火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

地方<格差>論

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「日本の農業・農村・農家を破壊したのは田中角栄の<日本列島改造>で頂点を極めた『土建的<地方>利益論』(「ミスター円」榊原英資の造語)による<補助金漬け>」というのがこの連載が<論証>したいこと。関連記事が<書庫>「立松和平の誤り」にある。

田中角栄は明治以来の<土建的地方利益論>を極端に進めた。この結果、農業人口は1955年当時の1560万人から1975年年の669万人へ<半減>した。特に酷いのが1965年から始まった<土地改良計画>というゼネコン向けバラマキ―――。

「1965年から始まった『土地改良計画』によって農業基盤整備事業費という補助金が4回にわたって投入されてきた。2006年度に終る第4次計画までの累積投資額は実に約75兆円。75兆円といえばオーストラリアの農地のほとんど、アメリカの農地の6割が買える金額である」(大前研一「ロウアーミドルの衝撃」講談社・156頁)―――。げっ!
<国際競争力>は強化されたか。「生産性は最悪のまま。農業基盤整備の名目で国道や県道より農道を造るなどゼネコンが儲かるカネの使い方をしてきたからだ」(同・160頁)。

国際的競争力のない日本の農業を守るため、日本政府はWTO(世界貿易機関)の<農業合意>の<先送り>を繰り返してきた。昨年10月24日の日経<社説>の切り抜きがある。題して「消費者不在のWTO農業交渉では困る」。

「今回のラウンド(交渉)で先進国の農業が最優先の自由化対象となったのは当然の流れだった。この方向を事前に読んでいた米国と欧州連合(EU)は交渉の本格化に先立って国内農業改革を進め、関税や補助金削減要求の高まりに備えていた。日本はどうか。農業改革は遅れに遅れている。世界の自由貿易に貢献すべき日本だが、このままでは議論の中核に参加できず、農業の防戦一色で終る。国際外交の発言力が衰える事態は、日本にとって国家的な損失である」と社説は説く。

これでは<常任理事国>など<夢のまた夢>―――。自由貿易の<敵>となれば<輸出立国>のはずの日本は<中国>にますます<遅れ>をとる。中国は東アジアに対し競争力のある農産物は一つもないのに<WTO><FTA>(自由貿易協定)交渉に極めて熱心なのだ。

「日本は精米に778%、コンニャクに1706%、落花生に737%、デンプンに583%という法外な関税をかけている。WTOでは上限関税の導入を断固阻止し、できるだけ多く例外品目を確保する交渉をとっている。輸入品をせき止めない限り、日本人の食料源である日本農業は滅びる、という悲観的な見方をしているからだ。本当にそうだろうか。欠けているのは消費者の視点である。関税削減で低価格の輸入農産物が流れ込めば、たしかに一部農家は打撃を受けるだろう。だが価格低下は消費者全体の利益となり、日本の農産物需要の拡大にもつながるはずだ」―――。日経の記事だ。

<一部農家>と日経。2003年度の農業人口は330万人に過ぎない。1955年は1560万人。8割も減った。角栄に始まる<土建的地方利益論><補助金漬け>が農家を<離農>に追いやった。しかも「農業収入が所得の5割以上を占め、65歳未満の労働力がある<主業農家>は2005年時点で43万人」(5月16日の日経)―――。これが「国内農家を守る」というWTO交渉の成果だろうか。農水省や族議員のウソをなぜ許すのだろうか。

「スリム化を中心に財政正常化を図れ」とは2004年8月28日の日経<社説>―――。
「経済活性化策と平行で」という記事の中に「国内総生産のわずか1.3%を占めるだけの農林水産業に政策的経費(一般歳出)の6.4%も充てるのは多すぎないか。特に1兆3700億円の農林公共事業にはとかく無駄が多いという指摘が多い」―――。これが農業人口を減らし、土木事業に従事するゼネコン人口を増やした。農業を破壊したのだ。

バカ高い農産品を買わされ、被害を受けているのが国民の8割を占める<ロウアーミドル>以下の生活者だ。「今や、日本人の8割が<中流の下>(ロウアーミドル)以下。社会の地殻変動が始まった!」とは大前の近著の<キャッチコピー>―――。ショッキングな表現だが、日本人の<意識改革>を迫っている。(「<ロウアーミドル>以下」という<以下>の一人が、かくいう火山。はっきりいえば年収は<300万円>に満たない。げっ!)

火山がいつかブログに書こうと思って<執念>を込めてとってある「切抜き」をご披露しよう。2004年9月21日の日経<平成の開国・早分かり>(4)だ。題して「<農業政策>補助金バラマキ転換へ」―――。内容は既に察しがおつきでしょうが…。<開国>とは「<関税>を<撤廃>せよ」ということ。読めば読むほど火山<怒り>が込み上げる。普通なら「<血圧>が上る」となるが、低血圧の火山、決して上らない。

「世帯の一人当たりの年間家計費はサラリーマンよりも農家の方が15万円多い―――。農林統計協会が2000年時点で比較したところ、農家は135万円に対し、勤労者は120万円だった。1970年は勤労者が農家より12万円多かったが、80年に逆転。その後は一貫して農家が勤労者世帯を上回っている。農家の収入が多いのは補助金の恩恵もある。70年代以降、政府はコメ余りを受けて農家の経営を安定させるため補助金を増やした」げっ!

「自由貿易協定(FTA)で増える輸入農産物に対抗できる強い農家を育てるのは時間との戦い。農家の懐を温めるだけの農業政策は転換期に来ている」と記事は終る。チクショー!
(平成18年10月21日)

「地方<格差>論」書庫の記事一覧


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