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8月8日になっても<日経>の<興奮>は冷めないらしい。コラム<春秋>と<社説>で取り上げた。長野県民の<意外>な<選択>に<唖然>としたのは火山だけではない。火山ブログにも予想以上の<反応>が寄せられた。<良識派>は確実に存在する。
日経<社説>―――。「新知事になる村井氏は自民、公明の県レベルでの推薦と県内団体の支援を基盤に<反田中票>を幅広く集めた。出馬表明が遅れた点を考えれば予想以上の得票といえるが、県民は県庁を頂点とした政官業一体の翼賛体制と批判された<田中以前>への回帰を求めたわけではない」。「支援を受けた議員や業界団体に配慮し、公共事業のバラマキや談合復活を容認すれば、それは県政の改悪である。県民は県政を監視する手を緩めてはならない」と指摘している。ズバリだ。<村井>県政への<懸念>は的中している。
「戦後の長野県政は、40年余、県庁OBの知事による官僚支配体制が続いた。2000年の田中氏の初当選は、そうした体制の打破への期待があった」とは8月7日の読売<社説>だ。
<ミスター円>=元財務省<高官>の<榊原英資>は「分権国家への決断」(毎日新聞社・2002年11月発行)で、長野県<田中>当選の意味を書いている。
「県議会、多くの市町村長等に代表される旧秩序に対して、県民がノーと言った」(12頁)
「『土建国家』的地方利益論は、明治以来の日本の政治の中心的イデオロギーであり、少なくとも1970年代までは、そこそこ成功してきたパラダイム」(12頁)―――。
だが「長野県知事選が象徴的な意味で重要なのは長野県民、そしておそらく日本国民が実感としてこのこと(ゼネコンへの利益誘導)に気づき出したことだろう。地方政治家、県庁、建設会社の間に見られる政官業の複合体は腐食し、汚職事件が相次いでいる」(20頁)。
<政官業癒着>による<ゼネコンへの利益誘導>は長野オリンピックで頂点に達した。
<最悪は長野県>―――。7月6日、総務省が発表した自治体の「財政健全度」の指標だ。47都道府県の<隠れ借金>など試算した結果。<収入>に対する<借金の負担割合>は長野県が最悪。<20.1%>もあり、もっとも健全な<神奈川県>の<9.7%>の2倍以上。
こうなったのは<過大>な<公共事業費>。極端な<ゼネコン優遇>が<諸悪>の根源。
滋賀県の現職知事で7月2日に破れた<国松善次>はこの典型。借金が<9000億円>になり、財政的に<破綻>しているのに<利益誘導>で<県政>に<権勢>を振るってきた。<自民・公明・民主>推薦と<オール与党化>したほどの権勢。知事も与党化した県議も県の<借金>を増やして<当選>をかちとってきた。税金を<クイモノ>にしてきたのだ。
岐阜県はこれを<拒否>した。だが今回、長野県民は「田中県政は<独断>」との悪宣伝にマンマと乗せられ<利益誘導><バラマキ>型の復活を許した。何たる<愚かさ>!
村井仁は<郵政民営化法案>に<反対>した衆院議員。<特定郵便局長会>など利権団体とつながりがある。「村井陣営が<反田中>を旗印に旧来型の組織を結集し、集票マシンを回転させたことが勝因だ。村井氏には約五百の団体から推薦状が寄せられた」―――。長野県民は騙されたのだ。火山は本当に悔しい。地団太踏んでいる。
「知事選の最大の争点は6年近くにわたる田中県政の評価と政治手法だった。功罪が相半ばしたというのが実感である。最大の功績は『脱ダム宣言』を契機に公共事業に大ナタをふるい、長野五輪の開催で悪化していた県財政を好転させたことだろう。入札制度による談合の排除、県職員の創意工夫を引き出した『ゼロ予算事業』など田中知事が打ち出し、全国に広がった施策が少なくない。一方、地域活性化では目立った実績は上げられなかった。様々な経済指標を見ても県経済の地盤沈下は明らか」。今朝8日の日経<社説>。
「社説」のタイトルは「田中離れ招いた地域経済の地盤沈下」。村井県政は「公共事業や産業振興策などで一定の財政支出が必要と主張、経済の活性化を訴える」というもの。古いバラマキと何も変らない。だが「公共事業で景気は良くならない」のは今や常識。小泉改革は公共事業を半減。それでも景気は<自力>回復。<いざなぎ景気>を越える勢いだ。
「『土建国家』建設の強力なリーダーは田中角栄のほかならない。1955年から1970年代のかけてのいわゆる高度成長のプロセスの中で農業人口は1560万人(1955年、総就業者の38%)から669万人(1975年、総就業者の12.5%)へ急落するが、それに反比例して建設業の雇用は1955年の195万人から479万人に増大する。いわゆる列島改造計画とそれに関連する制度の確立(道路整備特別会計等の設立、道路公団等の特殊法人の新設」(榊原・116頁)―――。田中角栄が残した<負の遺産>こそ国と地方の借金。<1061兆円>だ。
バラマキ<仮需要>でゼネコン人口は<2.45倍>に急増した。ムダな<企業・雇用>です。しっかり認識して欲しい。これこそ<土建国家>的<地方利益>論の<正体>なのです。
「田中県政の功罪が相半ば」というのは日経がおかしい。それなら村井県政は<罪々>にしかならない。日本一の<借金王>を豪語した<小渕政権>が一体、何を残したか―――。
昨7日の読売<社説>。「厳しい財政事情の下で、福祉や地域経済など住民が求める政策の立案、実施には議会や市長村との調整を通じた住民との対話が欠かせない。人気取りの過剰なパフォーマンス政治で、今日の地方の課題に対処することはできない。田中氏の敗北は、有権者が求めているのは、課題に対処する行政能力、実行力であることを示している。村上氏への期待もそこにある」という。火山は村上氏はすぐ<馬脚>を露すと思う。
(平成18年8月8日)
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