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ヤブハラって、
藪をつついたら蛇が出たハラスメント?
藪から棒ハラスメント?
破れかぶれハラスメント?
破れたストッキングハラスメント?

後半は、ヤブハラ弁護人の反対尋問からだったね。

ドラマの進行を見る前に、反対尋問の心構えについて確認しておこう。
一般的には、主尋問で、相手方の証人が、相手方の主張に有利な証言をした。
反対尋問の目的は、
①それが嘘だと暴く
②それが嘘かも知れないと疑問を持たせる
③その人が信用できない人と印象付ける
など、多用だ。

まず、どの証言を崩すのか、ターゲットを決める。
ターゲットは一つか2つ。多くても三つが限度だろう。
ターゲットは、裁判の勝敗に結びつく重要な論点で無ければならない。オバQのアタマの毛が3本か4本かなどのような枝葉末節を取り上げても仕方ない。
次に、ターゲットは、必ず崩せるもので無ければならない。崩せなかったら、反対尋問は、主尋問の信用性を裏打ちする逆効果になってしまうからだ。崩せない反対尋問は、やらない方が良い。

準備はしていえても、主尋問を聞いて、これは崩せない、と判断したら、潔く諦める。
予定していない論点でも、潰せそうな主尋問が出てきたら、アドリブで潰しに行く(そのために、他の証拠も、頭に叩き込んでおく)
つまりは、準備は周到に、法廷は臨機応変に。

さて、信也証人の主尋問で反対尋問すべきターゲットは、もちろん「窓の外に人影を見たような気がする」の部分だ。
信也は、「見たような気がする」で堪えて、「見なかった」と言わせようとする西村検事の尋問に屈しなかった。
しかし、状況証拠的には、「見たような気がする」は信用されず、本当は「見なかった」んじゃねえの。と裁判官、裁判員が思っていると思った方が良い。
仮にイーブンだとしても、不利を想定して、挽回を図るべきである。

つまり、本件の反対尋問の目的は、本当は見なかったんじゃねえの。という裁判官、裁判員の心証を、見たような気がする。いや、見たかもしれない。にひっくり返すことだ。

目的がハッキリしても、どうやってひっくり返すのか。
材料はあるのか。
勝ち目はあるのか。
勝ち目が無かったら、反対尋問はしない方が良い。
裁判長から「弁護人、どうぞ」と言われたから、必ず反対尋問をしなければならない義務は無い。
さらっと「反対尋問はありません」と答えても良いのだ。

さあ、みんなで考えよう。
ヤブハラ弁護人には、どんな反対尋問の材料があるのか。
どうやれば、不利な状況をひっくり返せるのか?



じゃあ、ドラマ進行に戻るよ。

ヤブハラは、まず、ウォーミングアップとして、被害者の憲造がワンマン社長で多くの人に恨まれていたことを聞き出す。でも、これは本質では無い。

ヤブハラ「①実は昨日岩井智子さんと話して、彼女が初めて語ってくれたことがあります。事件直後、証人は、あの部屋で、逃げていく人影を目撃した。そのとき、あなたは、人の名前のようなものを口走った。」
西村検事:大声で「②誘導尋問だ!それこそ断定による誘導尋問だ!」
ヤブハラ「いかがですか?」
信也「そんなことは覚えていません」
ヤブハラ「③では、人影を見たとして、その人影は誰だとお考えですか?」
信也「・・・・・・・」
裁判長「証人は質問に答えて下さい」
信也「④拒否します。証言を拒否します。
盛り上げるミュージック
西村検事「証言拒否!?一体、どういうことだ!!!」
裁判長「静かにしてください。確かに、証人が証言を拒む権利については、刑事訴訟法第146条等で認められています。」
里矢子「しかし、⑤刑事訴訟規則第122条で、証言を拒むものは、その理由を述べなければならないと定められています」
裁判長:手で遮って「証人は、どのような理由で証言を拒否するのですか?」
信也「ある者が、厳しい立場に陥るかも知れないからです」
裁判長「厳しい立場とは、その人が刑事訴追を受けるとか、そういうことですか?」
信也「はい。」
西村検事「⑥誰だ。その人間は?」
信也「⑦それは言えません。証言拒否する意味がありませんので。⑧三親等内の血族が刑事訴追を受ける可能性がありますので、私は証言を拒否させて戴きます」
テロップ
【三親等】
叔父・叔母・甥・姪・曾祖父母・曾孫との関係


証人が証言拒否したので、この日の法廷は終了。
帰る信也の後から声を掛ける西村検事
西村検事「馬越さん。証言拒否とはどういうことだ。⑨裁判を愚弄するにも程がある」
信也「わたしは、国民としての権利を行使しただけです」
西村検事「では、⑩共犯者を逃がしたと考えて良いかな」
信也「どういう意味です?」
西村検事「あなたと岩井智子は口裏を合わせた。居もしない人間を、あたかも居たかのように。つまり、あなたと岩井智子は共犯の可能性も考えられる。」
信也「馬鹿馬鹿しい。とにかく私は二度と証言はしません。では。」


仮アップ

途中まで書き進めたんだけど、なぜか消えちゃったから、今日はギブアップ



今日の題材は、夏樹静子の「証言拒否」

「証言拒否」って珍しいな。と思って、録画してみた。
証人が出てきて、証言を拒否するんだろうな。
まさか被告人が供述を拒否するんじゃないよな。
それは、証言拒否じゃなくて、黙秘権の行使だからな。

でも、法律監修者たるもの、そういう基礎的なところから、疑いの目を持ってドラマを監修しなければならないのだ。

長塚京三が演じる薮原弁護士は、親友の朝吹と共同で法律事務所を経営していた。
朝吹は亡くなり、今は、娘の朝吹里矢子(黒谷友香)がイソ弁をしている。

長塚京三の名演技に比べ、黒谷友香の素人以下の演技がドラマを台無しにしていることは、法律監修とは無関係なので、ここでは触れないことにしておこう。


ドラマに入る前に、人間関係を整理しておく。
被害者=馬越憲造
憲造には、一回り年下の弟の信也と、ひとり息子の秋行がいる。秋行の母(憲造の妻)は、すでに死亡している。
信也は、憲造が経営する会社の役員をしている。
憲造は、脳溢血で倒れ入院したときに尽くしてくれた看護師高岡早紀(岩井智子)と親密になり、結婚の約束をして同居を始めた(内縁関係)。
憲造と、高岡早紀、信也が、立派な邸宅に3人で暮らしている。
秋行も同居していたが、実の母以外を認めない秋行は、高岡早紀の存在を忌み嫌い、ついには家出する。
秋行は、憲造からクレジットカードを貰い、遊び人をしている。


さて、事件は、ランちゃんの誕生日に起こった。
イメージ 1

この日は嵐で大雨だった設定だ。
ドラマの放送は、2015年。
念のため、1月13日の東京の天候を気象庁のHPで調べてみた。2015年放送だから、まず2015年の天候から、1年ずつ遡って1月13日の天候を調べてみた。
ランちゃんの誕生日は「晴れの特異日」ではないか、というほど、雨が降っていない。雨の記録がある日でも、0.0mmの日ばかりだ。
遡って調べたら、2000年に雨が降っていた。
それでも、午前0時から午前7時までに、計9.5mm。
午後5時から8時までに、計5.5mm。
大雨、嵐、というにはほど遠い。
それに、2000年には、まだ、裁判員制度は施行されていない。

仕方が無いから、今年7月の九州豪雨のデータを見てみよう。これは、鹿児島県鹿屋地方での7月3日午前中のデータである。

イメージ 7

0時から4時までの間、1時間あたり20mm〜46mmの雨が降ったことが分かる。このレベルが豪雨だ。(もちろん、数日にわたり、長時間降り続けたことも豪雨と呼ばれる要素になっている。)

では、この1時間あたり20mm、46mmの雨とは、どの位の雨なのか。これも気象庁のHPに聞いてみよう。
イメージ 8
1時間アタリ20mm〜30mmを「強い雨」と呼び、いわゆる「どしゃぶり」状態である。走行中の車は「ワイパーを速くしても見づらい」。
30mm〜50mmを「激しい雨」と呼び、いわゆる「バケツをひっくり返したように降る」状態である。走行中の車には、ハイドロブレーニング現象が起きて急ブレーキを掛けると大変危険である。


さて、ランちゃんの誕生日に起こったのは、一体どんな事件か?
この邸宅の主人、ビル管理会社社長馬越憲造氏が・・・こうなっちゃった事件だ。

イメージ 2

憲造氏は、憲法を造っちゃうほど偉い人で、一代で会社を従業員2000人の大会社に築き挙げた。
ただ、社内では、ワンマンで横暴だ。との批判もあった。

日本の警察は優秀だった。
事件から1週間で、(容疑者じゃなくて)被疑者を逮捕した。(ここ、厳密には、法律監修ミスね)
逮捕されたのは、死体の第一発見者、憲造氏と同居している内縁の妻(高岡早紀)だった。
イメージ 3

どういう関係から依頼があったのかしらないが、ヤブハラと里矢子が、高岡早紀の弁護をすることになった。

刑事弁護と言ったら、まず、接見だ。
接見と言ったら、まず、アクリル板の穴だ。
イメージ 4
ヤブハラの弁護士バッジが銀色にくすんでいて、里矢子のは金色なのは、なかなか良い。
しかし、このアクリル板の穴は、なんだ!
全くの不合格だ。2重構造以前に、穴の周囲に、丸い輪っかすらないではないか。

高岡は、犯行を否認し、無罪を訴える。
わかりました。私たちは、あなたの味方です。と答えるヤブハラ弁護士。

二人の弁護人は、事務所で、事件記録を見ながら、事件を検討している。つまり、高岡が起訴され、検事から請求証拠の開示があり、謄写したところまで、時間軸は進行している。

起訴されるまでに、どんな被疑者弁護活動を行ったのかは、不明だ。
否認させたのか。黙秘させたのか。
被疑者ノートを書かせたのか。
これは弁護方針の問題で、法律監修からは外れているかな。

高岡早紀の容疑の根拠の要点は、
①物証=被害者宅の物置から発見されたレインコートに被害者の血痕と、高岡早紀の指紋が付いていたこと
②動機=被害者に6000万円の死亡保険金が掛けられていて、その受取人が高岡早紀だったこと

高岡早紀の立場から、事件当日を再現してみよう。

その日は大雨が降っていた。嵐だった。
憲造がいる居間で物音がしたので、何があったのか、と居間に入った高岡早紀は、上記写真のような憲造の死体を発見し、悲鳴を上げる。
ちょうど、その時、信也が出張から1日早く帰ってきた。
悲鳴を聞いた信也は、居間に入った。
信也に見せるように、死体を指差す高岡早紀。
居間から庭に出るサッシが開いていて、カーテンが風になびいていた。
そちらの方向を指差し、高岡早紀が開いている窓に向かって「あー。秋行さん!」と叫んだ。
それを聞いた信也は、窓に近づき庭に向かって「秋行〜!」と呼びかけた。
大雨が降っていたため、庭からは、犯人が逃げ去ったかも知れない足跡などは、何一つ発見されなかった。

ただ、黄緑色の事実は、ドラマ後半になるまで明らかにならないのだが。

高岡早紀は、物音を聞いて居間に入ったら死体を発見した。私は、何もしていない。殺してなんか居ない。窓から誰かが出て行った。と弁護人に説明したが、窓に向かって「秋行さん!」と叫んだことは、弁護人にも打ち明けなかった。


2人の弁護人が、事務所で、訴訟記録を見ながら事件を検討している場面に戻ろう。
①物証、②動機があることを確認した2人
ヤブハラ「問題は、智子さんの証言だね。誰かが庭へ走って逃げていった。その証言を裏付けられるかどうか」
里矢子(その日は嵐で)「人が逃げた痕跡は何一つ無いんです。」
ヤブハラ「となると、大事なのは被害者の弟信也の証言。あのとき、駆け込んできたその弟が、本当に外部からの侵入者を見たのか。見なかったのか。」

智子さんは、高岡早紀の役名で、被告人だから、自らの法廷で「証言」はしない。彼女の言葉は「被告人供述」と呼ばれ、証人の「証言」とは区別される。
法律監修ミス確定。


これは、殺人事件だから裁判員裁判となる事件だ。
もちろん、公判前整理手続きも実施されたであろう。
ドラマでは全部省略で、第1回公判も省略で、6月10日に、第2回公判が開かれた。
1月20日逮捕。最長23日として、2月1日起訴(計算、あってるかな?)
6月10日が第2回公判ということは、第1回公判は前日の6月9日かな・・・(?)
起訴から4か月と19日後に公判開始。殺人の否認事件にしては、かなり公判前整理手続きが早く進行した。
間違いではないが、かなり強引かな。
イメージ 5

この法廷、なにか、おかしい。
まず、裁判長の椅子だけ、妙に立派すぎる。
モニターが裁判官3人の前に置かれていて、裁判員から見えない。
双方当事者の後ろ側の壁に、大型のモニターがない。

法廷に連行されてきた高岡早紀。
これも何かおかしい。わかるかな?
イメージ 6

被告人が女性の場合、刑務官のひとりは女性が担当するはずなのだが・・・ふたりともオッサンだ。
普通は長いす(ベンチとも言う)に座るのだが、3人とも個別の椅子というのは珍しいが、法律違反じゃ無いからスルー。

第2回公判期日に証人に呼ばれたのは、被害者の弟、馬越信也だった。検察官請求の証人だ。

検察官は、事前に馬越信也から事情聴取をして、死体発見時の詳細を聞き出し、供述調書を作成していたはずだ。
そして、信也は、検察官の立証活動(高岡早紀が犯人であること)に役立つことを供述していた。だから、その言葉を、法廷に提出したかった。
検察官は、その供述調書を証拠請求したところ、弁護側が同意しなかったので、その書面を証拠とすることができず、本人を証人に呼んで、供述調書に記録されたのと同様の事実関係を証言して貰うつもりだった。
あるいは、裁判員裁判なので、供述調書を使わず、最初から証人尋問を請求したのかも知れない。
いずれにしろ、どのような事実を語らせるか。は事前に予定されていたハズだ。

出廷した信也は、まず、宣誓書を読み上げて、嘘をつかないという宣誓をした。
通常、証人が宣誓した後に裁判長が、「今、読み上げて貰ったように正直に証言をしてください。宣誓した上で、虚偽の証言をすると、偽証罪に問われることがあります。わかりますか。では、その点に気をつけて証言をしてください。」「はい」「では、検察官、主尋問をどうぞ」という。

ところが、この裁判長は、ちょっと違うことを言った。
「証人は、証人自身、または近親者が刑事訴追を受けるおそれ、または有罪判決を受けるおそれがある事実については、その理由を示して、証言を拒むことができます。わかりましたか。」「はい」「では、検察官、どうぞ」

証人に証言拒絶権があることは、裁判長の仰るとおりで、何も間違っていない。
刑事訴訟法
第百四十六条 何人も、自己が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
第百四十七条 何人も、左に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
一 自己の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は自己とこれらの親族関係があつた者
二 自己の後見人、後見監督人又は保佐人
三 自己を後見人、後見監督人又は保佐人とする者
刑事訴訟規則
(証言の拒絶・法第百四十六条等) 
第百二十二条 証言を拒む者は、これを拒む事由を示さなければならない。 

これらの正当な理由がないのに、証言を拒否すると、制裁や刑罰を受けることがある。理由を述べないと、制裁を受けることがある。
刑事訴訟法
第百六十条 証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第百六十一条 正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
刑事訴訟規則
(証言の拒絶・法第百四十六条等)
第百二十二条 (略) 
2 証言を拒む者がこれを拒む事由を示さないときは、過料その他の制裁を受けることがある旨を告げて、証言を命じなければならない。

このように裁判長は、全く正しい。
そして、これを説明するのは裁判長の責務でもある。
刑事訴訟規則
(証言拒絶権の告知・法第百四十六条等) 
第百二十一条 証人に対しては、尋問前に、自己又は法第百四十七条に規定する者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる旨を告げなければならない。 

ただ、この裁判長は、証言拒否権を説明したものの、偽証罪の説明はしなかった。なんとも珍しい。
否。珍しいどころでは無く、手続き違反である。
刑事訴訟規則
(偽証の警告・法第百五十四条)  
第百二十条 宣誓をさせた証人には、尋問前に、偽証の罰を告げなければならない。
法律監修ミス確定。


ここまでで、録画開始から約8分
はじめのCMを除くと、ドラマが始まって、まだ6分。
なんてこった。
さあ、気合いを入れ直して


検察官(西村雅彦)の主尋問が始まる。
西村「馬越信也さん。①あなたは被害者である馬越憲造さんの只ひとりの弟さんで、同居されていますね
信也「はい」
西村「では事件当日について伺います。
今年の1月13日、事件当日、②あなたは何時頃、自宅に帰ってこられましたか。
信也「それまで福岡に出張に行っていました。でも仕事が早く終わり、1日早く戻って、家に戻ったのは夜8時頃です。」
西村「1日早く戻ってこられて、③玄関から入った。それから、どうされましたか?」
信也「悲鳴を聞いて、それで、声がした方へ、リビングへ走りました。」
西村「そこで、何を見ましたか?」
信也「兄の・・・」
西村「④血まみれで倒れているお兄さんを見た!
信也「はい。」
西村「つまり、そのとき、⑤馬越邸には、あなたと、岩井智子さんの二人しかいなかった。ということですねえ
信也「いや。分かりません」
西村「わからない?」
信也「わからない、というか、断言はできません。外部から人が入ってきた可能性も」
西村「⑥あなたは、憲造氏の遺体を目のアタリにした後、庭を走り去って行く人影のようなものを見た気がする。と警察で言ってますね。
信也「はい」
西村「しかし、⑦見た気がすると、見たとでは雲泥の差があります。一体、どちらなんでしょうか。
信也「・・・」
西村「⑧見た気がするというのは推測であって、あなたは何も見てない。
ヤブハラ「異議あり。裁判長。⑨先入観に基づく断定の強要であります。
裁判長「⑩検察官は、どうですか
西村「⑪いいえ。裁判長。見た気がする。などというのは、曖昧極まりなく、見たか、見てないか。その二者しかあるはずがない。なぜなら、庭には足跡一つ無かった。つまり、外に誰かが逃げた痕跡はないわけであります
ヤブハラ「あの晩は嵐で、足跡は流された可能性を忘れてはなりません」
西村「⑬それこそ先入観だ!
西村「⑭馬越信也さん。あなたが見た気がする。というのは、あなたの先入観ではありませんか?
信也「そ、それは・・・」
西村「では、仮に見たとして、どんな人物か具体的に話してください」
信也「夜で暗く、一瞬のことで、よく思い出せません」
西村「馬越さん。⑮あなた、さっき、真実を述べると宣誓しましたよね。その上で嘘をつけば偽証罪に問われますよ。ハッキリ証言してください。⑯馬越さん。あなたは人影など見なかった。
里矢子「異議あり。誘導尋問です。」
西村:里矢子の異議をてのひらで制止し「⑰お答えできないのであれば、結構。終わります」

これは、大変な証人尋問だ。
西村検事の尋問は、ほぼ全部に、違法の疑いがある。
番号を振ったので、ひとつひとつ検証していこう。

①これは厳密には誘導尋問である。
「はい」「いいえ」で答えられる尋問だからだ。
刑事訴訟規則
(主尋問・法第三百四条等) 
第百九十九条の三 (略)
3 主尋問においては、誘導尋問をしてはならない。ただし、次の場合には、誘導尋問をすることができる。 
一 証人の身分、経歴、交友関係等で、実質的な尋問に入るに先だつて明らかにする必要のある準備的な事項に関するとき。
二 訴訟関係人に争のないことが明らかな事項に関するとき。
主尋問においては、誘導尋問をしてはらならいのだが、この尋問は、ただし書きの一号または二号あるいは双方に該当して、許される誘導尋問だろう。これは違法では無いと言ってよい。

②何時に帰ったか。と聞くのは、外出していたことが前提になっているが、外出していたことは確認されていない。
本来は許されない誤導尋問ってヤツだ。
ただ、彼が外出していたことは、双方に暗黙の了解事項だから、目くじら立てるほどでも無い。

③これも、②とほぼ同じ。

④これは、主尋問で原則禁止の誘導尋問だ。
だが、これも許される可能性がある。
証人に対して、兄の死体を見た。と証言させようという場面だ。弟としては、直接言葉に出したくない気持ちがあって、言葉に詰まってしまったのだろう。
となると
刑事訴訟規則
(主尋問・法第三百四条等) 
第百九十九条の三 (略)
3 主尋問においては、誘導尋問をしてはならない。ただし、次の場合には、誘導尋問をすることができる。
(略)
二 訴訟関係人に争のないことが明らかな事項に関するとき。
五 証人が証言を避けようとする事項に関するとき。
七 その他誘導尋問を必要とする特別の事情があるとき。
二号五号七号のいずれか、または全部により許される可能性が大きい。

⑤これは、完全無欠の誘導尋問で、許されない。
弁護人は、速やかに異議を述べるべきであった。
幸いにして、信也証人は誘導に引っかからず、上手にすり抜けた。
それを、固唾を呑んで見守っていた弁護人2人。
お前ら、無能だな。

原因を究明するには、信也の供述調書には、どのように記載されていたか。信也が、警察や検察の事情聴取に対して、どう説明していたか。が鍵となる。
その供述調書は、弁護人に開示されているはずだから、弁護人は、信也証人が、どのように証言するか、予測できていた。
信也証人が切り抜けると思っていたから、異議を述べなかったのか?
しかし、本来の証言をねじ曲げ、間違えた証言をさせる(姑息な手段が)誘導尋問なのだ。
調書に書かれているとおり信也証人が証言するとは限らない。誘導に引っかかって、間違えた証言をしてしまうかも知れない。だからこそ、禁止されているのだ。
異議を述べなかったのはNGというべきであろう。

⑥これも誘導尋問である。誘導尋問が許される例外にも当たらない。つまり、NGだ。

では、どうすれば良かったのか?
模範解答は?

良い検事「あなたは、憲造氏の死体を見た後、何をしましたか?」
信也「智子さんが、窓の方を指差して、あー!と叫んだのを聞きました」
良い検事「それを聞いて、あなたは、どうしましたか?」
信也「窓の方へ走り庭を見ました」
良い検事「見た結果は、どうでしたか?」
信也「庭を走り去って行く人影のようなものを見た気がします。

このように、大切な部分は、検事が言っちゃダメで、証人に語らせなければならない。

ところで、検事としては、信也に「人影なんか見ていない」と証言して欲しかった。それが、智子犯人説を強固なものにするからだ。

事前の事情聴取で信也が「見たような気がする」と言っていて、法廷でも同じ証言をすると思われたなら、それを言えないように禁止されている誘導尋問を使わずに、証言を誘導するのが、ホンモノのプロだ。

良い検事「その夜の天候はどうでしたか」
信也「嵐でした」
良い検事「雨はどうでしたか」
信也「大雨でした。嵐ですから」
良い検事「大雨とは、具体的に、どういう状態でしたか」
信也「ちょっと説明しにくいのですが。とにかく大雨です」
良い検事「庭の明るさは、どうでしたか」
信也「暗かったです」
良い検事「庭を照らす明かりは、何がありましたか」
信也「庭には照明器具がありません。リビングからの明かりだけです。」
良い検事「リビングの照明は、どうなっていましたか」
信也「普通に明かりが点いていました。」
良い検事「そのような天候、明るさで、庭の視界は、どうでしたか」
信也「良いとは言えませんでした」
良い検事「具体的に言うと?」
信也「庭の状況は分かりにくい状態でした」
良い検事「裁判長。証人の証言を明確化するために、気象庁公表の事件当日の降雨量に関する資料を証人に示して尋問したいので、許可願います。」
刑事訴訟規則
(図面等の利用・法第三百四条等) 
第百九十九条の十二 訴訟関係人は、証人の供述を明確にするため必要があるときは、裁判長の許可を受けて、図面、写真、模型、装置等を利用して尋問することができる。
2 前項の場合には、第百九十九条の十第二項の規定を準用する。
裁判長「許可します」
良い検事=証人に示す予定の書面を裁判官、裁判員、弁護人、書記官に手渡す。
良い検事「これは、事件当日の天候についての資料です。気象庁のホームページからダウンロードしたものです。ほら、ここを見て下さい。「気象庁」「日ごとの値」と書かれたものです。気象庁のものに間違いありませんね。」
信也「はい」
良い検事「今年の1月13日午後8時から9時までの降水量を見て下さい。ここです」
信也「はい」
良い検事「この時間帯の降水量は33mmと記載されていますね。」(注:33mmは、筆者が勝手に作った)
信也「はい、そうですね」
良い検事「では、こちらの資料を見て下さい。「雨の強さと降り方」と題名が付いたものです。同じく気象庁のホームページからからのものです。わかりますね。」
信也「はい」
良い検事「1時間アタリ30mm〜50mmの降水量は、どういう状況か、私が読みますので、一緒に確認して下さい」
信也「はい」
良い検事「1時間アタリ30mm〜50mmの降水量の「雨の強さ」は、「激しい雨」と書かれていますね。」
信也「はい」
良い検事「その右横の「人の受けるイメージ」の蘭には、「バケツをひっくり返したように降る」と書かれていますね。
信也「はい」
良い検事「智子さんが窓を指差し、証人が窓に駆け寄って庭を見た。見た結果は、どうでしたか?
信也が庭を走り去って行く人影のようなものを見た気がします。
良い検事「裁判長、今、証人に示した書面を証人の証言調書に添付をお願いします」
裁判長「分かりました」
良い検事=廷吏または書記官に渡す。

こういう問い詰め方をしても、信也が庭を走り去って行く人影のようなものを見た気がします。」と証言したら、どうだろうか。
裁判官や、裁判員は、信用するだろうか?
それよりも前に「見たような気がします」と証言できるだろうか。それは困難では無かろうか。「人影のようなものは見えませんでした」と答えてしまわないだろうか。
そういう証言を得られれば、検事としては大成功と言うことになる。

ただ、この書面を利用した尋問の中身は、誘導尋問だらけだ。しかし、この書面を利用する場合には、誘導尋問を使わないと、ほぼ不可能だ。
書面の信用性、正確性、その記載内容などは、本来の質問をする前の前提質問だから、誘導が許されると考えて良いのでは無かろうか。


さて、検事が普通に尋問して、信也が「見たような気がします」と証言すると検事が想定していたところ

【問題】検事が「見た結果は、どうでしたか?」と聞いたのに対し、信也が「見たような気がします」と証言をしなかったら、どうしたらよいだろう。
例えば、㋐信也「何も見えませんでした」
逆に、㋑信也「庭を走り去っていく人影を見ました。」

これは、宿題にしておこう。

⑦仮に、信也が「見たような気がする」と「見た」と矛盾する2つの証言したなら、検事が、どっちなんだ。と問い詰めるのは許される。というか、当然の尋問だ。
ところが、信也は「見た」とは証言していない。信也の証言は一つだけだ。
それなのに、「見たような気がする」「見た」のどちらなのか、と問い詰めるのは、NGだ。これは誤導だ。

では、どうすれば良かったのか?
良い検事「見たような気がする。とは具体的にどういう意味ですか?」
信也「嵐でしたから、ハッキリ見えたわけでは無いのですが、人影のようなものを見たような気がするのです」
良い検事「それは庭のどの辺りですか?」
信也「え?」
良い検事「証人から見て、右手の方ですか、左手の方ですか、それとも真ん中ですか?」
信也「良く分かりません」
良い検事「見た気がするなら、見えた方角くらい分かるでしょう」
信也「それが、暗かったので、良く分からないのです」
良い検事「どの位の距離でしたか」
信也「それも、良く分かりません」
良い検事「服装はどうでしたか」
信也「とっさのことだったので、良く分かりません」
良い検事「体の大きさは、どうでしたか」
信也「わかりません」

この位、しつこく聞けば、実は見ていない。と印象づけることができるのでは無かろうか。



⑧「見た気がするというのは推測であって、あなたは何も見てない。」というのは、日本語として間違えているね。
「見た気がする」というのは、信也の「実際の認識」であり、「推測」なんかでは無い。
推測というなら、人がいた。というのが推測だ。それなら日本語として辻褄が合う。
日本語としての誤りの他に、違法でもある。
刑事訴訟規則
(証人尋問の方法・法第三百四条等) 
第百九十九条の十三 (略)
2 訴訟関係人は、次に掲げる尋問をしてはならない。ただし、第二号から第四号までの尋問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
一 威嚇的又は侮辱的な尋問
威嚇的尋問に該当する。
あるいは、この断定口調は、誤導尋問にもあたる。

今までも異議をいう機会は沢山あったが、ようやくヤブハラ弁護人が異議を言ったね。
異議の理由は「先入観に基づく断定の強要であります。」だが、これで良いのか?
刑事訴訟規則
(異議申立の方式、時期・法第三百九条) 
第二百五条の二 異議の申立は、個々の行為、処分又は決定ごとに、簡潔にその理由を示して、直ちにしなければならない。
(異議申立の事由・法第三百九条) 
第二百五条 法第三百九条第一項の異議の申立は、法令の違反があること又は相当でないことを理由としてこれをすることができる。但し、証拠調に関する決定に対しては、相当でないことを理由としてこれをすることはできない。 
2 法第三百九条第二項の異議の申立は、法令の違反があることを理由とする場合に限りこれをすることができる。
ここに言う「理由」とは、なんでも良いわけではなく「法律違反」でなければならない。
ヤブハラの言った理由は、法律的な理由になっているのか。
「威嚇的な尋問です」「誤導尋問です」などと言うべきであった。

なお、ここで「先入観に基づく」と言ったが、何が、どういう先入観で、それでどういう強要になっているのか、裁判長を含め、他の裁判官、裁判員は、何も分からない。
ドラマを検証しているボクにも、実はよく分からない。

そんな意味の分からない尋問は、違法かどうかは別として、テクニック的にNGだ。
裁判官や裁判員にも、意味が分からないからだ。

おそらくは、西村検事は、真犯人は智子であり、外部からの侵入者など存在しない。と決めつけて裁判に臨んでいる。
「庭に人は居ない」というのが西村検事の先入観ということだろう。
そして、断定の強要というのは、⑧の発言が、尋問になっていないで、意見を押しつけている。という意味だろう。

⑩異議を言われたら、裁判長は、それに判断しなければならない。
刑事訴訟規則
(異議申立に対する決定の時期・法第三百九条) 
第二百五条の三 異議の申立については、遅滞なく決定をしなければならない。
決定する前に、検察官の意見を聞かなければならない。という規定はないが、聞いてはならない。という規定もないので、検察官に意見を聞くのは違法では無い。

とくに今回のヤブハラ弁護人の異議は、何が先入観なのか、意味不明だったから、検察官に聞いてみたのは、良いアイデアだったかもしれない。

⑪裁判長から、異議に対する意見を求められた検察官としては、トンチンカンな回答だ。検事は
先入観に基づくものか。
断定の強要か。
について、説明しなければならないのだ。
しかし、全く的外れな説明をしている。

確かに事実としては、見たか、見なかったかの二者択一であることは、西村検事の言うとおりである。しかし、事実では無く、信也の認識としてならば、見たような気がする。という曖昧極まりない中途半端な証言もありうるし、間違いとは言えない。
それを、「見たような気がする」という証言はありえないのだ。と裁判長に説明しても、異議に対する説明とはなっていない。

桃山法学「偽証罪の規範的解釈について」江藤隆之
注(37) ここで尋問者が「あなたがどう記憶しているのかを尋ねているのではありません。あなたの記憶如何にかかわらず,客観的事実を述べてください」と要求することは不可能であることは論を俟たない。証人の供述は,証人の知覚と記憶と言語を通じて表現されるほかないのであるから。

⑫「なぜなら」
なにがなぜならなのか、これも日本語として正しくない。
足跡一つ無かったことは、庭に人が居なかったことを推測させる傍証の一つに過ぎない。
西村検事が求めている「信也は庭に誰も見ていない」という結論を導く「なぜなら」であって、曖昧な証言が許されない理由では無い。

庭には足跡一つ無かった。つまり、外に誰かが逃げた痕跡はないわけであります
庭に足跡は一つも無かった。これは、現場検証に基づく真実だろう。
しかし「誰かが逃げた痕跡が無い事実」と「誰かが逃げたことが無い事実」とはイコールではない。
こんなことは西村検事だって分かっていたはずだ。
裁判官や、裁判員をだませるはずも無い。

ただ、念のため、ヤブハラ弁護人は、嵐に、大雨に足跡が流された可能性を指摘した。

それに対して、西村検事が怒って
それこそ先入観だ!」と怒鳴った。
なにが先入観なのか、良く分からない。

事件の夜は嵐で、庭の足跡は流された可能性がある。
つまり、証明されていない「庭に足跡があった」ことを前提としているから、流された可能性に言及したから、目くじらを立てているんだね。
西村検事にとっては、庭には誰も居なかった。足跡も無かった。というのが都合が良いわけだから。

この先入観論争は、小学生の喧嘩みたいなもので、あまりにも低レベルだ。そして、ドラマ進行に、なんの役にも立っていない。検事と弁護人の仲が悪い。と言うことだけが残った。

馬越信也さん。あなたが見た気がする。というのは、あなたの先入観ではありませんか?

今度は、信也証人に対して、先入観論争を仕掛けてきた。
内容に入る前に、裁判長が、ヤブハラ弁護人の異議に対して判断していないことを確認しておこう。
(再掲)
刑事訴訟規則
(異議申立に対する決定の時期・法第三百九条) 
第二百五条の三 異議の申立については、遅滞なく決定をしなければならない。
これに違反している。
裁判長の法律違反という珍しい場面に遭遇することができた我々はラッキーと言えようか。

西村検事が、信也に対して、人が逃げていく人影のようなものを見たような気がする。と証言したのは「先入観に基づくものではないか」と尋問した。
これは、裁判官、裁判員にとっては、かなり、唐突だったのでは無かろうか。

西村検事は、事件記録の全部に目を通しているから、智子が庭を指差し、人がいることを示唆したから、信也が庭に面した窓に駆け寄ったことを知っていた。
だから、信也が、智子から窓の向こうに人が居る、という情報(先入観)を持って庭を見た。と知っている。
だから、智子から与えられた情報を元に、先入観を持って、庭に人が居たと思ってしまったんでは無いか。と信也に問いかけたのだった。
もちろん、それをヤブハラ弁護人も知っている。
ところが、裁判長を含め、他の裁判官、裁判員は、そんなこと知らない。意味不明で、アタマの上に「吹きだし」で「???」と出ていたはずだ。

これは、シナリオライターも知っている事実で、当然のことと思い込んで、シナリオを書いたのだろうが、まだ、裁判官、裁判員が知らない、という観点を忘れてしまっていたのだろう。法律監修者は、そういう点を訂正してあげなければならない。

⑮裁判長が言い忘れていた偽証罪の忠告を西村検事さんが、カバーして下さった。
本件では、そういう形になっているが、通常の裁判では裁判長は偽証罪の告知を忘れることは無い。
しっかりと、証人に伝わっている。

そういう通常の裁判を想定して、西村検事の発言はどうだろうか?
あなた、本当のこと言わないとイケないよ。さっき嘘を言わないと宣誓したでしょ。裁判長も言ってた様に、宣誓した上で嘘の証言をすると偽証罪になるよ。だから、本当ことを言いなさい。
なんて優しくて親切な検事さんなんだろう。
言っている内容も全く正しいし、文句の付けようも無い。
・・・・
のかなあ?

検事は、証人が嘘をついている。という前提で、嘘を撤回して、真実を述べなさい。と言っている訳だ。
もう少し具体的に言うと、「人影を見たような気がする」という証言を撤回して「人影は見なかった」に変えなさい。と言っているのだ。
仮に「人影を見たような気がする」が真実だった場合、真実の証言を撤回して、嘘の証言をしなさい。と言っていることになる。
そんなこと言わせて良いの?
これは、誤導尋問、または、威嚇的な尋問じゃないかな。

⑯これは、完璧な誘導尋問。許される余地は無い。

⑰西村検事が勝手に尋問を打ち切っちゃったけど、異議が出たら、裁判長は直ちに判断しなければ行けないの。もう条文は確認したよね。念のため再掲。
刑事訴訟規則
(異議申立に対する決定の時期・法第三百九条) 
第二百五条の三 異議の申立については、遅滞なく決定をしなければならない。 

もし、異議に理由があると認める場合には、異議申立に応じた行動を命ずる決定をする。
(異議申立が理由のある場合の決定・法第三百九条)
第二百五条の六 異議の申立を理由があると認めるときは、異議を申し立てられた行為の中止、撤回、取消又は変更を命ずる等その申立に対応する決定をしなければならない。
この場合、異議に理由がある。理由があると認めたときは、尋問の撤回を命ずるところだろう。
ところが、西村検事が、自主的に尋問を中止してしまった。
じゃ、問題ないんじゃね。
いやいや、問題なんだよ。
尋問が残り、証人が答えられなかった事実も残ってしまったのだから。


ふーーーーーー!
ようやく、あの短い証人尋問の検証が終わったよ。

一応、総括しておくと、検察側の証人なのに、検事の思いに沿った証言をしなかった。
明らかに検事の準備不足だ。
「庭に人影を見たような気がする」と言い張る証人ならば、検事は呼ばない方が良かった。
逆に、弁護側が呼びたいほどだ。



裁判長「では、弁護人、どうぞ」


西村検事の主尋問が終わって、ヤブハラ弁護人の反対尋問が始まる。
ここまでで、ドラマ開始から10分弱。
よーし、後半スピードアップして行くぞ。

とりあえず、ここで前半区切りとして確定アップ。


後半冒頭で、問題の「証言拒否」が炸裂するよ。





次の法律監修

次に狙いを付けているのは、
無敵の法律事務所!
弁護の鉄人 橘明日香
7月11日(木)22:00−
ファミリー劇場チャンネル

沢口靖子演じる弁護士が、どんな法律違反を犯すのか。
興味ある人は、見ておくか、録画しておくように。


今日は厳密には刑事弁護じゃないんだけどね。

佐賀で有名な和菓子店の店主が殺された。

葬式が終わって数日後、
店主の息子2名や、店の関係者が集合した。
店主の自筆遺言書を預かっていた顧問弁護士が、その内容を披露するためだ。

「遺言書」と書かれた白い封筒。
封筒は糊付けされ閉じられていた。

衆目が見つめる中、ハサミで封筒を開ける顧問弁護士。

ちょっと待った!

民法
遺言書の検認)
第1004条
 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

自筆遺言書だから、2項は無関係。
封印があるか否かは、ドラマに映った封筒からは確認できなかった。3項違反があるかは、特定できない。
でも、弁護したるもの、封印があろうとなかろうと、自筆遺言書を預かっていたら、家庭裁判所の検認手続きを踏むのが常識ってもんだろう。

封書を開け、中身を読み上げる顧問弁護士。
「14代目清甘堂当主として、長男堀内匠を任命する。遺言者の所有する同社の資産を全て長男匠に定める。遺言者堀内隆右衛門」
どうぞ、ご確認ください。

なんじゃこりゃ!

これが遺言書か?
自筆遺言書の要件が充足されてないじゃないか。
とにかく日付がない。
これは弁護士が読み落としたのではない。
数日後、法律事務所を訪ねた素人探偵が「遺言書はいつ書かれたのですか」と聞いたとき、チョット待って下さいね。と言って、記録を取りだし、確認してから、弁護士は作成日を答えたのである。
遺言書に書かれていなかった証拠である。

その上、遺言書の中身が、日本語として滅茶苦茶だ。

まず、清甘堂は、法人なのか?
法人だとしたら、当主とは、代表取締役のことか。
代表取締役は、遺言書で決まるものでは無く、取締役会で決まるものだ。

「遺言者の所有する同社の資産」というのは、何を意味するのか。
同社とは、清甘堂のことなのか?
遺言者の所有する資産は、遺言者の資産であって、
清甘堂の資産は、遺言者の資産ではない。


こんな遺言書を読み上げて、どうぞご確認ください。と堂々と言える弁護士は、面の皮が相当に分厚いのであろう。
ボクだったら、あれ?この遺言書は無効ですね。
みなさん、どうなさいます?と聞くところだ。

この顧問弁護士、面の皮が厚くて当然。
和菓子連続殺人で3人を殺した犯人だったのだから。




月曜ミステリー劇場@TBSより

野際陽子が弁護士を演じる。
コメディと思った方が良いので、法律監修も手抜きで。


ある65歳の不動産会社社長が、深夜、ひとり住まいの自宅で、ナイフで腹部を刺され殺害される事件が発生。

同夜、近所の公園のトイレで、手に付いた血を洗い流している若い女性が目撃された。
彼女が殺人事件の犯人なのか?
目撃者と女性は同じマンションに住む顔見知りで、被害者はマンションのオーナーだった。直ぐに女性の身元が割れた。
彼女が出したゴミの中から、血の付いたナイフが発見され、殺人容疑で逮捕された。


場面転換。
ペーパードライバーである野際陽子は、自動車教習所のペーパードライバー用講習を受講し、教習所内を運転していたが、その運転技術は惨憺たるものだった。

対向車に衝突しそうになり、それを回避して路側帯に大きく乗り上げてしまった野際陽子。
運転技術を反省するどころか、怒る教官に対して、逆ギレしないように自分を制御するのに精一杯。
落ち着くために甘納豆を食べる。
その態度にブチ切れた教官は車を降りてしまい、野際陽子も堪忍袋の緒が切れた。

野際「あー。職務放棄だ。」と車を降りて教官を追う。
野際「私にとっては重大な契約違反。民法415条債務不履行に相当する。」
教官「何言ってんだ。ばばあ」
野際「ちょ。ばばあって言ったね、今。ばばあ。って言ったな。(怒鳴るような大声で)刑法231条。公然と人を侮辱した罪。30日未満の身柄拘束。1万円以下の罰金。」
あっけにとられる教官。

いくら弁護士が法律馬鹿と言っても、日常会話で、こんなに条文を並べないよ。
「重大な債務不履行」と言ったら、「民法415条」を持ち出すのは、ただの重複だし、そこまで言うなら、「415条債務不履行」の効果として「解除、損害賠償」まで言わないと一貫しない。
もっと問題なのは、刑法231条ね。侮辱罪。
事件現場は、教習所内とはいえ、そこに居たのは野際と教官の2人だけ。「公然性」の要件を欠いているよね。
さらに、身柄拘束って拘留のことなんだけど、どうして、ここだけ法律用語じゃなくて、日常用語になるの?
さらに、1万円以下は罰金じゃなくて科料だからね。

まあ、このドラマはコメディだから。。。

野際陽子は、夫と法律事務所を持っていたが、夫が他界し、自分は引退。娘の森口博子が弁護士になり、事務所を経営している。
ちなみに、森口の夫役で、兼事務所の事務員、司法試験受験中なのが、沢村一樹。DOCTORSのコンビは、すでに、ここで出来上がっていたんだね。

そんな野際のトコロに、殺人事件の依頼が来る。
森口は、もう引退したからと断って良いか。教習所に居る野際に電話で確認する。
引退したと言っても弁護士登録はしていたんだろう。

もう引退したんだから悠々自適に暮らすの。
断って良いわよ。と答える野際。
森口(沢村に向かって)「警察から来た水村早苗っていうひとの事件、断って良いって」
沢村「了解」
野際「ちょっと待って。今、水村早苗って言った?」

水村早苗は、20年前、野際が担当した殺人事件の被害者の娘だった。
野際の弁護で、被告人は無罪となった。
娘にしてみれば、敵討ちを阻止された憎い相手だ。

野際は接見に行った。
接見室に行ったら、気になるのは、空気穴(?)だよね。
イメージ 1


デジカメ壊れているから、PCのカメラで撮影。
ピンぼけご容赦。
アクリル板1枚。穴が適度に空いているだけ。
はい、失格。

この時点では、20年前の事件が、どのようにして無罪になったのかは明らかにされていない。

二人の関係は
母を殺した殺人犯を無罪にした弁護人
母を殺された被害者の娘
当然、娘は弁護人を恨んでいる。
弁護人は、娘に負い目を感じている。

この関係性から高飛車に出る娘(本件の被疑者)
娘「私を無罪にして。私は、あの大家を殺してない」
野際「あなた、アリバイを言ってないそうね」
娘「いいでしょ。アリバイなんて。言いたくないんだから」
「どうでもいいから、あたしの無実を証明すれば良いの。そのために、あんた呼んだんだから。本当の人殺しだって無罪にしちゃう。スゴい実績に惹かれてね」


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