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北朝鮮(DPRK)の核兵器
1、 11月3日の朝鮮中央通信の報道、次の通り。
米がさる4月国連安保理での討議のためにDPRKの平和的衛星発射を持ちだし、それに制裁を課してから、6カ月が過ぎた。
この期間にDPRKは、6者協議で達成された合意に従い無能力化された寧辺の核施設を元の状態に戻すための措置の一環として、再処理施設を再稼働し、8月末までに8000本の使用済み燃料の再処理を成功裏に終えた。
DPRKは国際的な法的手続きを経たうえで正統に衛星発射を行ったのであり、国連安保理が取った措置はDPRKの主権の乱暴な侵害であり、その人民に対する深刻な侮辱であることをDPRKは既に明らかにした。
国家安全保障と国家主権を命であり魂であると考えるDPRKは、増大する核の脅威と敵対的勢力の軍事的挑発に対処するため、自衛のための抑止力強化のための措置をとることを余儀なくされた。
顕著な成功がDPRKの核抑止の強化のために抽出されたプルトニウムを兵器級に転換する上で達成された。
2、 北朝鮮が今回の再処理でどれくらいのプルトニウムを入手したのかについては、諸説がある。8000本の燃料棒からは、25−30kgのプルトニウムが出来るとの説がある一方、科学・国際安全保障研究所のオルブライトは、再処理されていない燃料棒の再処理で得られるプルトニウムの量を10−13kgと推定している。
昨年夏、北朝鮮は不完全な核活動申告を6者協議に提出したが、そこでは38kgのプルトニウムを保有していると申告したとの報道がある。これらを合わせると、北朝鮮は48kgから68kgまでのプルトニウムを保有していると推定される。
一個の核爆弾に必要なプルトニウムの量は技術水準により異なるとされる。8kgが常識とされてきたが、米エネルギー省は4kgとしている。学者によっては、2kg、1kgでもできるという人もいる。
4kgとすれば、北朝鮮は11個から16個の核兵器(一個は実験で費消)を保有しているか、保有に近いということになる。
3、 北朝鮮は核兵器保有国になったと言える。そのことを認めるか否かは別にして、事実としては核兵器保有国になった。保有プルトニウムの量は今後も増えるであろう。
(1) 北の核ドクトリンはどうなっているのか。
よくわからないが、先制不使用ドクトリンは採用していないと思われる。
衛星打ち上げ銀河2号の発射に際し、日本がイージス艦やPAC−3を展開した際、北朝鮮は平和的な衛星打ち上げを撃墜すれば、「最強の武器」で撃墜部隊のみならず、日本の本拠地を攻撃すると威嚇した。この「最強の武器」は核兵器を意味すると考えるのが自然である。
(2)北の核兵器はノドンに搭載できるように小型化されているのか。
小型化されていると考えられる。3月、米の国防情報庁長官が議会で小型化に成功していると考えると証言したほか、スイスで逮捕されたパキスタンのカーン博士の核密輸ネットワークの一員のコンピューターから、小型核の設計図が闇市場で売りに出されていたことが確認されており、これを北朝鮮が入手していないとは考え難い。
(3)北朝鮮の核兵器管理は高い安全性を確保しているか。
核兵器を持つ国は、核兵器が権限なしに使われないように措置を講じている。米国にはパ−ミッシブ・アクション・リンク(大統領が特定の暗号を入力しないと核兵器は爆発しないとの仕組み)の技術があり、ロシア、中国、英、仏、インドにも同じような技術がある。パキスタンには、そういう技術がないのではないかと懸念がもたれている。
北がそういう技術をもっているとは考え難い。
(文責:茂田 宏)
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