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「サンデープロジェクト」(10月8日)に竹中平蔵(前総務大臣)が登場した。
「5年半の小泉政権で、ただ一人閣僚であり続けた竹中平蔵氏。小泉政権と共に政治の表舞台から去った。構造改革の司令塔として不良債権処理はじめ郵政民営化など改革の旗振り役を務め、小泉前総理は『竹中なくして構造改革はできなかった』と労をねぎらった」とナレーション―――。
司会の田原総一朗が言った。「小泉政権がもったのは竹中さんがいたから。でも安倍政権には<竹中>(さんに代わる人)がいない。竹中さんは叩かれましたね。亀井静香議員を筆頭に<袋叩き>だった」―――。
「<改革>を進めれば叩かれるのは当然。叩かれないのは<改革>をやっていないということです」と竹中平蔵。田原総一朗がさらに続けた。
「これは私の見方ですが、小泉改革が進んだのは<竹中>さんと<亀井>さんがいたから。<亀井>さんと<霞ヶ関>が<竹中>さんを叩けば叩くほど国民には<敵>が見えた。<小泉>人気が高くなった。<抵抗勢力>を浮上させるというのが小泉手法―――。安倍さんには<敵>が見当たらない。これは問題ではないか」。
「だから私は『<政策ウォッチャー>が必要だ』と言っています。<官僚任せ>では<改革>は進まない。<ウォッチャー>がいてしっかり監視する必要がある。ただ<改革>を進めれば必ず<敵>が現れます」と竹中。同感だ。
「民間人大臣が残したもの」―――。日経(9月17日)が<けいざい解読>で特集した。
「<竹中平蔵>と聞くと、嫌そうな顔をする官僚や銀行が多い」と書き出し。竹中が果たした役割をよく象徴している。以下<要旨>を<抜粋>しておこう。
「竹中氏の政策運営の根底にあったのは霞ヶ関の官僚システムへの不信だ。出身省庁の利害の代弁者とみた官僚は徹底的に排除し、自ら連れてきた民間出身者や出身省庁との関係を切った一部の官僚による少人数の側近チームで重要な政策を立案した」「官僚排除は前例にとらわれぬ政策転換に大きな力を発揮した」―――。
<出身省庁>への通報で当初は情報が<筒抜け>―――。少しでも<省益>が損なわれそうな動きが<官邸>に見えると大勢の官僚が押しかけ<ご進講>と称して潰しにくる。これが官僚の手口。だから竹中はスパイを<排除>した。
「だが昨年秋の内閣改造で経済財政担当相を外れ、総務相に転じてからは少し様子が変わってくる。後任の経財相に『官僚は排除するよりうまく使った方がよい』が持論の与謝野薫氏が就任したのをきっかけに、諮問会議の運営にも官僚を使う場面が増えてきた。竹中氏はこうした動きについて『諮問会議に官僚の意向が強く反映されている。改革のエンジンとしての役割が果たせなくなる』と強く批判した」と日経の<解読>は続く。
田原総一朗もこの事情を把握していて「諮問会議が<エンジン>から<アリーナ>(演技場)に変わったと批判されましたね」と続けている。もう一度、日経の<解読>―――。
「官僚を厳しい目で見ていた竹中氏だが、政策にかかわる民間人の現状にも決して満足していなかった。小泉政権では社会保険庁長官や道路公団総裁に民間人を登用したが、目立った実績は上っていない。長い間、官と民の世界が分断されていた日本では、政策の立案や政府内の調整のノウハウが官に独占されて」きたからだ。<解読>は指摘する。
「単に民間人として入っただけでは、官僚に取り込まれてしまう」―――。その通りだ。国際エコノミスト長谷川慶太郎「超<格差拡大>の時代」(東洋経済)に面白い指摘がある。
「米国では日本のような強固な、伝統的な<官僚制度>が存在しない。米国では行政組織を構成しているすべての<官僚>は完全に政治に従属している。大統領が4年ごとの選挙で交代すれば、即座に地方の郵便局長を含めた4000名を超える高級官僚のクビが飛ぶ。それだけではない。議会でもし上下両院を通じ優位を占める政党が交代すれば、即座に7000名を超える<議会スタッフ>が交代する」(183頁)―――。
「行政は完全に<政治>に従属しているのであり、政治がその気になり、かつまた積極的に<改革>を提唱すれば、あっという間に国の行政の隅々に至るまで、その<意思>並びに<政策>が浸透する」(184頁)。
だが日本はまったく違う。長谷川慶太郎は続ける。「伝統的な<職業的官僚制度>の存続している国は、この米国の柔軟な、情勢の変化に極めて機敏に、的確に対応しうる<行政>を持ち合わせていない。EUを構成する三大国、すなわちドイツ、フランス、英国、いずれもEU条約に規定されている財政赤字をGDPの3%以下にコントロールするという義務を果たしていない。<職業的官僚集団>が行政を支配し、政治の示す路線を<面従腹背>の形で批判し、事実において<拒否>することが可能だからである」(187頁)。
「―――今後の改革として重要な分野は。『いろいろある。まずは骨太方針をきちんと実行することだ。さらに例えば農業。世界のどこに行っても地域の中心産業は農業で、公共事業をいくらつぎ込んでも地域は活性化しない。地域再生のためにこそ(株式会社参入など)市場原理を生かした形で農業の担い手を集約し競争力をつけるべきだ。そうした積み上げが成長の底上げにつながる』(日経9月24日)<竹中大臣に聞く>。この<連載>は族議員・農水省・農協が<規制><補助金>でいかに<農業>を破壊したか<暴露>してきた。
(平成18年10月13日)
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骨太方針とは、スローガンで期待できる改革とは思えません。主題の情報筒抜けの情報と多くのコメントは傾聴すべき意見と思います。
2006/10/14(土) 午後 7:12 [ bos*t*uyo*de*o ]
スローガンだけでも大変なのです。<熾烈>な<権力>闘争。クダラナイと見えることに抵抗があり、莫大なエネルギーが使われ、改革は全然進まない。これが<小泉改革><官邸主導>の実態。詳しくは清水直人「官邸主導(小泉純一郎の革命)」(日経)をお読みください。
2006/10/14(土) 午後 7:19 [ kom*_19*7 ]