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美咲は24歳の女の子。外資系飲料メーカーに勤めているが、英語が苦手。半年前、米国本社からアメリカ人がやってきた。上司のリンダ、仕事の要求が厳しい(demanding)。でもオレゴン州出身のさわやかマイクには一目惚れ。何とかアプローチしたい。
<Misaki,wake up! Have you come up with a good idea?>(美咲、起きなきゃ!もう名案、思いついた?)―――見習い中の天使アンジェラが、今朝も起こしてくれた。恋しいマイクとの共同プロジェクトに何とか参加できた。だがピンチだ。いい企画が浮かばない。
美咲には手強いライバルがいる。帰国子女のエリ。バイリンガルで仕事も恋も積極的…。
そんな美咲に、助っ人が現われた。天使のアンジェラ。美咲以外の人間には見えない。英語でも仕事でも恋でも、美咲を助けてくれる。
<I didn’t mean to put pressure on you. I just wanted to remind you of the deadline.>(プレッシャーをかけるつもりじゃないんだけど、締め切りを忘れないでほしいの)。
―――「分かってるわ。だからこのデータ整理、急いでるの…。あー!データが消えちゃった」<The data is gone!>―――。
実は火山、最近素晴らしい本を手に入れた。この9月までNHKテレビで「ハートで感じる英文法」を担当していた大西泰斗さんの「英文法をこわす」(NHKブックス)。<壊す>のは「英文法」ではなく<学校英文法>…。学校文法には多くの欠陥がある。代わって「ネイティブの持つ生き生きした<語感>を身に付けよう」というもの。<ハートで感じる>と一緒だ。火山、飛びついて買った。
さて<恋のバトル>は<ハートで勝負>―――。美咲の相手は恋しいマイク。ネイティブのハートに響く英語じゃないと…。ライバルのエリは帰国子女。バッチリだろう。エリに負けるわけにいかない。火山も英語に強くなりたい。
今日登場の英文。たった三つ。でもハートの勝負が入っている。まず<Misaki,wake up! Have you come up with a good idea?>です。
大西先生の提案は<感覚の文法>…。分かりやすくいうと<イメージ(Image)で捉える英文法>。上の英文でいうと<現在完了>が問題。
現在完了は<学校文法>では<完了・経験・継続・結果>と<4分類>される。だがネイティブの<実感>は<分類>では捉えきれない。例えば<they’ve just painted the bench,so be careful!>(ペンキ塗り立て!だから気をつけて!)だ。「塗ったばかり」(完了)と「ペンキが乾いていない。気をつけて…」(結果)のどちらも感じられる。決して機械的に分類できない。
大西先生の<現在完了>のイメージは<運動>にあるという。<ZOOM UP(ズームアップ)>のイメージ。このズームアップ運動が英語を生き生きさせる。
<Have you come up with a good idea?>(良い企画、考え付いた?)―――<ねえ、大丈夫?>と、グーンと迫ってくる。<The data is gone!>…(大変、データが消えた)。<ZOOM UP>効果です。
大西先生、<過去形>は「遠くに見える過去」と定義する。<距離感>がある。
<Where did I park my car?>(どこにクルマ、とめたかな)というアッサリした感じ。
でも<Where have I parked my car?>と現在完了になると、「(さっき)どこへとめたっけ」という<戸惑い>が出てくる。<ZOOM UP>効果…。
大西先生、現在完了の<命>は「遠くに見える過去形」と(生き生きと)「包まれた感触の現在形」の間隙を埋める<遠近>運動と定義する。
<さっき>とめた。でも<今>見つからない。この二つを結び、<ZOOM UP>している。
天使のアンジェラは美咲の味方。積極的なエリに負けないよう美咲を案じてくれる。<良い企画を考えて…>と<ZOOM UP>―――。
ところで<距離感>のある<過去形>は<丁寧表現>にもなる。<I didn’t mean to put pressure on you. I just wanted to remind you of the deadline.>の<didn’t mean>と< just wanted>は過去形。<遠慮><気配り>のワンクッションで<距離>を置いている。<現在形>で迫られたら息苦しい。
この感触が分かったら<ハートで感じる>英文法になる。
そこで<現在形>です。なんとエリは美咲からチョコを奪い取り、さわやか青年のマイクに届けた。アンジェラが囁いた。<I think she’s jealous.>…<is jealous>は<包まれた感触>の現在形。まさに生々しい<嫉妬>―――「恋のバトルは燃え上がる」だ!!!
この生きた<語感>が「英文法をこわす」(NHKブックス)です。大西先生、いい線、行ってる。この本、お勧めです。<920円>…。火山、麦飯(貧乏)ですが、買いました。
新連載<英会話「恋のバトルは燃え上がる」>シリーズ。NHKの「1日まるごと英語で話そう」です。前回までの<投稿>は<英語の独習>にあります。併せてご覧ください。なお毎日、投稿予定です。また<翻訳>は火山の独断。テキストとは一致していません。わざと変えました。でも誤訳はないはず。
<恋のバトル>は燃え上がる><ハートで感じる英文法>は<連載>。火山の書庫「英語の独習」にあります。
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