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師との対話そのいち


心身症は個性化の過程において
イニシエーションである。
人間は兎角その症状だけに目を向けやすい。
個性化は人間の基本的な欲求である。
だが症状によって社会的に本人に不利益がないよう生きるには癒しが必要となる。

では癒しは誰が与えうるか。
精神科医、そうかもしれない。
カウンセラー、そうかもしれないし宗教家かもしれない。
ひょっとすると
側にいる貴方かもしれない。
癒しに資格は必要ない。

癒しとは、
いつも<傷>と<傷>とが
出会ったところに起きる。
(中略)
癒す神はそれ自身傷つく神でもあることになる。
(『ユング派の心理療法河合隼雄編』)

私達は<傷>を持ちながら
それを癒していかねば生きていけない。
「神ありの時代に神なしで生きる」(前出)には迷信や免罪符など意味がなくただひたすらに
自らの内なる神を信じてかつ
自我を肥大させることなく
<傷>と関わっていく他ない。

完全な人間がいないように
<傷>のない人間など稀有である。古代より心理機能を果たしてきたシステムが崩壊していく今、
復古主義的態度ではもはや対応できない。

昨今の事件をみてそう感じる。



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