火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

ベートーヴェンP協

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待ちに待った「ベートーヴェンピアノ協奏曲<全曲>演奏会」の当日が来た。天候は晴れ。朝からワクワク。ピアノ<中村紘子>、指揮<大友直人>という凄いコンビ。1日で全5曲を聴く。<クラシック歴56年>という火山のコンサート歴にも、こんな体験はない。
日本の音楽界にとっても、恐らくは前例のない画期的な演奏会。<歴史>に残る。語り草にもなるだろう。火山はその<生き証人>になる。想像しただけで胸が震えた。

6月3日(日)午後2時開演。第1番ハ長調(作品15)から始まった。火山の座席は<1列19番>!<最前列中央>の超カブリツキ。グランド・ピアノが目の前、中村紘子の全身が間近に迫る。残念ながら指揮者の大友直人はピアノの響板の影。足だけしか見えない。それでも時々フォルティッシモで大きく腕を振るとピアノからはみ出した両手首が見える。

「凄い!」。終演と同時にお隣りの上品な奥様がつぶやいた。本当に素晴らしい熱演。迫力満点。場内から盛大な拍手と声援が飛んだ。ライトブルーのドレスに身を包んだ中村紘子。あでやかな会釈を繰り返す。若い頃から評判の美女。笑顔が日本人離れしている。
大友直人も指揮台から降り、中村紘子から下がって遠慮がちに会釈。スラリとしたスポーティな長身。颯爽とした姿。家内が気に入るのもムリはない。上機嫌で家内も熱烈な拍手。

この「ピアノ協奏曲」、タイトルは第1番だが、作曲されたのは次の第2番より後。ベートーヴェンが生地ボンからウィーンに到着した2年後の1794年に着手され、翌年に一応完成。しかし、ベートーヴェンが改訂を重ねたため、完成は1801年の出版までずれ込んだという。
プログラムによれば初演は1795年3月29日。ベートーヴェンは24歳。有名なブルグ劇場。ウィーン音楽家協会が主催した「未亡人救済慈善音楽会」で颯爽とデビューを飾った。自作「ピアノ協奏曲」のソリストとして登場。一夜でウィーン楽壇の人気を独占した。

「名演奏家のひしめく当時のウィーンにあってベートーヴェンが注目を浴びたのは独自の二つの武器、一つはボン時代にオルガン奏者として身につけた即興術、もう一つはネーフェ(ボン国民劇場の音楽監督)から学んで完成させたクラヴィコード奏法に由来するレガート奏法とカンタービレ奏法であった。この頃のウィーンではモーツアルトの演奏に代表される音の均質さ、響きの清澄さ、軽快な速度といった伝統的なチェンバロ奏法から来る真珠を転がすようなスタッカート気味のエレガントな奏法が流行していた。ベートーヴェンの生み出す響きは新鮮だった」(平野昭「ベートーヴェン」音楽之友社・38頁)。

「モーツアルトに代表されるチェンバロ奏法」と平野昭は書く。モーツアルトも名ピアニストとして一世を風靡。即興演奏の卓越した才能で並みいる名演奏家を打ち破ったのだ。
モーツアルトのデビューは1781年4月3日。奇しくもベートーヴェンと同じ音楽家協会の未亡人救済慈善音楽会。会場はケルントナートーア劇場だった。

もう1つの偶然が24年後の1795年3月31日に起る。ベートーヴェンは4年前に世を去ったモーツアルトの未亡人コンスタンツェ主催の音楽会でモーツアルトの「ピアノ協奏曲」第20番ニ短調を演奏した。デビューの2日後。これもベートーヴェンの声望を高めた。
この20番が大好きだったベートーヴェン。自分用のカデンツァまで書き残している。モーツアルトもベートーヴェンも熱心に打ち込んだ「ピアノ協奏曲」。火山も大好きだ。

火山のクラシック歴は中学2年の夏、横浜公園の野外音楽堂で聴いたグリーグの「ピアノ協奏曲」イ短調に始まる。初めて聴く華麗なピアノとオケの共演。しかも北欧の憂愁を秘めた名曲。終演後の美しい夕暮れの夏木立を、今も鮮明に思い出す。凄い感動だった。
大好きな「ピアノ協奏曲」。しかもベートーヴェン。<全5曲>を1日で聴く。凄い!!

企画したのは大友直人。有名の名指揮者。会場となる東京文化会館(上野)の音楽監督だ。
大友直人は「大晦日のベートーヴェン交響曲<全曲>演奏会に参加した経験があり、ベートーヴェンの作品を一気に通して聴くのは演奏者にとっても、お客様にとっても意味のあることと思って発案しました」と語っている。

ピアノの中村紘子。「第1番(ハ長調・作品15)から第5番(変ホ長調・作品73)まで通して聴くことで胸が打たれる。特に第3番(ハ短調・作品37)から第4番(ト長調・作品58)に入った時の変化は、一人(ベートーヴェン)の中で、これほど精神的に高まることがあるんだと感動した。当日は弾き手と聴き手が、一日でそれを体感できる。大友さんとご一緒。エキサイティングで幸福な、充実した演奏会になると確信しています。今から<腕立て伏せ>などして<体力>をつけ、頑張ってまいりたい」と熱く語っていた。

プログラムを見て<仰天>!2時開演で終演は7時15分というのだが、途中20分休憩が2回の他、大休憩<90分>が入る。凄い企画だ。夕方の上野公園を散歩してみよう。
もう1つ<仰天>したのが<全席完売>!広い大ホールを見渡しても満席。凄い人気だ。
火山夫婦の座席、最前列中央なのだが、本当はもう少し<左側>!つまりピアノの鍵盤、中村紘子の指使いが見える席が欲しかった。だが先に売れていた。つまりお隣りの上品な奥様が買ってしまった。火山、興味を引かれ、休憩時間に声をかけた。

「あの、ベートーヴェンがお好きなのですか」「いえ、中村紘子さんのファンです」―――。やっぱり!「そうでしたか、これは歴史に残る演奏会になります。カブリツキを争った方がどんな方だか、知りたかったのです」。2人で大笑いした。+++(続く)+++
(平成19年6月4日)

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