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証拠意見をどうするか。
それは,その証拠が,どういうものか。が決め手となる。
しかし,裁判員裁判では,
●その証拠がどのように取り調べられるのか。●
の観点も重要となる。
1 総論
(1)採用された証拠(調書類)は,原則,全文朗読される。
(2)要旨の告知の不当性
要旨の告知では,採用された証拠の一部だけが法廷で朗読される。
残りは朗読されない。
裁判員は,評議室で調書を読み直したりしないから,
読まれなかった部分は,裁判員が判断する基礎資料とはならない。
取調べなかったのと同じ。
証拠にならなかったのと同じことになる。
(3)他方,裁判官が調書を読むかもしれない。
そうなると,裁判員との情報格差が生じる。
それは,良くない。
裁判官が,
裁判員の皆さんは調書全文を読んでいないでしょうが
私は読みました。
その私が,こう判断するのですから,従ってください。
なんて言ったら,大変だ。
(4)控訴審では,
要旨の告知しかなされなかった証拠も,
全て,同様に証拠となる。
高裁の裁判官は,
裁判員に対して取調べられていない証拠を目にすることになる。
公正な控訴審とならなくなる。危険がある。
(5)例外的に,要旨の告知が許される場合もある。
鑑定書の不必要部分
実況見分調書の事件の根幹に触れない部分 など
証拠意見を言うと同時に
取調方法も議論すべきである。
2 検察官が請求した証拠が,全文朗読に適しているか。
(1)全文朗読して,理解できるか。
理解できる内容か。
理解できる分量か。
理解できる表現方法か。
これらをチェックしなければならない。
(2)前回の記事の末尾の記述は,上記の観点から,論じたものである。
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