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<田中康夫>前知事が8月31日、長野県庁から姿を消した。長野県はどうなるか。心配するのは火山だけではない。地元紙の「長野日報」は社説(8月27日)で強い<懸念>を示している。題して「田中県政を超える改革とは」―――。
「現職の田中康夫氏を破って当選した村井仁氏が今週末の9月1日、知事に就任する。2期6年にわたった田中県政に幕を引き、新県政をスタートさせる。村井氏は『田中知事に代わる候補の擁立』を目指す複数の市民団体に請われ、決意後は『<反田中>ではなく、<超田中>を目指す』と知事選に臨んだ。立脚点は自身のビジョンというより<田中>にあった。結果的に有権者も、それに代わるものを望み、次期知事に託した」と始まる。
―――<政策>があったわけではない。<手法>が<独裁的>だから、とにかく<新知事>に<代えよう>と<反田中>を主張しただけということ。「長野日報」はズバリ指摘した。
「<超田中>について村井氏は『田中県政を超える改革を一層進めることだ』と説明する。
田中氏が行った改革は少なくない。<脱ダム宣言>が指し示す、ダムに代わる総合的な治水対策と、公共事業から福祉、教育、環境重視への施策転換、外郭団体や入札制度、県組織の見直し、人事面では県職員の給料削減や市町村派遣、任期付き部課長級職員の採用、さらに全事業を白紙から見直すゼロベース予算も挙げられる」と続く。
自民党の<総裁選>で安倍晋三、谷垣禎一、麻生太郎が立候補した。最大の争点は本来<財政再建>のはず。国民の関心は<年金><福祉>という。だが<財政>の問題を避けては通れない。<基礎収支>をどう確保するか。その筋道を語る。そこから<どんな国家を目指すか>―――教育や憲法、外交の問題が見えてくる。財政(予算)抜きの政策はない。
昨日(9月9日)の日経は「総合面」で「識者による3氏の政策評価」を掲載している。「具体的道筋がない」「具体性や斬新さに欠ける」「財政健全化の戦略がはっきりしていない」という言葉が並ぶ。これが日本の多くの政治家の<手法>なのだ。
「選挙は<政策>ではない。<政権>を得るのが目的。シロクロはっきりさせない。ただ<期待>(幻想)を持たせる。おいしそうな<言葉>を並べる」ことが重要と考えている。
「基礎収支、25都道府県が赤字」―――。昨日の日経の特集。総裁候補3氏の「政策評価」に並べている。ここからが火山が一番強調したいことだ。なんと長野県はダントツのトップ、<最優秀>の評価。長野オリンピックでゼネコン<バラマキ>の頂点を極めた<長野県政>は<破綻寸前>だった。ひたすら<土建国家>の道を驀進、バブル全盛期の3倍もの土木事業費を使っていた。そこに<待った>をかけたのが<田中知事>の<脱ダム宣言>―――。長野県民の<選択>だったはず。
「47都道府県の財政状況」―――。日経はタテ軸に「毎年の収支」、ヨコ軸に「抱えた借金の返済負担」とマトリックスを描き、そこに47都道府県をマップする。2004年度決算で長野は<改善>度合いで全国<最優秀>なのだ。<財務省>の試算。信頼できる。
総務省は「自治体の財政悪化指標」を発表している。7月5日、日経が記事にした。「各自治体の収入に対する借金の負担割合を示したもの」―――。<実質公債費比率>という。長野県は<20.1%>で<最悪>―――。最も負担の軽い神奈川、愛媛の2倍。「長野は冬季オリンピックの財政支出が大きな負担として残っている」と記事も指摘している。
<毎年の収支>で長野は<黒字>幅が<14.1%>でダントツ。最悪の新潟は<赤字>幅が<54.8%>という。田中康夫知事の手腕、実績は<一目瞭然>、高く評価してよい。
「長野日報」は「(田中県政の実績について)村井氏は<超田中>的決着をどうつけるのか。1つ1つ検証なしに『理解できない』『常識的に』『従前通り』などの言葉による否定の決着では<反田中>に変わりがなく、田中県政前に後戻りさせかねない。その上で新たな改革を<超田中>的発想でどう見いだしていくか。ビジョンがこれまで明確に示されなかっただけに早急に求められる。副知事ら特別職の人事にそれが表れるだろう」と続ける。
要するに「<政策>を<具体的>に語っていない」のだ。自民党総裁選と同じ―――。
「(県議会との関係)10会派58人のうち田中県政に批判的な7会派45人が村井氏を支援した。大政翼賛と批判されたかつての与党体制、すなわち後戻りへの甘い誘惑になりかねないという懸念だ。村井氏も支援県議も『あり得ない』とするが、『女性議員をふやすネットワーク<しなの>』の宮坂道子さんは本紙に『本当の是々非々を望む。互いに県民の立場に立って何が良くて何が良くないのか』と語る。県議会との<超田中>的関係をどうつくり、有権者から期待感を持たれるか。重要な点でもある」と「長野日報」は結ぶ。同感。
当選直後、日経も社説で指摘した。「村井氏は自民党県連や連合長野などの支援で組織票を固め、無党派層取り込みにも重点を置いた。歳出削減を最優先する田中氏に対し、公共事業や産業振興策などで一定の財政支出が必要と主張し、経済の活性化を訴えた」と。
<バラマキ><利益誘導><県民無視>への誘惑はミエミエ。長野県は再び<財政破綻>への道を辿るのではないか。北海道の夕張市と「一緒だ。
そういえばオリンピックに立候補した<福岡市>―――。政令指定都市の中で<財政悪化指標>は<最悪>! 長野県より<破綻>に近い。でも<立候補>。東京都が選ばれたからよかったが、懲りない連中は多い。長野県民の皆さん<監視>をしっかりお願いします。
(平成18年9月10日)
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嬉しい、嬉しいコメントです。外出していたため、拝見が遅れました。明朝、改めてお返事申し上げます。
2006/9/12(火) 午後 10:18 [ kom*_19*7 ]
さるさる日記「長野ジャズタクシー物語」にご紹介いただき光栄です。田中康夫前知事を応援してきたみなさんの記事を拝見、大変心強く思いました。<論功人事>や<粛清人事>は許せませんが、これも世の習い。敗戦のツケです。しっかり監視、県民の世論を盛り上げ、戦ってください。 村井の選挙戦は今後の先例になるでしょう。そのウソを暴き、同じ失敗を繰り返さないよう頑張りたいものです。
2006/9/13(水) 午前 11:12 [ 火山 ]
新しい書庫<田中康夫県政に学ぶ>を新設しました。「長野ジャズタクシー物語」にご紹介いただいたのを忘れないためです。今後とも投稿を続けます。よろしくお願いします。
2006/9/13(水) 午後 4:08 [ kom*_19*7 ]