射したことを非難する。
(2)北朝鮮が、弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止し、・・ミサイル発射モラトリアムに係る既存の約束を再度確認することを要求する。
(3)〜(8)・・
II,決議1718号(北朝鮮による2006年10月9日の核実験後の決議)
安保理は、・・
国連憲章第7章下で行動し、その41条の下で措置をとり、
(1)・・(核実験を非難)
(2)DPRKがこれ以上の核実験あるいは弾道ミサイルの発射を行なわないように要求する。
(3)、(4)・・
(5) DPRKが弾道ミサイル計画に関連したすべての活動を停止し、この文脈でミサイル発射のモラトニアムへの既存の約束を再確立すべきであると決定する。
(6)・・
(7)DPRKがまた他のすべての大量破壊兵器および弾道ミサイル計画を完全で、検証可能で、不可逆的な形で放棄すべきであると決定する。
(8)〜(17)・・

3、日米韓は、これは弾道ミサイル発射であり、国連安保理決議に反する行動であるとしている。しかし露中は、必ずしも安保理決議違反と言えないのではないかとしている。 今回の北朝鮮によるロケット発射がこれらの決議に反すると考えるかどうかは今回打ち上げられるものが弾道ミサイルであるか否かによる。衛星打ち上げロケットと弾道ミサイルは性能的にはほぼ同じである。その先端部が衛星軌道に乗れば前者であるが、地上に落ちてくれば後者である。これは打ち上げ終了後でないとわからない。従って日米韓と中ロの意見の違いは取り敢えずは水掛け論になる。
私はこの問題は安保理決議の解釈論ではなく、核兵器保有国である北朝鮮が米の一部にも到達しうる中・長距離のミサイル開発を進めていることを、北東アジアの平和と安定の観点からどう考えるかという政治的な観点から論じた方がよいと考える。

4、浜田防衛大臣は、発射した場合、迎撃することがありうるとしている。日本に落ちてくる場合を想定しての話であるが、DPRKが衛星打ち上げと主張している中で、迎撃を云々することは先走りすぎた発言であろう。警戒態勢は必要ではある。

5、日米韓も中も北朝鮮に対し、自制を求めている。しかし私の判断では、北朝鮮がこの発射をやめることはない。時期は早くて3月中旬、遅ければ5月になるのではないか。
問題は発射を受けてなにができるか(安保理でどういう対応ができるかなど)である。関係各国と協調して、北朝鮮にこういう瀬戸際政策、緊張を高めてその後それを緩める際に代償を得る戦術、は効果がなく、不利益があることを知らしめるべきである。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮の対韓国強硬姿勢

I,北朝鮮が韓国の李明博政権に対し強硬な姿勢を打ち出している。若干の声明についての朝鮮中央通信による報道、次の通り。(・・部分省略)ご参考まで。
(1) 1月30日(金):
 朝鮮平和統一委員会は金曜日に、朝鮮民主主義共和国(以下DPRK)との対決を強める南朝鮮の保守的な当局の思慮のない行動のために、朝鮮半島の状況が日毎に緊張を増していることに関連し、声明を発表した。
 李明博グループが・・「北からの脅威」や「原則の堅持」について大騒ぎをして北に恥知らずに挑戦していることを証明する事実を挙げて、この声明は述べた。
 朝鮮間関係はそれを改善する道や軌道に戻す希望がない地点に到達した。政治・軍事分野での北南対決は両朝鮮の関係が戦争の瀬戸際に到達するほど、極端なものにされている。反逆者のグループは過去に北南間で達成されたすべての合意を死んだ文書にしてしまった。そのような状況で、DPRKがこれらの北南合意に拘束されたままでいる必要がないことは自明である。・・
第1:北南間の政治的・軍事的な対決に終止符を打つ問題に関するすべての合意された点は無効化される。
第2:北と南の和解、不侵略、協力、交流に関する合意およびその付属書に規定されている西海の軍事境界線の諸点は無効化される。・・
李グループが民族と統一に反して行なった犯罪は許されることはない。・・
(2) 2月1日(日)
 李明博グループは半狂乱になって同国人との対決を追求し、6月15日共同宣言と10月4日宣言によって達成された貴重な成功を無にし、頑固にこれらの宣言の実施の努力を挫折させ、朝鮮間関係を過去の独裁時代の対決関係により置き換えようとしている。これはいつまでも許されない犯罪である。
 労働新聞は署名入りで日曜日これを論評している。
 論評は李グループのDPRKとの対決政策が国の国民和解、統一、再統一を阻害する根本的な原因であり、北と南の軍事衝突と戦争のまさに源泉であることを証明する諸事実を挙げている。
朝鮮での休戦状況で、対決は増大する緊張を意味し、それは統御不能で避けられない軍事紛争と戦争に至るかもしれない。
 このグループがその深刻な統治危機からの脱出の道を、DPRKとの対決の中と戦争の挑発とすべての理性と慎重さを捨てた思慮の無い行動の中に探しているときに、いつ朝鮮人民に不可避な破局が強要されるか、誰も予知できない。
 狂犬は棒で叩かれるべきであり、毒のある植物は引っこ抜かれるべきであるように、朝鮮民族から、民族の災難の根本原因であるこのグループを排除する方が良い。
 いかなる言辞によってもこのグループは両朝鮮関係を今日、戦争の瀬戸際に追い込んだ反逆者としての正体を隠すことは出来ない。このグループは歴史の判決を猶予するには酷過ぎる犯罪を行った。
 このグループはDPRKとのその思慮の無い対決に、DPRK−それは空虚な話はしないーの厳格な警告に反して固執するならば、それはこのグループの最終的な破滅に至るだろう。 李のグループは、自らの馬鹿げた夢を実現するためにDPRKに害をなそうと絶望的に試みた人が迎えた悲惨な終わりから教訓を学ぶように、よく忠告されるべきである。
(3) 2月2日(月)
 反逆者李明博グループは誰かの核問題について論じる面子も資格もない。朝鮮人民軍参謀本部の報道官は・・朝鮮中央通信の質問に答えてそう述べた。
 DPRKは米がDPRKに対する敵対政策を巻き戻し、DPRKが米の核脅威から完全に自由にならない限りその核兵器を絶対に見せないというのは、DPRKにより既に明らかにされた不動の立場である。・・
事実を挙げながら彼は、DPRKのこの原則的な立場に根拠なしにけちをつけている李グループを攻撃した。・・彼は朝鮮半島で核問題が出てきた・・のは傀儡政権が米のNCND政策に沿って秘密裏に南朝鮮に多くの核弾頭を導入したからであると述べた。・・
 反逆者李明博グループは、朝鮮半島の非核化は全然「北の核兵器を取り去る」問題ではないことを明確に理解すべきである。
 DPRKは南朝鮮での核兵器が米からの核脅威を無くするように撤去されない限り、絶対に「その核兵器を撤廃」しない。
李グループは朝鮮半島の非核化はいかなる状況においても、全半島での検証を通じて現実化されることを忘れるべきではない。
 もし米や李グループが主張するように南朝鮮に核が無く、DPRKへの核脅威が無いというのが本当ならば、彼らが南朝鮮全体の核検証の呼びかけに肯定的に答えない理由はない。・・
 誰も・・DPRKに対する敵対政策がいつ核戦争になるか、知らない。そういう状況において、交戦者の一方が他の交戦者に、その核兵器を一方的に撤廃するように求めることは恥知らずなことである。・・
 民族を救い、国家を防衛する使命をもつDPRKの核兵器は、米の反DPRK核戦争騒ぎが南朝鮮やその周辺で続き、・・李グループによりDPRKとの対決が続く限り、民族の貴重な共通の剣としてのその特別な使命と義務を最後まで果たすだろう。・・

II、北朝鮮がかかる態度をとっている背景としては、色々なことがあろうが、我々としては、この北の言動にそれなりの注意を払う必要がある。核問題での6者協議の進展など、望むべくも無い。
(文責:茂田 宏)

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北朝鮮核問題:6者会合の議長声明、今後の見通しと対処

1、12月11日発表された6者協議議長声明、次のとおり。あまり意味はないが、ご参考まで。

 6者会合首席代表者会合は2008年12月8日から11日まで北京において開催された。{金桂冠朝鮮民主主義共和国(以下DPRK)外務副大臣など、出席代表者名記載の後}武大偉中国外交部副部長が議長を務めた。
6者が一致した議題は、1、第2段階の措置の完全な実施、2、朝鮮半島の非核化の検証、3、北東アジアの平和と安全に関する指針であった。6者はこれらについて真剣かつ率直で、突っ込んだ建設的な議論を行った。
6者は、DPRK寧辺の関連の核施設の無能力化、DPRKによる核施設および核計画についての申告並びに経済およびエネルギー支援に関する、2005年9月19日の共同声明に関する第2段階の措置の実施において得られた積極的な進展を十分に認識した。6者はこの関連で6者のすべてが行った活発な努力を賞賛した。
6者は、10月3日の第2段階についての合意に示されているように、寧辺の核施設の無能力化並びに100万トンの重油に相当する経済およびエネルギー支援の提供を平行して実施することで一致した。6者は国際社会がDPRKに対する支援に参加することを歓迎する。韓国はDPRKへの支援についての関連事項を調整するため、議長として経済およびエネルギー協力に関する作業部会の会合を適切な時期に開催する。
6者は、2005年9月19日の共同声明における朝鮮半島の検証可能な非核化という目標を再確認した。6者は、検証のあり方についての合意に向けて得られた進展を評価した。6者は、検証の過程における国際原子力機関による支援および助言を歓迎する。
ロシア連邦は北東アジアの平和及び安全に関する指針の改定された草案を配布した。同草案は6者によって議論され、全般的に肯定的な反応を受けた。6者は同草案の更なる検討のため、ロシアが議長を務める関連の作業部会の会合を、2009年2月にモスクワで開催することで一致した。
6者は、DPRKと米国及びDPRKと日本による、懸案事項の解決及び国交の正常化に向けた誠実な努力を奨励した。
6者は、6者会合のプロセスを前進させ、北東アジアと世界の平和及び安定に貢献することで全会一致した。
6者は、次回の6者会合を早期に開催することで一致した。

2、今回の6者協議は、北朝鮮の核活動を検証するために試料を寧辺で採取することを北朝鮮に認めさせ、それを文書化するのが最大の眼目であったが、北朝鮮が頑なにそれを拒否し、その結果、経済・エネルギー支援の完了時期については、合意が出来なかった。失敗した6者協議であった。中国が6者協議を生き残させるために上記議長声明を提案し、他の参加国がそれに同意をした。

3、試料採取とその国外での分析により、北朝鮮が提出した寧辺での核活動についての申告の正否が判定しうる。抽出プルトニウムの量の推定も出来る。北朝鮮がこれを頑なに今回拒否した理由としては、(1)この措置を第3段階の措置として出来るだけ先延ばしし、更なる交渉材料にしようとしている、(2)申告を精査されることを避けたいと考えている、(3)オバマ政権まで交渉を先延ばししようとしているとか、色々考えられる。
こういう北朝鮮の交渉戦術や検証を避けようとする態度には、交渉の決裂で答えることが正しく、今回の6者協議の結果はやむをえないものであろう。
米のヒル次官補は北朝鮮が口頭で試料採取に同意したかのように述べていたが、交渉者として甘かったことが結果として明らかになった。オバマ新政権で仕切り直しにならざるを得ないと思われる。

4、別途、ゲイツ米国防長官は、フォーリン・アフェアーズ誌(2009年1・2月号)への寄稿文で「北朝鮮は数個の核爆弾を製造した」と書いた。韓国内では、これが大きく報道されている。しかしこのゲイツの記述は常識的なものであり、北朝鮮がいま核兵器保有国であることに疑いはない。核兵器保有国になることを阻止するための6者協議であるかのような言説は間違っている。こういう重要問題には、現実をよく見て対応するべきであろう。
この核兵器を北に放棄させることはきわめて困難である。
北の措置を非核化への第一歩と評価し支援をする政策は、目的を達成できず、北の酷い政権の延命を助ける政策になってしまう危険がある。6者協議で非核化が達成できるかのような言説は希望的観測だろう。
他方、北に圧力を加えその政権を崩壊させ、非核化を達成することを目指す政策も、それが成功するかどうかよく分からない。
しかしどちらかというと、後者の方が北の非核化という目標達成のためには、より有効であろう。北の住民の苦難の増大や崩壊に絡む危険があるが、北の核兵器の排除は相当な措置によってしか達成できない。そのことを今回の6者協議は更に明らかにしたように思われる。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮:外交と情勢

北朝鮮:外交と情勢

1、 11月24日、朝鮮中央通信の「朝鮮人民軍は南朝鮮傀儡当局に今後実施される重要措置について通知」と題する報道、次のとおり。

 朝鮮間将官級軍事会談の北側代表団の長は、11月12日、公式に南側に朝鮮人民軍は南朝鮮の傀儡当局のますますあからさまな反朝鮮人民共和国対決騒ぎに関連してとられる第1次の措置として、12月1日からすべての軍事境界線(MDL)の陸路通過を厳格に制限し遮断するとの重要な措置を実施するだろうと通知した。
 しかし南朝鮮の傀儡は背信的・反統一対決騒ぎに固執している。
 南朝鮮の行政の長は、米国の中心で、歴史的な6月15日共同宣言と10月4日宣言を完全に無視して、「彼の最終的な目標は自由民主主義制度の下で国を再統一することである」と大声をあげた。
 現実は南朝鮮傀儡当局がしつこく言っている上記の宣言の「尊重」やそれを守るための「対話の再開」は、今までのところ単なる偽善以外の何物でもないことを明確に示している。
 権限を与えられて、上記代表団の長は11月24日公式に南朝鮮傀儡当局に先に警告したように、現在の深刻な状況に取り組むための第1次の措置として12月1日より次の重要な措置を実施すると通知した。
 朝鮮人民軍は、開城工業団地(KIZ)と金剛山観光地域での当局と関連する機関や企業の駐在員と車両を選択的に追放し、それらのMDLの陸路通過を遮断する。
 朝鮮人民軍は、南北の管理下の西岸地域でのMDLの通過を経て行なわれていた南側人員の開城旅行を完全に停止する。
 朝鮮人民軍は、ポンドンとムンサン間の南側による列車運行を不許可にし、開放されていたMDLを閉鎖する。
 朝鮮人民軍は、訪問や経済協力その他の名の下でのKIZと金剛山観光地域に入るための南側人員すべてのMDL通過を厳格に制限する。
 KIZと金剛山観光地域への通過と入域に関してはより厳格な命令と規律が施行され、これらを侵害する者に対し、厳格な制裁が適用されるであろう。
 代表団長は、両朝鮮間関係の見通しは南朝鮮当局の態度に全面的にかかっていると言明し、南当局は朝鮮人民軍が空疎なことを言わないとの警告をよく考慮すべきであると付け加えた。

2、 開城工業団地(KIZ)は2000年8月に金正日と現代グループの故鄭夢憲会長が開発で合意、韓国企業が工場を作り、北朝鮮の労働者を雇用して操業をしてきた。北朝鮮が賃金その他でKIZから得てきた収入は3000億ウオン(約190億円)であり、北にとっては重要な外貨の稼ぎ手であった。
 韓国の土地公社や企業などはこのKIZにこれまで多額の投資をしてきた。
 この開城工業団地が閉鎖に追い込まれることになると南北双方に相当な経済的損失になる。
 韓国統一省は現在、KIZに常駐する韓国人は1592名である、北側と退去人員や時期について協議中であるとしている。いまのところ、全面的な閉鎖ではないが、今回の措置は「第1次の措置」とされているので、今後、更なる措置がとられる可能性がある。
 何故北朝鮮が自分の経済的利益をも損なう措置をとっているのか。いくつかの説がある。
・ 韓国の民間団体が大型風船に金正日を批判するビラをつけて北朝鮮に飛ばしていること(北はこれを大きな問題とし、その中止を韓国に求めている、韓国統一省も止めさせたいとしているができないでいる)、韓国が国連での北朝鮮の人権侵害批判決議を共同提案(10月30日)したこと、李大統領が11月16日にワシントンで自由民主主義で統一が目標といったことなどに反発、南に圧力を加え、李明博政権の対北政策を変更させようとしている。
・北朝鮮において国内で引き締めを強化する必要が出てきている。金正日が「資本主義の風」を止めろと述べたとの説、金正日の執務能力の減退に伴い義弟の張成沢が指示を出すケースが多くなり、張が引き締めを打ち出した結果であるとの説がある。11月24日付東亜日報は11月20日より幹部職員の所有する日本製自動車の没収を始めたほか、2009年より各地の「市場」の閉鎖を布告するなど、住民統制を打ち出していると報じている。
多分、国内政治上の背景と外交政策上の考慮が複合した結果であると思われる。
いずれにせよ、南北関係は太陽政策の成果であった開城工業団地も危機に瀕する厳しい状況にある。

3、 北朝鮮の核問題については、11月23日、ライス米国務長官は6者協議が12月8日に北京で開催されると明らかにした。通常は議長国の中国が日程を関係国と協議の上発表するが、今回は米が中国に先立ち日程を明らかにした。
 この協議では、検証に関する10月の米朝合意を6カ国協議として文書化することが課題になるとされているが、北はプルトニウム生産量の検証に不可欠なサンプル採取を拒否しており、成果の見通しは立っていない。北の核活動のうち、シリヤへの拡散問題、ウラン濃縮活動はもう問題になっておらず、サンプル採取が問題になっている。金正日が核兵器を放棄するとはますます考えがたい中で、米朝協議も6カ国協議も小さな成果を非核化への一歩と位置づけ、金正日政権の支援に堕している感がある。
ライスとヒル次官補の交渉は成功しておらず、もう余計なことをせずに次期政権にバトンを渡す方が賢明ではないかと思われる。たとえばエネルギー支援の実施態様を、いま決めることが適切か否か、疑問である。
(文責:茂田 宏)

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