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北朝鮮情勢

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北朝鮮による2回目の核実験

1、5月25日、朝鮮中央通信の報道、次のとおり。

朝鮮民主主義人民郷共和国(以下DPRK)は5月25日成功裡に今一度地下核実験を科学者や技術者が要請したようにあらゆる方法で自衛のための核抑止力を強化する措置の一環として行った。
今回の核実験は爆発力とその制御技術の点で新しいより高いレベルで安全に行われ、実験の結果は核兵器の力を増し着実に核技術を開発する上で出てきた科学的、技術的問題を満足がいくように解決する助けになった。
成功した核実験は強盛大国への門を開くための新たな革命的盛上りを起こすための動きを強化し、150日戦闘にすべて立ち上がったDPRKの軍と国民を大きく鼓舞している。
この実験は先軍の力により国と民族の主権、社会主義の防衛と朝鮮半島とその周辺地域での平和と安全保障に貢献するだろう。(英語版より翻訳)

2、日・米・中・韓・露はそれぞれ声明を出した。米中の声明、次のとおり。
(1)米大統領声明
本日、北朝鮮は国際法に反して核実験を行ったと述べた。また北朝鮮は短距離ミサイル発射打ち上げを行ったように見える。これらの行動はこれまでの北の声明や行動から驚きではないが、すべての国家にとり深刻な懸念事項である。北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルを開発する試みは、国際的な平和と安全保障への脅威である。
国連安保理を露骨に無視して行動して、北朝鮮は直接的に、かつ無鉄砲に国際社会に挑戦している。北朝鮮の行動は北東アジアでの緊張を高め、安定を掘り崩している。このような挑発は北朝鮮の孤立を深めることに役立つだけである。北朝鮮が大量破壊兵器とその運搬手段の追求を放棄しない限り、国際的な受け入れはないであろう。
北朝鮮の脅威を与えるような活動が提起する危険は、国際社会の行動を正当化する。我々は今後、6者協議での同盟国と、パートナーおよび国連安保理の加盟国と引き続き協働していく。
(2)中国外務省声明
2009年5月25日、DPRKは国際社会の共通した反対を無視して今一度核実験を行った。中国政府はこの行動に断固反対している。
朝鮮半島の非核化をもたらし、核拡散に反対し、北東アジアでの平和と安定を守ることは中国政府の確固とした一貫した立場である。中国はDPRKが非核化への誓約を尊重し、状況を更に悪化させる可能性のある関連した動きを止め、6者協議に復帰するように強く勧める。
北東アジアでの平和と安定を守ることはすべての関係諸国の共通の利益に役立つ。中国政府は関係当事者に、冷静に、適切なやり方で反応し、協議と対話を通じて平和的な解決を追求することに固執するように呼びかける。中国は、その目標のためにあらゆる努力を引き続き行う。

3、今後、安保理で協議が行われるが、追加の制裁について決議が出来るかどうかが焦点である。また決議が出来た暁には、中国に制裁をしっかりと実施してもらう必要もある。一番効果があるのが、エネルギー面での制裁、金融面での制裁であろう。
金融制裁で、国際的な経済活動全般にわたり制裁を加えることは、米が出来ることであり、これを実施してもらうのが安保理が上手くいかない場合のもうひとつの手である。
日本の独自制裁は強化すべきであろうが、日朝経済関係は底にあり、朝総連への圧力くらいしか考えられない。

4、北の核は中国、ロシアには使われる可能性はなく、米にはまだ運搬するミサイルがない。韓国は同じ民族に使うはずはないと考えている。そうなると、使い先は日本しかない。もちろん持ったからといって使うというわけではないが、北は、第1使用はしないとの誓約もしていないということに留意すべきである。
日本の対応としては、日本独自の核抑止力の検討も開始すべきかもしれない。それが米、露、中をより真剣にさせるであろう。
(文責:茂田 宏)

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北朝鮮の開城工業団地の今後の見通し

1、5月15日、北朝鮮の中央特区開発指導当局は開城工業ゾーン(以下KIZ)運営委員会を通じて韓国側にメッセージを送付した。
このなかで北朝鮮は開城工業団地に関連した契約の改定についての北朝鮮側提案に韓国側が誠意を持って対応していないと非難するとともに、概要次のとおり述べた。
KIZはその管轄下にあるので、性質上、北側はそのための法令や規範を改定でき、南側にそれを通知し、一方的に実施できる。しかし北側は南側に再交渉の機会を与えた。
しかしながら南側は我々の誠実な努力に対決的な立場で応答した。この状況は北側が問題の交渉による解決を求める立場を再考することを余儀なくさせた。
北側は権限を与えられて次の措置を厳粛に通知する。
第1:我々は、6月15日共同宣言の精神に従い特別な配慮で、KIZでこれまで南側に適用してきた規則や土地借料、土地使用税、賃金、他のすべての種類の税その他を無効であると宣言する。
第2:我々は変更された状況と現実で必要とされるように改定された法令や規範に従い、措置を実施するための手続きを始める。
KIZにおける関連した南側の企業や人員は、無条件に上記を受諾すべきである。我々は彼らがこれを実施する意思がない場合、KIZを離れることを気にしない。
北側をしてこういう措置をとらせたのは南側当局である。
我々は同じ国民に対決姿勢をとるものに無期限に配慮を示すことは出来ない。
状況が将来もっと悲しむべき段階になるかどうかは全部南側の態度による。

2、4月21日、開城工業団地の今後について北朝鮮が韓国に接触を求め、会談が行われたが、北側が借料、賃金などの支払い増額を求め、話し合いは決裂した。それをうけての北側の声明である。韓国側はこの通知を拒否するとしている。しかし北側が一方的に増税した場合、それを払うのか払わないのか、具体的に対応する必要がある。相互に非難して済む話ではない。
私は開城工業団地からの収入は北朝鮮にとり、数少ない外貨収入源であるので、北側もその存続を望んでおり、話し合いで解決される問題であろうと思うが、金大中大統領の太陽政策の目玉であった金剛山観光(観光客射殺事件で上手く行っていない)も開城工業団地もいまや風前の灯のような状況になっている。
開城工業団地は、韓国人と北朝鮮労働者が接触する機会を提供するが、北の内部でそういうことへの懸念もあるのかもしれないと思われる。
(文責:茂田 宏)

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北朝鮮外務省声明と対日非難

1、4月29日、朝鮮中央通信の報道、全文次の通り。

北朝鮮(DPRK)外務省報道官は本日平和目的の衛星発射に関する敵対的勢力の悪意ある動きが極端に危険な段階に達した事実に関連し声明を発出した。
声明は拘束力のない「議長声明」に従い、国連安保理が4月24日公式に制裁の対象としてDPRKの3会社およびDPRKの平和的衛星発射、DPRKの主権行使に関し禁輸物資として多くの種類の軍事物資や物質を指定し、DPRKへの制裁を実施に移すとの不法な挑発を行ったと指摘し、次の通り述べている。

このような制裁は、過去十数年敵対勢力によるあらゆる種類の制裁や封鎖を受けてきたDPRKに、決して効果を挙げえない。
深刻なのは国連安保理が国と民族の安全保障、DPRKの至高の利益を直接に脅かそうとしている事実である。国連安保理は米の動きに従い、主権国家の主権を既に理不尽に侵害してきた。
敵対勢力は6者協議を通じてDPRKを武装解除するとの目的の達成に失敗したので、物理的な方法でDPRKの防衛産業を窒息させようと愚かにも企んでいる。
1990年代DPRKは、既に朝鮮休戦協定の法的当事者である国連により課される反DPRK制裁はこの協定の終了、すなわち宣戦布告と見なされると宣言した。
朝鮮半島の非核化への願望は6者協議とともに永久に去ってしまい、状況は敵対勢力による戦争の瀬戸際に近づいている。DPRK外務省はこの深刻な状況に対応するため厳粛に次の警告を行う。
国連安保理はDPRKの主権を侵害したことについて迅速に謝罪すべきであり、DPRKに対して採択されたすべての理不尽で差別的な「決議」と決定を撤回すべきである。
米の傲慢で恣意的なやり方の道具にもはやならず、国連加盟国の信頼を回復し、国際の平和と安全保障の維持のためのその責任を果たすためにはこれが唯一の道である。
国連安保理が直ちに謝罪をしない場合、次のような行動がとられるだろう。
第1:DPRKはその至高の利益を防衛するために追加的な自衛措置をとることを余儀なくされる。これらの措置は核実験と大陸間弾道ミサイルの試験発射を含むだろう。
第2:DPRKは軽水炉発電所を建設する決定を行い、遅滞なくその最初のプロセスとして核燃料の自己生産を確保するための技術開発を開始する。(朝鮮中央通信英語版より翻訳)

2、4月28日、朝鮮中央通信の「6者協議の崩壊の責めは全部日本が負う」との記事、次の通り。

最近、日本の官房長官は記者会見で9月19日共同声明に従う「誓約の履行」、「協議への復帰」その他について話しつつ、DPRKに非難の指を向けた。彼はまた「6者協議は非常に重要である」、国際社会は「共同して状況に対応」すべきであると主張し、関係国がその影響力を行使するように要請した。
これに関連し、民主朝鮮は4月28日署名入り論評で次の通り論じた。

彼の爆発の背後に隠されているのは、協議を崩壊させた責任を回避するために世論をミスリードし、責任をDPRKに被せるという邪悪な意図である。彼が狙ったいまひとつの目的はこの口実で日毎に深まる政治危機を乗り越え、本当に熱心に再侵攻のため核兵器国化を加速する正当性を確保することである。
協議が開始された際にはいつも、日本は協議に全く関係のない問題を提起し、意図的に協議の前途に妨害物を投げ入れ、協議を崩壊させるために絶望的な努力をした。
協議の他の当事者が6者協議の合意での誓約を履行することを選択した際、日本だけがDPRKへの経済制裁を強化して、その義務を履行することを拒否した。平和的目的の衛星を撃墜するとの騒ぎを惹き起こしたのはまさに日本であった。国連安保理は「決議を採択」すべしと主張して、他のいかなる国よりも不正に行動したのもまた日本であった。
それにもかかわらず、6者協議の当事者は日本の態度を問題にするのではなく、国連安保理が「議長声明」を発出することを許した。
6者協議はこのようにDPRKの主権を侵害し、それを武装解除する舞台になった。
日本の反動勢力は協議を崩壊させたことについて謝罪すべきであったが、彼らは意図的にDPRKの軍と人民の神経を逆なでしつつ、DPRKを引きずり出している。
彼らはDPRKの軍と人民の日本に対する憤慨を呼び起こすならば彼らに何が起こるかに注意を払い、根拠なしに他人を非難する悪い癖を止めるように助言されるのがよい。
もし彼らが時代の傾向に反し、生意気に振舞いつづけるならば、彼らはそのことに高い費用を払わなければならないであろう。

3、北朝鮮を核兵器保有国として認めないと言う政策問題と、現実に北朝鮮が核兵器保有国でありその運搬手段も保有していると言う事実を混同しては成らない。我々が対応しなければならないのは後者の事実からくる脅威への対処である。その北朝鮮がこういう声明をしていることには注意を払う必要がある。

4、非核3原則が国会決議に現われたのは沖縄返還に関連しての1971年の衆議院決議である。その後、1976年、核不拡散条約批准に関連し、非核3原則が国是であるとの決議が衆参両院でなされた。その後も同趣旨の決議がある。
状況の変化を踏まえ、非核3原則を再検討する必要の有無は真剣に議論されるべき課題である。元々持ち込みについては、領海通過を含め、ないとの政府答弁は誰も信用していない。
(文責:茂田 宏)

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北朝鮮の「発射」に関する安保理議長声明

1、 4月13日、安保理議長が発出した声明全文、次のとおり。このブログでは重要な文書を資料として掲載することとしているが、この声明を掲載し忘れていたので、遅ればせながら掲載する。

安保理は朝鮮半島と全体としての北東アジアでの平和と安定の維持の重要性に留意する。安保理は安保理決議第1718号に違反する朝鮮民主人民共和国(DPRK)による2009年4月5日(現地時間)の発射を非難する。
安保理はDPRKが安保理決議第1718号の義務に完全に従わなければならないことを繰り返す。
安保理はDPRKが更なる発射を行わないように要求する。
安保理はまたすべての加盟国が決議第1718号のもとでのその義務に完全に従うように要請する。
安保理は団体や商品の指定を通じて決議第1718号の第8項で課されている措置を調整することに合意し、決議第1718号に基づき設立された委員会にそのための仕事を行い、2009年4月24日までに安保理に報告するように指示し、更にもし委員会が行動しない場合には安保理が2009年4月30日までにこれらの措置の調整を完了させることに合意する。
安保理は6者協議を支持し、その早期再開を要請する。また平和的な方法で朝鮮半島の非核化を達成し、朝鮮半島と北東アジアでの平和と安定を維持することを目的に、中国、DPRK、日本、韓国、ロシア、米国により発出された2005年9月19日共同声明、およびその後のコンセンサス文書の完全な履行のための努力をすべての6者協議参加国が強化するように促す。
安保理は状況の平和的・外交的な解決への願望を表明し、対話による平和的で包括的な解決を容易にするための安保理構成国およびその他の国の努力を歓迎する。
安保理は引き続き活発にこの問題に関与していく。

2、 安保理の措置が新たな決議ではなく、議長声明になったことをとらえ、日本外交の敗北を云々する人がいるが、決議第1718号は拘束力を持つ決議として存在している。追加の制裁を加えるのでない限り、決議の必要はなく、議長声明で十分である。
(文責:茂田 宏)

北朝鮮の脅威とミサイル防衛(MD)の有効性(雑感)

1、 4月5日の北によるテポドン2号の発射に際し、自衛隊はイージス艦を2隻日本海に、1
隻を太平洋に展開し、更に岩手、秋田両県にPAC−3を展開した。政府として国民の生命、財産を守る姿勢を示したということである。しかしながら現在のMDが、北のミサイルとそれに搭載される大量破壊兵器を本当に防ぎうるかのような印象をこの展開を見て国民が抱いたとすれば、その印象は正しくないと思われる。

2、 鴻池官房副長官は、発射されたピストルの弾を別のピストルの弾で撃つようなもので、当
たらないのではないかと発言し、官房長官から注意を受けた。しかしMDの困難さを指摘したという点では、的を射ている面がある。これまで迎撃実験では、成功例が多いが、どこからいつ撃ってくるかわからない実戦での迎撃が、上手く行くかは保障の限りでない。対処のための時間も7分間くらいしかない。
 その上、数の問題がある。
日本に向けたミサイルはノドン・ミサイルであるが、現在北が配備しているノドンは約200基と言われている。これらのミサイルは本物の弾頭のほかに、通常いくつかのおとり(Decoy)の弾頭も弾道上に打ち出す。MDでは、本物の弾頭のほか、このおとり弾頭にも対処せざるを得なくなるのが普通である。その結果、ノドン1発に対処するため、それなりの数のSM−3が必要になる。
日本にイージス艦は6隻ある。MD用に改修されたイージス艦「こんごう」が、いくつのSM−3を積載しているのか、承知しないが、北から発射されるミサイルの数には対処しきれない可能性が高いのではないかと思われる。
最終段階でのMDはPAC−3の役目であるが、ここでも同じような問題がある。

3、 オバマ大統領はチェコ、ポーランドへのMD配備の推進について、その技術の有効性が証
明済みになることを一つの条件としている。これはMD技術にまだ、未完成な面があることを前提としている。更にMDに対して攻撃側もとりうる対抗措置がある。MD技術の進歩と対抗措置のいたちごっこが生じる恐れもある。

4、 そう考えると、北朝鮮のミサイル・核の脅威に対し、MDが完全に有効な対策であると考
えるのは、誤った安心感につながりかねない。やはり抑止や敵地攻撃能力の問題を討議する必要がある。
(文責:茂田 宏)

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