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北朝鮮情勢

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韓国哨戒艦「天安」沈没と北朝鮮の対応

1、5月20日朝鮮中央通信が伝えた北朝鮮(DPRK)国防委員会報道官声明、次の通り。

 我々は既に傀儡海軍の軍艦「天安」の沈没に関し向う見ずな発言をしないように南朝鮮の反逆者集団に警告した。
 しかしながら反逆者集団は何の物証もなしに事件を我々と結び付けるためにこじつけを試みた。反逆者集団は軍艦が我々の魚雷攻撃で沈没させられたとする全くのねつ造に基づく合同調査結果を朝鮮の内外の世論を間違った方向に誘導するために最終的に発表した。
同時に彼らは「懲罰」と「報復」を国内で叫びたて、愚かにも国際社会がDPRKに追加的「制裁」を加えるようにせかしている。
問題なのは反逆者李明博がこういう反DPRK中傷キャンペインで先頭に立ち、わが革命の本部をさえあえて誹謗していることである。
その間、追従と盲目的従属に慣れている南朝鮮の傀儡軍の金泰栄とその他のギャングが李明博の暴言を繰り返している。中傷キャンペインは南朝鮮の柳明恒やその他の極右保守派によって煽られている。
DPRKへの敵対政策を軌道にとどめるために絶望的な努力をしている米と日本の侵略者がまたこれに加わっている。
この事件をDPRKと結び付けるのに忙しい彼らに、なぜ彼らがこの事件をほぼ同時に次々に起こった傀儡陸軍兵士の死、傀儡海軍と空軍の戦闘機とヘリ攻撃機の衝突、民間漁船の沈没とこれを結びつけようとしないのかを質問したい。
今は科学と技術の時代である。
ふくらまされた風船が破れるように、いかなる虚偽も、誰かがそれを尤もらしく見せようといかに努力しても、明らかにされてくるものである。
明らかなのは軍艦「天安」の沈没は特定の政治的、軍事的目的を達成するために計画的・山賊的に反逆者集団により作り上げられた「陰謀的悲喜劇」と「まやかし」以外のものとは決して考えられないということである。何故ならば46名の兵士が悲惨な死を迎えたが、将校は事件を生き残ったからである。
これがしっかりとした現実であるので、彼らは泥棒が「泥棒を捕まえてくれ」と叫ぶように我々に汚い非難の指を向けている。
ショックな事件をでっち上げ、それを「北風」についての物語のために使うのは、累次の南朝鮮の傀儡政権が危機にある時にいつも使う常とう手段である。最近では彼らはゴミ捨て場と人間の屑への道を見つけた「北からの脱走者」さえこの企てのために使っている。
国の防衛と安全保障に責任をもつDRPKの国防委員会は反逆者集団の邪悪な企みが我々に対する見境いのない行為につながりかねない深刻な事態に鑑み、わが軍と人民の原則的な立場を明らかにする。
(1) 反逆者集団が軍艦「天安」の沈没を我々と結び付けていると宣言したので、DPRK
国防委員会はこの結びつきについての物的証拠を検証するために南朝鮮のその場所に検問団を派遣する。
反逆者集団はDPRKの威厳のある検問団に軍艦の沈没が我々と結び付けられることを
証明する物的証拠を提出すべきである。我々は前もって反逆者集団に検問団に提出される物的証拠は一点の疑いのないものであるべきことを想起させる。
(2)わが軍と人民はいかなる「処罰、「報復」、わが国家利益を侵害する「制裁」にも迅速に全面戦争をふくむ種々の強硬な措置で反応する。
我々が行う全面戦争は、この「陰謀的悲喜劇」と「まやかし」を指揮している反逆者集団とその追随者の根拠地を完全に撤去し、その代わりに民族全体が強力で繁栄する再統一された強国を建設するための全民族、すべての人民、国家全体を巻き込む聖なる戦争になるだろう。
   我々により取られる強硬な対抗措置は民族の和解と統一を阻止し、南朝鮮社会に対決の雰囲気を掻き立てている反逆者集団に予期されない大ハンマーによる打撃を加える実際的な正義の行動であることが証明されるだろう。
   (3)反逆者集団が「決定的な行動」を宣言した今、我々は領海、朝鮮の西海を含めわが主権が行使される空域、陸において起こるいかなる小さな事件も対決マニアの挑発と見なし、無制限な報復打撃、無慈悲な強い物理的打撃で答える。
「報復」に対し、より力強い報復で、「処罰」に対して、我々式の無差別な処罰で答えるというのが我々の変わらない鉄の意志である。
この機会をとらえ、我々は米と日本当局と人間の屑、彼らの可哀そうな下僕に思慮をもって行動するように厳重に警告する。
世界は同胞を窒息させるためにでっちあげられた不細工な「陰謀的悲喜劇」と「まやかし」に反逆者集団がいかなる高い代償を支払わなければならないかをはっきり知るだろう。

2、 北朝鮮のこういう脅しには、それなりの注意を払うべきであるが、同時にこうい
う瀬戸際政策に振り回されることはない。
米韓は断固とした対応をして、こういう脅しが通用しないことを今回こそはっきりさせるべきであろう。
鳩山政権は米韓と共同歩調をとるとしているが、よいことである。
北朝鮮の検問団派遣提案はおかしな提案である。北朝鮮がこの犯行に及んだか否かは北朝鮮が一番よく知っている。関与していないのであれば、あくまで関与していないと主張すればよいだけである。証拠を見た上で、関与したか否かを決めるようなことを考えているのであれば、おかしな話である。
北朝鮮は共産主義国と言うべきかどうか、疑問があるが、共産主義者は力関係をみて、現実的な対応をする。民主・自由主義陣営が意思の面で統一がとれず、無慈悲な敵に適切に対応しえない場合も多いが、今回はしっかりと対応した方がよい。私の共産圏との外交経験に照らすと、際限のないエスカレーションを北はその力の限界もあり、避けると思う。日本近海に出没した不審船も一度日本が撃沈したら、もう来なくなった。
ただし北による非正規戦やテロへの警戒の強化は必要である。
(文責:茂田 宏)

韓国哨戒艦「天安」沈没と朝鮮半島情勢

1、 韓国の哨戒艦「天安」の沈没の調査結果は5月20日にも発表される予定である。調
査結果では、北朝鮮の魚雷によるものであったとされると予想される。
韓国側が現場よりアルミ片、魚雷のスクリューを入手し、天安の船体より火薬成分を検出したとされ、スクリューには北朝鮮で使われる字体で数字が書かれているとされる。
韓国側が取る措置については、4月28日付記事で述べたとおり、安保理提訴、北への謝罪と再発防止などの要求に加え、北の海軍の行動範囲の制約や経済的制裁措置が考えられる。46名の兵士が殺されたことに李大統領が措置を取らないわけにはいかない。
韓国の世論は北の犯行であると80%以上の人が見なす一方、軍事的対応をして第2次朝鮮戦争になることは避けるべしとする意見が大勢を占めている。
北は関与を否定しているので、韓国側の措置に反発し、南北関係は緊張するだろうし、外交上の決着はすぐにはつかないで、長引くと思われる。 
8日、李明博大統領はオバマ大統領に電話をしたが、北の関与であることが明らかになったことを伝え、今後の対応について方針を示し、オバマ大統領のおおまかな了解を得たものと思われる。

2、 この事件は南北関係の緊張に加え、次のような余波をもたらすだろう。
第1:北朝鮮の核問題についての6者協議は、この問題が片付くまで動くことはない。
第2:中国はこの事件後、韓国側の不快感を無視して金正日訪中を受け入れた。さらに調査結果が科学的、客観的なものであるべし、関係者は冷静に対応すべしなどと述べている。中韓関係は今後軋んでいくと思われる。
第3:米韓同盟はこの試練で強化されるだろう。

3、 日本としては、米韓の側に明確に立つことが肝要である。調査結果を速やかに受け入
れるべきであり、それが日米韓協調を強めることになる。
調査結果については、米・英・豪・スエーデンも加わった調査結果である。日本は調査に加わっていないので、自らが加わらない調査結果については、日本側としても検証したいとの対応を普通はすべきであるが、今回の調査は日本の友邦も加わった調査であり、そういう対応をする必要はないと考えられる。
韓国は日本を調査に加えなかったが、韓国内での対日感情を踏まえたことであり、これは見逃してよい。

4、 この調査に関連して、私は北朝鮮内部での通信傍受によって北の関与がより明らかに
なると考えていた。サハリン沖で大韓航空機が撃墜された際、日本は安保理にソ連の戦闘機と地上基地の交信記録を提出したことがある。しかし今までのところ、通信傍受記録についての報道はないし、政府関係者よりの発言もない。傍受のための施設は米も韓国も有している。魚雷を発射した北の艦船(潜水艦と思われる)と司令部間の通信が把握されていないのであれば、北の海軍への指揮統制についての心配が出てくる。
司令部の許可も得ずに、北の海軍艦艇がこういう攻撃を行いうるというのは、そういう権限が前もって与えられているか、または、北の海軍艦艇が司令部の統制に服さないことがありうると言うことを意味する。
日本人拉致について金正日は一部の分子の冒険主義、英雄主義の結果と述べたことがある。誰もこんな釈明を信じていないが、今回の事件が中央の統制下にない一部分子によるということであれば、北の危険性は統制の乱れからも生じてくることになる。
(文責:茂田 宏)
P.S. 友人から潜水艦は通常居場所を隠匿するため作戦行動中に電波を出すことはしないとの指摘があった。そうだろう。しかし指揮統制がどうなっているのかについての疑問は残る。

金正日の訪中

金正日の訪中

1、 5月8日、朝鮮中央通信の報道、次の通り。(・・部分省略)

金正日書記長は5月3日より7日まで胡錦涛中国共産党中央委員会書記長および中華人民共和国主席の招待で中華人民共和国への非公式訪問を行った。・・(同行者列挙)
中国の党・国家指導者は兄弟的な中国人民に対する深い友情をもって再度中国を訪問した金正日を暖かく歓迎し、最高の真摯さをもって、心からの厚遇を与えた。・・
金正日と胡錦涛の会談は5月5日、6日に行われた。・・(会談出席者名列挙)・・
両党と両国の最高指導者はお互いに彼らの国の状況について通報し、両党、両国間の関係を強化する問題と相互に関心のある重要な国際・地域問題について率直な意見交換を行い、見解の一致に至った。
胡錦涛は伝統的な中朝友好関係は両党、両人民の貴重な資産であり、時の経過に従い、それを強化し、世代をついでそれを伝承していくことが双方共通の歴史的責任である、友好と協力の2国間関係の強化は中国の党と政府の確固たる政策であると述べた。
彼は中朝関係の協力強化のための措置についていくつかの事柄を提案し、それを行うことが両国での社会主義建設を成功裡に進め、両側の共通の利益と地域の平和、安定、繁栄を防衛し、推進することに有益であると述べた。
彼は伝統的な中朝友好関係に新しい活力を注入し、善隣友好・協力の両国関係に勢いを与え、それを深め、それによって両国と両人民により大きな幸福をもたらし、北東アジア、さらにその他の世界に平和、安定、繁栄を確保するためにより大きい貢献をするために北朝鮮と共同の努力をすることが中国側の意図であると明確にした。
金正日は胡錦涛に親切な招待と心からの厚遇に謝意を表明し、北京で再度胡錦涛に会う喜びを表明した。
彼は、長期にわたる朝中友好は、歴史の嵐と試練に耐えたように、時の経過と一つの世代が新しい世代にとって代わられることにかかわらず、不変であると述べ、両国の古い世代の指導者によって示めされた国際主義の精神で両国間の友好・協力関係をさらに強化する朝鮮の党と政府の不変の意志と決意を再度明確にした。
中国的な特徴をもつ社会主義建設で中国人民が達成した新しい成果を評価しつつ、彼は上海万博の成功裡の開始は中国の国家力の提示であると述べた。
会談は・・社会主義建設と国家の再統一のための両党、両人民の闘争で相互支持と連帯を表明した。
胡錦涛は安定を防衛し、経済を発展させ、人々の生活水準を改善するために北朝鮮により取られている肯定的な措置を高く評価し、朝鮮人民に金正日書記長に率いられる朝鮮労働党の指導のもと、国家建設でのより大きな成功を欲すると述べた。
金正日は中国人民が胡錦涛を書記長とする中国共産党の指導のもと、党の統治能力の建設の強化、発展への科学的やり方の樹立、調和社会の建設という歴史的な路線で着実で新しい偉大な勝利を収めるとの彼の確信を表明した。
朝鮮半島における平和、安定、繁栄は北朝鮮と中国の共通に利益、さらに北東アジアのすべての国の利益と合致することを認め、双方は9月19日共同声明であきらかにされた立場に従い、半島の非核化の目標を達成するために共同の努力を行うことを決定した。
双方はもし半島が非核化されるのであれば、6者協議にかかわっている当事者が上記声明を履行するために真摯な努力をすることが何よりも重要であるとの見解を共有する。
金正日は、北朝鮮は朝鮮半島の非核化の目標を維持し、6者協議で採択された共同声明を履行し、対話により平和的解決を追求するとの基本的な立場で変わっていないと宣言し、協議への他の当事者とともに6者協議再開のために有利な条件を作り出すための北朝鮮の意思を表明した。
胡錦涛は、中国は、過去におけると同様、未来においても北朝鮮と他の当事者との共同の努力を通じて6者協議のプロセスの着実な進展を促進する用意があると述べた。
金正日は・・北朝鮮を再度訪問するように胡錦涛を招待した。胡錦涛は・・喜んでこの招待を受諾した。
胡錦涛は、5月5日金正日のために人民大会堂で晩餐会を行った。・・5月6日、胡錦涛は金正日をその宿泊場所に訪ね、会談した。・・
金正日は別途呉邦国人民大会議常務委員会委員長、温家宝首相とも会談した。・・
温家宝首相は朝鮮の指導者のために晩餐会を開いた。・・
金正日は帰路、瀋陽を訪れた。・・
金正日の中国訪問は胡錦涛と中国の党、政府による特別な注意と心からの厚遇のおかげで成功裡に行われた。・・

2、 中国が金正日を暖かく迎え、中朝友好を高らかに謳いあげたことがこの記事から明ら
かである。要するに、中国は北朝鮮の金正日政権を強く支持している。
韓国の哨戒艦「天安」の爆破に北朝鮮の関与が火薬成分の検出やアルミ破片の入手で強く疑われてきている状況の中で、中国は金正日を最高のもてなしで歓迎し、韓国の不快感表明を全く無視した。
中国の北朝鮮への影響力を期待した6者協議は、中国のかかる対北朝鮮姿勢に鑑み、多分何の成果もあげないであろう。それを日米韓が早く認識すればするほど、よいと思われる。
中国が今回どういう経済援助を北朝鮮に約束したのか、明確ではない。しかし何もなかったと考えることもできない。
国連安保理決議1874号は「文民の必要あるいは非核化の推進を直接対象とする人道的で開発目的のものを除き、贈与、金融支援あるいは譲許的な借款の新しいコミットメント」をしないように国連加盟国に求めている。中国はこの制裁決議に違反している可能性が大である。この点についても、中国に説明を求める必要がある。
今回の金正日訪中は、中国が国際秩序維持に関して、我々と利害関係を共通にする「利害関係人」とする見解が相当ピントはずれであることを示しているのではないかと考えさせられる。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮(DPRK)の核問題

1、 4月9日、朝鮮中央通信は、米の核態勢見直し(NPR)についてDPRK外務省報道官の質問への次のとおりの回答を掲載している。

 4月6日発表された見直しは現在の米政権がまだ核をその世界支配の戦略の遂行における頼みの綱と見なしていることを証明した。
オバマ大統領は、米は核不拡散条約(NPT)の規定を守る非核兵器国に対し核兵器を使う、あるいは使うと脅すことはしないが、DPRKやイランのような国は例外とすると怒鳴った。これは米のDPRKへの政策がブッシュ政権がそのはじめに追及した敵対的政策−ブッシュ政権はDPRKを「先制核打撃の目標」と指定した後、核の脅威をDPRKに与えると硬く決心した―と何も違わないことを証明する。
見直しの発表により米は完全に、核兵器や通常兵器でDPRKを攻撃,侵攻する意図はないという6者協議の9月19日付共同声明で行った誓約を撤回した。そして再び話し合いの再開のために苦労して得られた雰囲気を冷却化した。
NPTに関しては、この条約は世界が非核化されるまでの間、核拡散を防止する過渡的な措置であり、長く継続される条約ではない。DPRKは米がますます隠すことなくNPTをDPRKを孤立化し、窒息させる梃子として使うなかで、正統な法的な手続きをとった後に条約から脱退した。
DPRKは核の野望に動かされてではなく、核を製造した。DPRKは米の攻撃を抑止し、その主権と存在への権利を守るために核を作った。なぜならば米がDPRKを「先制核攻撃の目標」として取り上げたあと、相当な核の脅威をDPRKに与えたからである。DPRKはこれまで真摯に責任ある核兵器保有国として国際義務を果たしてきた。
朝鮮半島の非核化はDPRKの変わらない目標である。もし半島とその他の世界が非核化されるとするならば、米は核の優位に基づく力の政策により、他国の主権や生存権を踏みつけるような敵対的行為を止めるべきである。もっとも緊急なのは米が空虚な話ではなく、実際にDPRKに対する敵対的政策を巻き返し、信頼醸成措置をとることである。
米の核脅威が存在し続ける限り、DPRKは今後、必要と見なす方法でその抑止力としての種々のタイプの核兵器を増加させ、アップデイトする。DPRKは完全にそうする能力を持つ。米こそがDPRKにそうする根拠と正統性を与えている。
DPRKが核兵器の力に基づく米の脅迫と圧力にさらされるばかりであった日は過ぎ去り、二度と戻ってこないことを米は知るべきである。

2、 米はNPRで北朝鮮への核攻撃がありうるとした。これは北の核問題に影響を与えるとこのブログで指摘したが、それがこの北朝鮮の声明にあらわれている。6者協議再開がこれで振り出しに戻るかどうかはまだ不明である。

3、 4月6日、クリントン米国務長官はケンタッキー州ルイスビルで核関連の講演を行い、米ロ戦略核削減条約、NPR、イラン・北の核問題などについて説明した。
その後の質疑応答で、クリントン長官は「北朝鮮、我々は1個から6個の核兵器の間のどこかにいると知っている」と発言した。このクリントン発言がどういう根拠に基づくものか、判らないが、北朝鮮の核兵器を過小評価している。
在韓米軍シャープ司令官は、北はseveral weaponsのためのプルトニウムを保有していると議会で述べたばかりである。オバマ大統領は選挙期間中、ブッシュは北朝鮮の取り使いを誤り、北に8個の核兵器を作るのを許したと非難した。
ワシントン・ポスト紙はかって、北は37kgのプルトニウム保有を申告したと報じ、政権側もそれを否定していない。一個の核兵器には、米エネルギー省は4kgのプルトニウムが必要としている。昨年5月の核実験以来、北は8000本の使用済み燃料を再処理したと発表している。諸推計があるが、これは30kgのプルトニウムになると推定されている。
クリントン発言は北が保有する核兵器の数を低く見せ、北の核兵器問題が上手く行っていないことを覆い隠そうとしたのではないかとの疑念を持たざるを得ない発言である。
〔文責:茂田 宏〕

北朝鮮内部情勢

北朝鮮内部情勢

1、 ハワイにある東西センターはこのほど「圧政下の政治的態度:北朝鮮亡命者からの証言」と題するステファン・ハガード(ピーターソン国際経済研究所副所長)とマルカス・ノーランド(カルフォルニア大学サンディエゴ校)のペーパーを公表した。2008年11月に300人の韓国在住亡命者を対象に調査した結果である。

2、 このペーパーなどに基づき、3月24日付ワシントン・ポスト紙は「親愛なる指導者は北朝鮮人の心(Hearts and minds)を失いつつあるように見える」と題する記事を掲載している。その概要、次の通り。
 人口の半分以上が外国ニュースや国家の神話を掘り崩す草の根シニシズムに耳を傾け、エリートの中でさえ不満が高まり、金正日は北朝鮮内部での宣伝活動で負けているとの多くの証拠がある。
 東西センターが今週出す報告書では、亡命者の調査は蔓延する腐敗、高まる不公正、慢性的な食料不足はピョンヤンの政府のせいであり、米、韓国あるいは他の外国の勢力のせいではないと多くの人が信じており、あらゆる形態の抵抗が出てきていることが明らかにされている。
 この報告書は、北朝鮮内部で不作と失敗した通貨改革が食糧市場を混乱させ、統制不能なインフレが起こり、市民の不安を呼び起こしているとの未確認情報がある中で出された。
先週、北朝鮮は通貨改革の責任者を処刑したと報じられており、幾人かの最高幹部が公に謝罪した。
北朝鮮に情報提供者を有する韓国の救援グループ「よき友」によると、1月以来の南ピョンヤン地方での餓死者は数千人であるとしている。首都ピョンヤンの街路でも栄養失調の老人の遺体が見られ、党職員が飢餓は百万くらいの人が餓死した1990年代のレベルにこの冬いくつかの地方で達したと述べたとこのグループは述べた。
食糧不足、官僚のへま、シニシズムの高まりは政府を不安定化する脅威である。68歳の金正日が27歳の息子に権力を移譲しようとするなかで、そういうことが起こっている。
報告書の共同執筆者ノーランドは「政府が一度ここまで信頼を失うと、その信頼を取り戻すのは不可能でないにしても大変難しい」、ただし組織された反対派が国内で出てきたことを示す兆候はない、としている。
国際危機グループ(ICG)は、悪化する食料事情と破局的な通貨改革は地域的安全保障に予測できない結果をもたらし得る、指導部の突然の分裂は起こりそうにないが、問題外ではない、と述べた。
亡命者の調査では、民間市場が規模も影響力も増やし、北朝鮮人が食糧や仕事で政府の頼る度合いが減っていることを示唆している。亡命者のうち、早い時期に亡命した人は、北の問題は外国人のせいだとする傾向があるのに対し、最近の亡命者は政府のせいだとする傾向がある。
軍や政府などエリートだった亡命者は、政府についてのシニシズムが他の亡命者に比較し強い。しかし政府への嫌悪は市場に関係した人の間で最も強い。なお市場は社会に浸透し、70%の回答者は半分以上の所得を私的な商売で得ていたと述べた。
2006年以降の亡命者の半分以上が定期的に外国放送を聞いたと述べた。北朝鮮は外国放送局を聞けるラジオやテレビを禁止しているが、中国からの電気製品が入ってきており、韓国、中国、米国の放送を聞くことが出来、それを抑制する気持ちは低下している由。これらの情報は労働者の天国と言うイメージを掘り崩し、権威主義支配にとり不安定をもたらす恐れがあると報告書は書いている。

3、 冷戦時代、ソ連からの亡命者の聴取はソ連事情を知る上で役立った。亡命者は政権に否定的であるから、その証言を聞いて、事実と意見を分けるなどの工夫がいる。しかしそういうことをすると、かなり内部事情はわかる。
この報告書はそういう意味で参考になる。
組織的反対派はないというのもその通りであろう。
北が内部崩壊をする時は、エリート間での分裂から崩壊が始まると思われるが、それが経済・社会問題を契機に起こる可能性がある。そのプロセスはいくつかの段階を経るのであって、そう突然に起こるものではなく、兆候が色々出てくる。そういう兆候の一つが出てきているのが今の段階であると思われる。
(文責:茂田 宏)

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