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北朝鮮情勢

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北朝鮮情勢:金正日の病状など

1、 金正日は、8月13日以来、公の場に姿を見せていない。
9月9日の建国60周年、10月10日の労働党創建記念日にも姿を見せなかった。北朝鮮内部で、何らかの異変があったと推測される。

2、 しかしどういう異変であるのかはわからない。
もっとも可能性の高いのは金正日の健康が優れないということであろう。
金正日の健康状態については、色々な報道やその元になっている韓国、米国の情報関係者の発言などがある。まだ金日成が生きていた頃であるが、私は金正日について韓国の情報関係者から落馬して脳を強く打ち,発語に不自由があると聞いていた。今の韓国統一院長官の金夏中さんとは、その頃仲良くしていた。金大中大統領が訪朝した後、それに同行した金夏中さん(当時安保外交補佐官)と話したら、金正日は良くしゃべる人で、発語に不自由があるなど、情報機関はどこから聞いてきたのか、知らないが、全く間違いであったと言っていた。
今回の金正日の健康状態についての情報機関関係者の発言にも、私はあまり信を置いていない。韓国の情報関係者は、脳腫瘍、脳内出血など、脳血管障害がある、快方に向かっている、言語能力に問題はなく、政権は掌握しているとか、言っているが、金正日の病状は国家機密に属するものであり、こういう発言の根拠を入手できるほど、韓国の情報機関が北朝鮮内部に入り込めているとはとても考えられない。
10月4日、朝鮮中央通信が場所日時を特定せず、金正日がサッカーを観戦したと報じたこと、10月11日,北のテレビが金正日の軍視察の写真を報道したこと(写真の背景から明らかに夏にとられたと思われるものであった)は、北が金正日の健在振りを示そうとしていることを意味する。その必要があると思われていると推測できる。
10月28日付ル・ポアン誌(仏)がフランソア・ザビエル・ルー(パリ・サンタンヌ病院脳神経外科部長、脳腫瘍のレーザー手術の専門家)が10月24日、北京経由ピョンヤンに向かったと報じた。その前に金正男がパリに行き、この病院から出てくるところが目撃されたとされている。しかしルー医師は10月28日、AFPに対し私は北朝鮮には行っていないと述べている。
仏の情報がルー医師から聴取して何かを知っているか、あるいは中国やロシアの情報が旧来の党関係などを通じて何かを知っている可能性があろう。

3、 金正日の病状に関する報道を見ていると、論語の1節を思い出す。「知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり」という言葉である。報道機関や情報機関もこれを指針となすべきであろう。

4、 10月21日付労働新聞は「白頭山の革命伝統は新世紀の進軍の宝剣である」と題する長文の論説を掲載した。この論説は革命伝統の継承の必要性とあり方を論じると共に、「わが革命が3世、4世が革命と建設の主力をなす段階に入った」としている。この中で、金正日の言葉として、「我が党の栄えある革命伝統、主体の血統がしっかりと継承されて発展しているために、朝鮮革命が勝利のうちに前進を続けている」、「革命偉業の遂行で最も断固としており革命性の強い隊伍は革命軍隊である」が引用されている。
 この論説は北朝鮮で金正日後継体制が議題となっていること、世代が交代すべきであるとされていること(金永南や張成沢が後継者になる可能性はないのか)、「主体の血統」(この意味が良くわからないが、血統の重視を示唆する)という言葉は、金正日の血統を引く人が後継者になるべきこと、その過程において軍の役割が重要であることなどを示唆している。
注目すべき論説である。

5、私は、北朝鮮で金正日が病気その他で指導力を失ったとしても、今の体制は慣性のためにしばらく続くだろうと考えている。
北の政権交代とそれに伴う諸問題は、急激な変化となって現れるのではなく、一定の時間が経過した後、出てくる、対応策を練る時間的余裕はあると考えておいていいのではないかと思われる。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮のテロ国家指定解除

1、10月11日、米国務省が発表したプレス声明、次の通り。

朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は北朝鮮の非核化行動の検証に関する意義ある協力である一連の検証措置に同意した。これらの了解は別途の事実説明に詳しく述べられている。
北朝鮮が最近行った協力と合意、およびDPRKが撤回のための法的基準を満たしたとの事実に基づき、国務長官はDPRKのテロ支援国家としての指定を撤回(即時発効)した。
北朝鮮は核施設の無能力化を再開すると言明した。これは「行動対行動」の6者協議の原則が動いていることを示す。
我々はDPRKによる過去の日本国民の拉致から生じる懸念など日本の懸念に取り組む日本とDPRKの話し合いでの最近の進展を歓迎する。我々はDPRKがこれ以上の遅滞なく日本の懸念に取り組むように強く勧める。米は拉致問題に関する日本の立場を心から支持する。我々は拉致された人とその家族の苦悩を忘れていないし、今後も忘れない。
DPRKは2006年の核実験、その拡散行動、人権侵害、共産主義国であるとのその地位から出てくる数多くの制裁のもとに引き続きある。
米はすべての北朝鮮の核計画と活動の検証可能な終結に向け、引き続き仕事をする。我々はこの仕事がなされるまで、止まることはない。

2、上記に言及のある事実説明、次の通り。

・6者協議の参加者は、北朝鮮の非核化のプロセスが前進するに伴い、それを信頼性をもって検証することを可能にする検証措置の重要性について、ここ暫く討議をしてきた。
・6者協議代表団長は検証措置を討議するため7月に会合し、参加者間で草案が交換された。
・7月12日、6者協議議長中国は検証措置が施設への訪問、文書の検査、技術者のインタビュおよび6者が全会一致で合意する他の措置を含むと言明するプレス・コミュニケを発出した。
・北朝鮮政府の招待により、6者協議国のために米交渉団は検証措置についての集中的話し合いのため10月1−3日ピョンヤンを訪問した。
・これらの討議に基づき、米と北朝鮮の交渉者は次のことを含む重要な検証措置に合意した。
−非核国よりの専門家を含むすべての6者の専門家が検証活動に参加できるとの合意
−国際原子力機関が検証で重要な助言・支援の役割をもつとの合意
―専門家がすべての申告済みの施設および未申告の場所には相互の同意の下にアクセスをもつとの合意
―標本採集と犯罪科学的活動を含む科学的手続きの使用についての合意
―検証議定書にあるすべての措置がプルトニウムに基盤を置く計画といかなるウラン濃縮や拡散活動にも適用されるとの合意。これに加え、6者協議文書の遵守を監視する6者が既に合意した監視メカニズムが拡散とウラン濃縮に適用される。
・これらの検証措置に関する米・DPRK合意は米と北朝鮮間の共同文書と他の了解に文書化され、集中的な協議で再確認された。合意と関連了解は他の当事国に伝達された。(注:どの合意が共同文書で、何が了解なのか、不明。こういう文書は公開して、世論に示すべきであろう。隠しておく必要があるとは思われないものを隠す傾向が北核問題には多い。)
・これらの措置は近い将来、6者により最終化され、採択される検証議定書の基礎となる。
・6月26日に提出された北朝鮮の申告の検証は、北朝鮮が5月8日に提出した1万8千ページ以上の寧辺の操業記録の検討により既に開始された。

3、米国務省はまた、北朝鮮に今まだ適用されている制裁などを説明した資料を発表した。議
会と世論に対し、対北制裁が継続していることを示し、反対論を抑える意図と見られる。

4、米政府は6月末にテロ国家指定解除を議会に通告、議会からの異議が通告後45日の間になかったので、8月11日以降いつでも解除を行える状況にあったが、米は検証問題での進展がないとして解除を遅らせてきた。北朝鮮はこれに反発、無能力化を停止し、かつ寧辺での核活動を再開するとの行動に出てきた。
今回の米朝合意は北朝鮮のこのような行動を抑える目的で米側が検証のあり方についてのこれまでの主張を取り下げ、合意を作り、テロ支援国家指定解除を行ったということである。
ブッシュ政権が政権末期を迎える中、こういう譲歩をする必要があったのか、疑問である。
ヒル次官補の対北交渉は無原則で戦術的にも拙劣との印象がある。これでは北の非核化など達成できるとはとても思えない。
今回の指定解除は、米が北の圧力に屈したと見える点に大きな問題がある。これは不適切な先例になる。

5、なお拉致問題の解決の梃子としてのテロ国家指定については、米政府が6月に議会に指定
解除を通告し、拉致とこの問題を切り離した段階で、意味がなくなっていた。
拉致については、今後ともこの指定解除とは別に米その他の国の協力を求める、日本独自の梃子を使う、以外の手段はない。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮核問題

北朝鮮核問題

1、8月26日、北朝鮮(以下DPRK)外務省報道官は全文次のとおりの声明を発出した。

朝鮮半島の非核化に関する9月19日共同声明の履行の第2段階でとられるべき実際的な措置を規定した10月3日合意において、DPRKは核申告を提出することを約束し、米は「テロ支援国家」のリストからDPRKを外すことを約束した。
DPRKは、6月26日に核申告を提出し、その約束を果たした。しかし米は核申告の検証についての議定書がまだ合意されていないという「理由」で、設定された期日内に「テロ支援国家」のリストからDPRKを外さなかった。これは合意の明らかな違反である。
6者協議であるいはDPRKと米との間で達成されたいかなる合意も、DPRKの核申告の検証を「テロ支援国家」解除の条件とする条項を含んでいない。
検証は、9月19日共同声明によると、朝鮮半島全体の非核化の最後の段階で6者協議参加者により、履行されるべきコミットメントである。
南朝鮮内とその周辺に米の核兵器がないこと、これらの兵器の新規搬入や通過がないことが検証されるべきである。この検証とDPRKの誓約の履行の検証は同時に行われるべきである。これが「行動対行動」の原則である。
現段階で合意されているのは6者協議の枠内で検証とモニタリング・メカニズムを作るということだけである。
しかし米は、この合意された点を乱用し、核申告の検証に「国際基準」を適用する問題を突然持ち出した。米は、DPRKに米が好きなようにサンプルを集め、それを計測するためにDPRKのどこにでも立ち入れるような査察を受け入れるように圧力をかけた。
米が勧奨している「国際基準」は、1990年代IAEAが求めたDPRKの主権を侵害し、最後にはDPRKがNPTから脱退する原因となった「特別査察」以外の何物でもない。
米がDPRKで、イラクでしたように、好きなように家宅捜査をできると考えているのならば、米は深刻な誤りをしている。
DPRKの一方的な査察への米の固執は、全朝鮮半島の非核化―その核心は9月19日の共同声明に従い、米の核脅威を取り除くこと―へのコミットメントを放棄することにより、他方の戦争当事者であるDPRKを一方的に武装解除しようとする山賊的な要求である。
半島を非核化するというDPRKの意図は、朝鮮民族から核の脅威を取り除くことであって、DPRKの核抑止力について取引することではない。
6者協議が現在のように大国が小国をもてあそぶ場になっているのであれば、誰のために6者の構造は必要なのか。
今回、米は、DPRKは「テロ支援国家」ではないと内外に公式に宣言したあと、検証を口実として、DPRKを「テロ支援国家」のリストから外すプロセスを延期した。これはこのリストが実際にはテロと関係がないことを認めたのとほとんど同じである。
DPRKは、「米に服従しない国」のリストに引き続き載っているかどうか、気にしない。米はいま、DPRKの主権を深刻に侵害するのに熱心である。
米が合意点を破ったいま、DPRKは「行動対行動」の原則に基づき、次の対抗措置をとることを余儀なくされている。
第1:DPRKは、10月3日合意に従い、行われているその核施設の無能力化を即時に停止すると決定した。この措置は、8月14日に発効し、関係当事者はすでにこれについて通知されている。
第2:DPRKは、寧辺の核施設を関連の諸機関が強く要求しているように元の状況に戻すための措置をまもなく考慮するだろう。

2、このDPRKの声明は、無能力化の中断措置や核施設の原状回復以上の内容を含むものである。
第1に、6者協議の存在意義に疑念を表明している。
第2に、非核化は、朝鮮民族への核の脅威を取り除くことであって、DPRKの核抑止力について取引することではないと明言している。
第3に、核の搬入や通過も検証対象であるとしている。よく知られているように、米は艦船などでの核兵器の存在を否定も肯定もしない(NCND)政策をとっており、こういう要求は交渉の成立を不可能にする。また介入的検証を拒否しており、米でライス国務長官やヒル次官補がメディアや議会で約束した検証体制が出来る見込みはない。
第4に、テロ支援国家指定解除については、米の政策の非論理をたくみに指摘している。
ライス長官やヒル次官補が進めてきた交渉は、うまくいかなかった。近い将来、6者協議
で北朝鮮の非核化が進む見通しはなくなったと考えられる。

3、今後、どうなるのか。
第1に、北は、核兵器またはその材料を作り続けていくことになる。
第2に、日本人拉致問題を解決する北側の動機がなくなり、再調査が成果を生み出す可能性は低くなる。

4、今後、どう対応すべきか。
北の核兵器については、私の知る限り、露、米、中は、本当の意味で脅威とは考えていない。韓国はまさか同族に核を使うことはないだろうと考えている。北の核の脅威を受けているのは日本である。そのことを真剣に考え、対応策を出すべきであろう。
拉致については、テロ国家指定解除と拉致を米国が切り離した時点で、拉致解決の梃子としてのテロ国家指定問題は意味を失っている。実際上、指定解除が先延ばしになっているにしても、拉致問題への効果は全くない。それを踏まえ、日本独自の圧力を中心に考えるしかないであろう。
(文責:茂田 宏)

6者協議第6回首席代表会議のプレス・コミュニケ(2008年7月12日)

本件コミュニケ全文、資料として掲載します。ご参考まで。

6者協議第6回首席代表会議が中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国の間で7月10日より12日まで北京で開催された。

武大偉中国外交部次官、金桂冠北朝鮮外務次官、斉木日本外務省アジア・太平洋局長、金スク韓国外交通商部朝鮮半島平和・安全保障問題特別代表、アレクセイ・ボロダフキン・ロシア外務次官、ヒル米国務省東アジア・太平洋担当次官補がそれぞれの代表団の長として会合に参加した。

武大偉次官が議長を務めた。

参加者は共同声明の実施のための第2段階の措置で肯定的な進展があったことを高く評価し、この進展が北東アジアの平和と安定に貢献すると全会一致で合意した。
参加者は第2段階の措置の完全でバランスの取れた実施について重要なコンセンサスに到達した。

I、2005年9月19日に採択された6者協議の共同声明に従い、6者は6者協議の枠内で、朝鮮半島の非核化を検証する検証メカニズムを設立することに合意した。
検証メカニズムは、6者の専門家からなり、朝鮮半島非核化作業部会に対し、責任を負う。
検証メカニズムの検証措置は、施設への訪問、文書の閲覧、技術的専門家とのインタビュその他、6者の間で全会一致で合意される措置を含む。
必要がある場合、検証メカニズムは関連した検証へのコンサルティングと支援を提供するために、国際原子力機関(IAEA)を歓迎することが出来る。
検証の具体的な計画や実施は、コンセンサスの原則に基づき朝鮮半島非核化作業部会により決定される。

II、6者は、6者協議の枠内で監視メカニズムを設立することに合意した。
監視メカニズムは6者の首席代表よりなる。
監視メカニズムの使命は不拡散、北朝鮮への経済・エネルギー支援を含む6者協議の枠内でなされたすべての当事者による誓約が、それぞれ尊重され、実施されることを確保することである。
監視メカニズムはその責務を6者が効果的と考える方法で果たす。
6者の首席代表はその責任を果たすために適切な官吏に権限を与えることが出来る。

III、参加者は、寧辺核施設の無能力化とともに経済・エネルギー支援の時刻表を作成した。
北朝鮮による寧辺核施設の無能力化と他の当事者による残りの北朝鮮への重油および重油以外の支援は平行して完全に実施される。
すべての当事者は、北朝鮮への重油と重油以外の支援を2008年10月末までに完了するように作業する。
米とロシアは北朝鮮への重油支援の残りの部分の提供を2008年10月末までに完了するように作業する。
中国と韓国は重油以外の支援の残りの分担分を提供するため、北朝鮮と拘束力ある合意を2008年8月末までに署名するように作業する。
日本は北朝鮮への経済・エネルギー支援に、出来るだけ早く、環境が整ったときに、参加する意思を表明した。
北朝鮮は、寧辺核施設の無能力化を2008年10月末までに完了するように作業する。

IV、参加者は、「北東アジアの平和と安全保障の指導的原則」の討議を続けることに合意した。

V、参加者は6者閣僚会議が適切な時期に北京で開催されることを再確認した。

VI、参加者は2005年9月19日の共同声明の実施のための第3段階の措置について予備的な意見交換を行った。参加者は包括的なやり方で6者協議を引き続き前進させ、永続的な北東アジアでの平和と安定のために協働することに合意した。

北朝鮮の核問題:北朝鮮外務省声明と今後

1、 7月4日、北朝鮮外務省報道官が発出した声明、次の通り。

10月3日合意(注:共同声明の実施のための第2段階の措置)は、朝鮮民主人民共和国(以下DPRK)の誠実な努力によってその実施の新しい段階に入った。
DPRKにおける核施設の無能力化は、今の時点で80%以上実施され、正確で完全な核申告の提出についての合意事項も実施された。
DPRKは、特に無能力化の段階を越え、試験的な原子力発電所の冷却塔を完全に爆破する措置を取った。これは善意に基づき取られた措置、DPRKの非核化への意思の証拠である。これは核施設の撤去に続く段階で取られるべき措置を前もって取ったことを意味する。
6者協議の他の参加国はその約束を正直に実施するとの努力においてDPRKに同調すべきである。米は10月3日合意に従っての政治的補償のための措置を公表した。しかしテロ支援国家指定リストからDPRKを取り外す措置は手続き上の要因によりまだ発効していないし、DPRKに対敵取引法の適用を終わらせる措置は、米は発効したと言っているが、実質的な面で完全に実施されていない。
経済的な補償をするとの5カ国の約束は、現時点で40%だけ実施された。
その首席代表が6カ国協議で挙手をし、上記の合意を支持したある当事者は、これを実施することに参加することを拒否しており、まだ見て見ぬふりをしている。
DPRKは,核申告の検証に協力する用意があるが、「行動対行動」の原則が遵守されるべきであるとの基本的な原則を維持する。
もともと9月19日共同声明に従う全朝鮮半島の非核化は検証を前提としている。米を含むすべての参加国の約束の履行は例外なしに検証されるべきである。
すべての参加国が、正確にその約束の実施を終了した時、10月3日合意の完全な実施が行われたことになり、その時に始めて、次の段階での問題の討議が順調に進展する。
これが「行動対行動」の原則の基本的な要請であり、DPRKの一貫した立場である。

2、 次回6カ国協議がサミット後に開催されるとの報道があったが、この声明に現われている
北朝鮮の態度は、次回6カ国協議がまた諸困難に直面することを予想させる。
第1に、北朝鮮は、「正確で完全な申告」が実施されたとの前提に立っているが、申告は、(1)ウラン濃縮、(2)シリアへの拡散、(3)核兵器と核実験についての情報の3点で不完全である。米は(1)、(2)については、サイド・レターを受け取っている筈であるが、それは明らかになっていない。(3)については、第3段階でとライス長官は言っているが、北が出してくる保障はない。
第2に、この声明で「ある当事者が(経済的補償への)参加を拒否している」と言っているが、これは日本がエネルギー支援への参加を拒否していることを言っている。日本に今後圧力をかける意思を明確にしている。
第3に、検証について、全朝鮮半島の非核化の検証を持ち出しており、これは在韓米軍、更に韓国軍への立ち入り検査の要求にさえつながりかねない。
ウラン濃縮やシリアへの拡散について、過去を不問にし、今後しないとの約束を取って、とにかくプルトニウム関連の核廃棄を前に進めようと言う米の考え方は、一つの考え方である。しかし今回の申告が「正確で完全なもの」とする北の主張を受け入れるのは間違いであろう。ライス長官は「核兵器申告」は第3段階でと述べたが、それを堅持してもらう必要がある。
なおウラン濃縮については、最近、パキスタンにおいてカーン博士が、北朝鮮にP−1といわれるウラン濃縮用遠心分離機を供給したのは自分の一存ではなく、軍の同意を得ていたと発言し、ムシャラフがそんな同意を与えたことはないと否定し、問題になっている。真相はわからないが、両者ともに北朝鮮にP−1が提供されたことを前提に論争している。
7月2日付ワシントン・ポスト紙は、北の申告は60ページあり、そのなかで北は37キロのプルトニウムの所有を認めていると報じている。

3、 米による北のテロ支援国家指定解除の手続き開始に関連し、日米間の信頼が壊された、日
米同盟にも影響が出るなどの論説がある。拉致家族の気持ちは尊重すべきであるが、この問題をそれほど大げさに考えるのは間違いである。米も今後とも拉致解決に協力するといっているのであるから、そうしてもらえばよい。
他国の持つカードを当てにする対応は、国際政治では限界があることを認識するべきである。指定解除は世銀やアジ銀の対北融資の問題である。日本としてそれに反対していけばよい。
米の対応の問題点は、北のいう段階的なアプローチを受け入れ、かつ不完全な申告にもかかわらず、第2段階が終了したかのようにテロ支援国家指定解除に踏み切り、核兵器関連申告を第3段階に先延ばしすることを容認したことにある。約束を完全に果たさなくても、次の段階に進むという先例を残した。これではこの6者協議プロセスは第3、第4、第5、第6・・段階まで次々に引き延ばされかねない。その間、北は核兵器保有国であり続けることになる。
(文責:茂田 宏)

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