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<社保庁>の<記録漏れ>対策が<参院選>の大きな争点になっている。ただでさえ<閣僚>の<失言>や<事務所費>問題で<失点>続きの<安倍内閣>!頭が痛い。
だが<国民>にとっては<絶好>のチャンス。腐りきった<社保庁>の<お役所仕事>!宙に浮いた年金記録が<5095万件>!データ未入力が<1430万件>!ズサンの極み。でも<申請主義>という<官僚>特有の<傲慢>を貫く!<参院選>は<官尊民卑>を叩き直す<絶好>の機会だ。すべては<政権交代>がない政府に寄生する<官僚支配>が元凶。
安倍晋三首相は口を開けば「戦後体制」(アンシャン・レジーム)の清算、「美しい国」「教育再生」「憲法改正」と提唱する。堺屋太一は「<無能・無責任・無駄>の官僚を駆逐せよ」(「文芸春秋」7月号)と書く。腐っているのは<自民党>と<癒着>した<官僚>だ。
元大蔵省のエリート官僚<ミスター円>の異名を持つ榊原英資も自著「分権国家への決断」(毎日新聞社)で<東京一極集中>は<中央集権><官僚支配>の<結果>と指摘する。<中央集権>の歴史が<補助金><地方交付金>を肥大化させ<格差>を生み出した。
小泉改革が<格差>を生んだというのは<族議員>や<官僚>の大ウソ。明治維新以来、日本は<土建国家>的地方利益論(バラマキ政治)で発展してきた。これが補助金・地方交付金を肥大化させた。だから榊原は<分権国家>と<補助金全廃>を主張する。正論だ。
榊原英資は<官僚支配>国家の完成を昭和15年の第二次近衛文麿内閣に見る。学者たちはこれを<40年体制>と名付けた。軍閥と結託した<官僚支配>―――。
一方、最近流行の<55年体制>は<自民党>による<一党独裁>。昭和30年に完成する。昭和35年(1960年)に誕生した池田勇人内閣の<高度成長>路線は自民党<一党独裁>の上に花開く。昭和47年(1972年)に誕生した<田中角栄>は<列島改造>論を提唱。これが<土建国家>的地方利益論(バラマキ政治)を<極限>まで発展させる。
<バブル>も<失われた10年>も<不良債権>も<官僚腐敗>も全部このバラマキ政治が<元凶>―――。だから小泉内閣は<中央から地方へ><官から民へ>を提唱した。<三位一体改革>もその延長線の路線―――。
だが小泉が<禅譲>したはずの安倍政権。以上のいずれも提唱していない。だから火山は安倍を<曖昧>と<変節>と呼ぶ。<公務員改革>も<社保庁解体>も改革の実態はない。別の連載でも指摘した。全部<骨抜き>法案。官僚が描いた路線は<焼け太り>だ。
さて本論の「年金消滅の主犯を暴く」―――。もちろんこれは「文芸春秋」7月号に発表された年金ジャーナリスト岩瀬達哉の論文。実によくまとまっている。ぜひご一読をお薦めしたい。岩瀬達哉には「年金大崩壊「年金の悲劇」という好著もある。いずれも講談社。
日本の年金制度はアジア太平洋戦争の最中、1942年に「労働者年金保険法」として制定。「巨大な資金を国家的に動員することを目標に」「敢て社会保険たることを要しない」という法案として成立した。いずれも制定した初代年金保険課長・花澤武夫の言葉。
「花澤氏が邪(よこしま)な思いを実現するために忍び込ませた掛け金の<中抜き>条文(火山注:掛け金流用が目的)は現在も厚生年金保険法79条と国民年金法74条に生きている」(岩瀬達哉「文芸春秋」7月号・107頁)―――。
花澤課長は後輩の年金官僚に「年金を払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまっても構わない。せっせと使ってしまえ」(同107頁)と「回顧録」で号令をかける。<流用>金額はかくて6兆円。悪名高いグリーンピアや年金オンラインなどに消えた。
社保庁オンラインは「正確かつ迅速な事務処理」を図るために導入されたはず。だが結果は持主不明データが5095万件。未入力データが1430万件。<正確>も<迅速>もない。
「加えて<覚書>の<確認事項>に信じられない勤務規則が記される」(112頁)。
「オンライン端末の1人1日の操作時間は平均200分、最高300分以内とする」(79年5月12日付)。「職業病予防の観点から、45分操作15分休憩、1日あたり総操作時間、キータッチ数の制限など、覚書を守れる職場体制を確保する」(96年6月27日付)―――。
呆れた実態はテレビでも繰り返し報道された。想像を超えた<怠業>ぶり。最高でも300分(5時間)勤務。休憩時間を差し引くと実質<4時間弱>働くだけでよい。何が<職業病予防>か。民間では想像もできない。
「社保庁とNTTデータとの間では06年まで正式な契約書さえ交わされたことがなかった。同社の見積もりに従い<お任せ>で支払がなされてきた」。支払総額は1兆418億円。
民主党の藤木健三参院議員が参院の厚生労働委員会でこの事実を指摘した。今年6月28日。
柳沢伯夫厚労大臣は「見積もりだけで多額の対価を払ってきたのは見過ごすことはできない」(112頁)と<異常>な契約関係を認めた。酷い!!
NTTデータには多数の社保庁幹部が天下っている。「私が03年6月に調査した時点では関連会社も含め11名もの年金官僚OBや社保庁幹部が高給を食(は)んでいた。彼らの給与は最高で月額180万円、最低でも59万円。社保庁の内にあって上は長官から下は末端の組合員まで、外にあってはシステム業者まで一体となってわれわれの年金をしゃぶり尽くしてきた」(同・115頁)。モーレツな<腐敗>ぶりだ。
<55年体制>の自民党一党独裁。癒着・寄生する官僚―――。<政権交代>で断ち切ろう!(平成19年7月21日)
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