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7月21日(金)朝、張り切って家を出た。<東京ビッグサイト>で「日本経済新聞社」の<個人投資家>向けの<IR>フェア。お目当ては<塩ジイ>こと<元財務大臣><塩川正十郎>の講演。「行財政改革の本質を衝く」を聞く。「“いざなぎ”超えと日本経済」もある。<嶋中雄二>(三菱UFJリサーチ&コンサルティング・投資調査部長)が講師…。
久しぶりの東京ビッグサイト。新交通手段の<ゆりかもめ>と<りんかい線>に乗るのも楽しみ。渋谷から大崎に出て「りんかい線」<国際展示場>駅へ。乗車時間<13分>というが信じられない。新橋から「ゆりかもめ」なら<30分>は軽くかかってしまう。
ホームに降りたが、「国際展示場」がどっちか見当がつかない。現役時代、結構通ったはずだが、情けない。人波に乗って歩いた。開演時間が迫る。不安を抱えながらホールへ。
コンサートも講演会もカブリツキが決まり。ステージ前へ直進。空席を発見。ラッキーだ。主催者挨拶の後、笑顔で元財務大臣が登壇。テレビで見るのとソックリ。若々しい。
「日経さんの創立130周年記念とのこと、お招きに預かり光栄です。日経さんは時代のリード役」と第一声。そつがない。小泉改革を支えてきた塩ジイ。何を語るのだろうか。
「日本経済は力強く回復した。<民間>の力が大きい。政府は規制緩和、構造改革を進めた。今後は高齢化社会に向け社会保障が問題。日本の進むべき方向を示す必要がある。
本日は<行財政改革>にポイントを絞る。中心的課題を話すつもり。9月20日の総裁選に向けた<焦点>でもある」―――。簡潔、的確な指摘だ。気迫も伝わってくる。
「通常国会で大切な法案が成立した。マスコミも国民も関心を示さなかったが、小泉改革の総仕上げ。重要なのが『行財政改革推進法』。小泉改革は道路、郵政、経済特区(地域振興)など、いろいろ手がけてきた。『推進法』は5つの最重要<課題>を進める」―――。
「第一は『<独立行政法人>のスリム化』。本当に<民営化>ができるか。<検証>が必要。非公務員になった。独立法人の中に競争、格差が出てきた。国立大は学校法人になった。人事権は文部大臣から離れた。学長が人事も予算も握る。学者が優秀大に移動できる。東大、京大、阪大、東北大などへ自由に行ける。いい先生が地方からいなくなったらどうするか。格差が極端にならないようにしないと…。だが<競争原理>は必要だ」―――。
「第二は<特別会計>―――。特会は外国にもあるが、金額は小さい。日本は一般会計の数倍の資金が役人の手で運用されている。<武士の商法>だから大変。大きな赤字が出て、税金で埋めている。システムに問題がある。国の予算は国会がチェックするが、特会にはチェックがない。所管大臣がコロコロ変わるので目が届かない。古手の課長補佐クラスがカギを握っている。デッカイ金が運用されているが、不透明。改革が必要」―――。
「第三は<政府の財産>…。処分して<国債>の返済に充てる。国の借金は840兆円ある。GDPの160%。1.6倍もある。異常だ。道路や河川、病院、森林、土地などは国の資産。それらを見直して、不要なものは処分、国債の返済に充てる。利用できるものは徹底的に<活用>する。民間の智恵を生かしていくのも一つのやり方。現状は国の財産がどうなっているか、サッパリ分からない。これを透明化、財産を整理していく」―――。
「第四は<政府系金融機関>の整理・統合。商工中金、政策投資銀行、国際協力銀行など8つもある。作った時はそれなりの理由はあった。戦災復興、経済成長など。だが既に50〜60年が経過。国民ベースで見直した。2月に政府決定。だがグズグズしている。天下りができなくなるから抵抗が強い。だが武器ができた。郵貯・簡保の資金が使えなくなった。郵政民営化の成果。「使いたければ<原資>は自分で探せ」と言える。もちろん災害復旧や中小企業の育成、救済など国がやる必要のあるものは選別してやればよい」。
「第五は<公務員の削減>―――。これが一番難しい。全部で96万人。郵政が27万人。民営化で減った。残りは69万人。自衛隊25万人、国会・裁判所・司法など4万人、独立行政法人7万人―――。残りは33.2万人。5年間で5%減らす。これが一番難しい。
今まで<減らした>と報告を受けたが、新規採用は<別枠>だった。騙された。今度は<純減>にした。だからまず<新規採用>で1万人が減る。
次に仕事を見直す。いらないもの、ニーズが薄くなったものを減らす。これで3.5%カット。
食糧管理庁…。統制時代は必要だった。2.7万人いたが、今は6千人。他へ転用した。
北海道開発庁…。本当の狙いは対ソ戦略だったが、冷戦が終結。要らなくなった。森林管理も同じ。行政ニーズが薄いもので2万人カット―――。
一方、ニーズが高くなり、増やす必要のある分野もある。たとえば会計検査院。1400人しかいない。国の予算は80兆円。特別会計が300兆円。400兆円近くを1400人。欧米の7分の1。監査が行届かない。<親方日の丸><官尊民卑>を打破するために充実が必要。
証券監視員。アメリカは6500人、日本は400人。耐震偽装の建築指導主事も充実が必要。
<適材適所>で<配置転換>をやる。「推進法」は小泉首相の<遺言>だ。ポスト小泉もシッカリやって欲しい。日本の将来は必ず開ける。国力は充分ある。未来は明るい」―――。
塩ジイはこの後<社会保障>を語った。―――帰路は<ゆりかもめ>に乗り、フジテレビなどレインボウタウンを眺めた。銀座ヤマハで30年ぶり、CDを買った。楽しかった。
(平成18年8月12日)
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