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「敗色濃厚な自民党中川幹事長が『公務員天国を解体する』とか吼えているが、何十年にわたって公務員天国を作り上げ政官癒着の甘い汁を吸ってきた張本人のくせに今更よくいうよとアキレた声」―――。6月24日の「日刊ゲンダイ」!火山、久しぶりに買った。
現役時代、「美人3姉妹の立ち飲み屋」で泥酔寸前まで飲み、必ずといってよいほど買った「日刊ゲンダイ」。政界のウラ情報を読んではサラリーマンの憂さを晴らしていた。だが10年も読まないうちに「日刊ゲンダイ」、ずいぶん成長した。
「腐敗のウミが噴き出るまで社保庁や国家公務員を温存させてきたのは、他ならぬ、歴代の自民党政権ではないか。『自民党の幹事長が公務員天国を批判する資格はありませんよ。公務員天国は政官財癒着の中で生まれ、容認されてきた。官僚の人事権を握る自民党は、お役所をシンクタンク代わりに使い、政策立案でオンブにダッコ。一方、自民党に逆らえない官僚は業界団体に行政指導で大きな権限を持っている。それで業界に天下り。財界、業界は自民党にカネと票を差し出すことで、官僚の行政指導に手心を加えてもらう。
この政官財の癒着のトライアングルは数十年前から変わっていないし、自民党は甘い汁を吸っている。その核心部分にフタをして、言葉だけで<公務員天国解体だ>といったところで、説得力はゼロですよ』(政治評アナリスト・伊藤惇夫氏)」(「日刊ゲンダイ」)。
伊藤惇夫はいい加減なジャーナリストではない。「文芸春秋」(2004年5月号)に「公務員年金のカラクリを暴く」を寄稿している。岩瀬達哉、堺屋太一、金子勝3氏の「<年金食いつぶし>官僚弾劾裁判」と並ぶれっきとした論文の筆者。
火山が盛んに強調してきたのは「社保庁を筆頭とする<官僚>の<無能、無責任、無駄>は全部、自民党一党独裁の結果、つまり55年体制に原因がある」ということだ。
堺屋太一も「<無能、無責任、無駄>の官僚を駆逐せよ」「団塊世代の一票が日本を変える」と「文芸春秋」(2007年7月号)に書く。
国際政治学者から自民党の参院議員に転身した舛添要一も近著「永田町vs霞ヶ関」(講談社・2007年5月)に書く。「日本の戦後政治の特徴は何か。政治学者として言うと、ほんの一時期を除き、自民党の一党支配が長らく続き、その結果、政官財の連合体が予算を取り合うシステムができあがったということになる」(56頁)―――。
「自民党の政策立案の頂点に政務調査会長がいる。その下に各部会があって各部会には役所と業界がついていて、部会で育った族議員を応援している。業界はカネと票を出し、役所は知恵と知識を出す。族議員は見返りとして、業界と役所の利益を集約、予算を取ってくるシステムができあがった。たとえば道路をもっとつくれという地方、業界の声を背景に、自民党の道路族が道路をつくりたい建設省と一緒に新たな道路を建設させる。建設業界が受注し、族議員は対価に政治献金をもらい、役人は天下り先を増やす」(56頁)。
「日本列島改造論の田中角栄氏の時代が象徴的で、政治家はカネをバラ撒くだけでいい。こんな楽な政治はない。政治献金をはずむから道路をつくれという業界の声をただ伝えるメッセンジャーボーイとなって、役所の言う通りに動いていればよかった。ある意味、政治家はいらない。理論的な組み立てが必要な場合も役所が考えてくれる。大声をあげて『何を言ってるんだ。この道路建設を認めないとはどういうことだ』と怒鳴れば、大蔵省も『あの先生はうるさいから10億円ほど予算をつけておくか』と予算をつけてくれた」(57頁)。
「要求を通した政治家は選挙区へ帰って『どうだ。俺の力は凄いだろう』と力を誇示していれば選挙は通ったし、5期も代議士をやれば順番で大臣にもなれた。自民党が長期政権を維持できたのも、経済成長が持続し、バラ撒きが可能で、議員は何も考えなくともよかったからだ」(58頁)―――。何とも赤裸々な実態。さすが舛添要一は政治学者だ。この実態を<ミスター円>の異名を持つ榊原英資が「<土建国家>的地方利益論」と呼んだ。
火山が長々と引用してきたのは、もちろん魂胆があってのことだ。自民党の参院議員の舛添要一でさえも認めている。これが自民党政治の実態。松岡利勝前農相が自殺したのも、赤城徳彦農相が事務所費を説明できないのも社保庁のウミと同根。戦後ずっと続いてきた自民党(与党)独裁の結果、起こった<政官業>の<癒着>が原因。これの改革には<政権交代>しかない。「<民主党>に<政権担当能力>があるのか」と抜かすマスコミもあるが、政治の実態を知らない証拠。舛添要一の「永田町vs霞ヶ関」を読めば一発で分かる。
小沢一郎民主党代表がいとも簡単に答える。「ああ、簡単です。自民党と同じことなら、いつだってできる。全部<官僚>に任せればよい」―――。火山も大賛成。心配する必要はない。「民主党の政権能力がない」という意見。<自民党>と<官僚>が得するだけ。
火山の主張はもっと過激だ。今回の<参院選>!「政策なんか問題じゃない。何でもいい。自民党が負けるだけでよい」―――。定年から10年。火山は政治、経済、世界情勢など真剣に勉強してきた。自民党の政治も研究した。<小泉改革>関連だけでも20冊以上読んだ。
その火山が断言する。<政権交代>だけで、ほとんど全部が解決できる。<政官業>の<癒着>を断ち切れるからだ。ここに<諸悪>の根源がある。<55年体制>は制度疲労だ。
「<公務員天国>を作り上げ、<政官癒着>の甘い汁を吸ってきた張本人が自民党。腐敗のウミが噴き出るまで<社保庁>を<国家公務員>を温存してきたのも自民党だ。
(平成19年7月25日)
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