マンションには管理組合、管理規約が存在するのが一般的であるが、区分所有法上は、絶対必要というものでは無い。
(区分所有者の団体)
第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
このように「しなければならない」ではなく「できる」と規定されている。
ただ、管理規約を作った場合には、保管方法などが定められている。
第三十三条 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。
3 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
区分所有法には「規約の原本」という概念はない。
ただし、国土交通省が出している管理規約モデルには「規約の原本」が出てくる。
(規約原本等)
第77条 この規約を証するため、区分所有者全員が記名押印した規約を1通作成し、これを規約原本とする。2 規約原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、規約原本の閲覧をさせなければならない。
3 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名押印した上で、この書面を保管する。
4 区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、理事長は、規約原本、規約変更を決議した総会の議事録及び現に有効な規約の内容を記載した書面(以下「規約原本等」という。)並びに現に有効な第18条に基づく使用細則及び第75条に基づく細則その他の細則の内容を記載した書面(以下「使用細則等」という。)の閲覧をさせなければならない。
5 第2項及び前項の場合において、理事長は、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
6 理事長は、所定の掲示場所に、規約原本等及び使用細則等の保管場所を掲示しなければならない。
規約を作ったら、区分所有者全員が記名押印した規約を1通作成し、これを規約原本とする。 とある。
区分所有者全員が記名押印した規約原本を作成しなければならないのである。
さらには、理事長がこれを保管し、保管している場所を掲示しなければならない。
実は、これと同様の条文が、我がマンションの管理規約にも存在する。
理事長であるボクは、原本を保管し、保管場所を掲示しなければならない職務を負っている。
ところが、新築当初から居住している人に聞いても、全員が記名押印した規約原本を作成した事実がない。
つまり、原本を作成した事実がない。
これでは、理事長は、原本を保管し、保管場所を掲示する職務を遂行することが不可能である。
では、どうするか?
実は、管理規約を印刷した冊子が、残り1部となっている。新しい区分所有者には、コピーを渡して対応している状況にある。
他方、規約自体も古くなっているので、改正が必要な箇所もいくつかある。
管理組合集会を開催し、規約を改正し(新規約を制定し?)、新しく冊子を印刷することを検討中だ。
その場合、新しい規約に、区分所有者全員が記名押印して原本を作成するのが、正しそうだ。
ところが、規約改正は多数決(特別多数決)なので、改正に反対する人もいることを想定しなければならない。
改正に反対した人が、素直に、記名押印に応じてくれるだろうか?それは困難だろう。
全員の記名押印による原本の作成は、区分所有法が要求するものではなく、国土交通省の規約モデルが示しているものに過ぎない。
改正にあたって、この条文を削除、または、反対した人の記名押印は不要とする改正をするかなあ。
明日、国土交通省に電話して、聞いてみようかな。