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民事訴訟をすると、裁判所に様々な書面を提出することになります。
以下は、原告1名、被告1名の単純形を想定します。
あなたが、訴訟の原告である場合
まず、裁判を始めるときに最初に出す書面は
訴状です。
訴状は、裁判所に対し
①こういう事件があるから、
②被告に対して、
③こういう判決を出して下さい。
と訴訟の3大要素を記載して、裁判の開始を求める重要な書面です。
民事訴訟法
(訴え提起の方式)
第百三十三条 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 当事者及び法定代理人
二 請求の趣旨及び原因
上記の①が二号の請求の原因
②が、一号の当事者
③が、二号の請求の趣旨
にそれぞれ該当します。
法定代理人は、当事者が未成年であったり、被後見人の場合は必要ですが、通常の大人が訴訟をする場合には(そもそも法定代理人は居ないし)記載する必要はありません。
法人が当事者の場合には、代表者代表取締役の氏名を書きます。
そして、第1項にあるように、訴状は、もちろん、裁判所に提出しなければなりません。
そして、訴状は、被告にも渡されなければなりません。
あなたに対して、こういう裁判が始まりますよ。と知らせなければならないからです。
訴状は、とっても大切な書面なので、裁判所に2通提出します。
1通は、裁判所でファイルに綴じ込まれます。
もう1通は、裁判所が被告に送ります。これを「送達」と言います。
民事訴訟法
(訴状の送達)
第百三十八条 訴状は、被告に送達しなければならない。
裁判所が送達しなければならないと言うことは、原告が被告に勝手に送ってはならない。という意味でもあります。
裁判関係書類は訴状以外にも各種の書面があります。
(被告の場合)答弁書
準備書面
証拠書面(写し)
証拠説明書
証人調べ請求書
書類受領書
期日請け書
送達場所届け
などなど・・・・・
上記の内、期日請け書は、裁判所にだけ提出すればよく、相手方(被告)に届ける必要はありません。
その他の書面は、ほとんど、裁判所に提出するだけでなく、相手方(被告)にも、届ける必要があります。
昔は、全ての書面は裁判所に2通提出し、裁判所から相手方に「書面が提出されたから撮りに来い」と電話があって、弁護士が(事務員が)「副本」を取りに行ったものでした。
(裁判所用の書面を「正本」、相手方用を「副本」といい、2通に、それぞれ「正本」「副本」と記載して提出する。そのための「正本」「副本」というゴム印も売られている)
その際、確かに受け取った。という手続き上の確認のために、副本を受領した当事者は「正本」の1ページ目に「副本受領」と書き、弁護士の職員を押すのが習慣でした。
副本領収の文字は省略して、押印またはサインだけで済ますこともありました。
丁寧な弁護士は、2通提出する際に、正本の1ページ目に、あらかじめ「副本領収」を記入しました。(そのための「副本領収」というゴム印も売られていた。)
このような超アナログな書類提出方法が大改正されたのが、平成10年の民事訴訟法改正です。
約70年ぶりの大改正で、沢山の改正箇所がありますが、今日は、書面の提出方法に限定します。
書面の提出方法の改革は、大きく2つ。
訴状(他に少々)以外の書面は
①FAXで提出可能
②副本は裁判所に提出せずに、当事者に直送
(原告から被告に直接送る。FAX可能)
民訴規則
(書類の送付)
第四十七条 直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。(2項以下略)
(準備書面の直送)
第八十三条 当事者は、準備書面について、第七十九条(準備書面)第一項の期間をおいて、直送をしなければならない。
当事者に直送することの影響で、
正本の1ページ目に「副本領収」と押印することに代わり、直送を受けた当事者が、裁判所と相手方当事者に、受領書を送付する(FAX可能)こととなりました。
同条
2 前項の規定による準備書面の直送を受けた相手方は、当該準備書面を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。
裁判期日で、書面を提出する場合には、正本を裁判所に提出し、副本を相手方に渡して、相手方が正本に副本領収押印する取扱も残っています。
また、直送することとも関係しますが、書面の送達場所を届け出ることになりました。
民事訴訟法
(送達場所等の届出)
第百四条 当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を受訴裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
2 前項前段の規定による届出があった場合には、送達は、前条の規定にかかわらず、その届出に係る場所においてする。
民事訴訟規則
(送達場所等の届出の方式・法第百四条)
第四十一条 送達を受けるべき場所の届出及び送達受取人の届出は、書面でしなければならない。
2 前項の届出は、できる限り、訴状、答弁書又は支払督促に対する督促異議の申立書に記載してしなければならない。
3 送達を受けるべき場所を届け出る書面には、届出場所が就業場所であることその他の当事者、法定代理人又は訴訟代理人と届出場所との関係を明らかにする事項を記載しなければならない。
(送達場所等の変更の届出・法第百四条)
第四十二条 当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所として届け出た場所又は送達受取人として届け出た者を変更する届出をすることができる。
2 前条(送達場所等の届出の方式)第一項及び第三項の規定は、前項に規定する変更の届出について準用する。
ここで摩訶不思議なのは、送達場所の届出先が受訴裁判所なのです。
裁判所には、送達場所を届出なさい。そうしないと、裁判所が困るでしょ。
ところが、相手方に届け出る規定がない。
相手方は、書面を直送しなければならないのに、その宛先を教えて貰えない。そんな馬鹿な。何か間違えている。条文を見落としているのではないか。
ところが、これが、見落としではないらしいのです。
先日、ある民事事件で、相手方(被告)から裁判所に送達場所の変更届が出されました。これは、裁判所が教えてくれました。
新しい送達先を教えて下さい。と聞くと、ダメです。教えられません。と断るのです。
では、記録の閲覧をすれば見ることが出来ますか?と聞くと、そうですね。記録の閲覧申請をしてください。といけしゃあしゃあと言うのです。
これイジメですか。
パワハラですか。
嫌がらせですか。
なんの意味があるのでしょう。
これは、法の不備、法の欠缺でしょうか。
それとも、ボクがなにか勘違いしているのでしょうか。
裁判で判決がでました。
判決には、当事者の(当然、被告も)住所が記載されます。
判決書には、被告の住民票上の住所が記載されていました。被告が現在寝泊まりしているはずの「居所」の記載はありませんでした。
裁判が始まる前から判決まで一貫して、被告が住民票の住所に寝泊まりした事実は一切無く、裁判所もそれを熟知しているにも関わらず。です。
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