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官僚のウソ、隠蔽―――。単に<傲慢無礼>というだけではない。国民に莫大な実害、損害を与える。<役人天国>はそろそろ<根絶>しないと、大変なことになる。
「総務省の『年金記録問題検証委員会』(座長=松尾邦弘・前検事総長)が(7月)10日に発表した中間報告は、参院選を前に、該当者不明の約5000万件の実態などを国民に説明し、不安解消につなげる狙いもあった。だが、報告は実態解明にほど遠い内容で、むしろ5000万件の解明が一向に進んでいないことを浮き彫りにした。報告は、調査に非協力的な社会保険庁への不信感も随所に盛り込んでいる」。7月11日の「読売新聞」だ。
「『霧がさっと引くような、目からうろこが落ちるような内容ではなかった』記者会見した松尾座長は、これまでの分析結果に満足していないことを隠さなかった」と記事は続く。
「委員会を厚生労働省以外に設けたのは非常に重要だ」と屋山太郎委員も述べた。
何気ない論調だが、火山は腹が立って仕方がない。何で<無能、無責任、無駄>の役人にそんなに遠慮するのか。非協力を何で許すのか。さっさと<更迭>してしまえ!
<年金時効撤廃特例法>の施行で「死亡した人が生前に受け取るべきだった<未支給年金>が見つかれば、同居していた遺族らは時効に関係なく、全額を一括で受け取れるようになった。死亡した人の年金記録はむしろ重要性を増しているのが実情だ」と読売。
「政府は今年2月に5000万件の存在を把握した。半年近く経過して解明がほとんど進んでいないのは社保庁の非協力的な姿勢によるところが大きいという」。なぬっ!「非協力的な姿勢によるところが大きい」!何て論調。<大きい>なんてものではない。<全部>だ。
「総務省幹部の一人は『これだけ国民の怒りをかっておきながら、いまだに社保庁は5000万件の調査すらせず、求めたデータも出してこない』と憤慨する。報告では、社保庁に対し『事実を隠さず、委員会の調査・検証に協力するよう求める』とした」と記事。これも手ぬるい。何で直接、本人にバシっとやらない。個人を特定しない報告など、全然ムダだ。
「内閣<仕掛け人>の菅総務相」「年金問題引き受け奮闘」―――。6月13日の「日経」。「行動は素早かった。先週初めの検証委の構想が浮上すると、わずか3日間で松尾邦弘前検事総長をトップとする人選を完了。第三者委についても『社会保険庁には任せられない』とする首相官邸の意を受け、連日、塩崎恭久長官らとひざ詰めで構想を練った」と記事。
「参院選の争点に浮上した公的年金保険料の納付記録漏れ問題。ダメージ回避に躍起の安倍政権は責任追及の検証委員会に続き、年金支給の可否を判断する第三者委も総務省に設置することに決めた。事務方の慎重論を押し切って引き受けたのが菅義偉氏(58)。『役人に乗っかった政治はしない』と言明し、NHK受信料の支払い義務化と値下げをセットで進めようとした担当課長を更迭。政策や人事の調整で党の重鎮に根回しなくことを運び、あつれきを生むこともしばしばだ」と続く。ブラーヴォ!火山、大好きだ。
だが<素早い>はずの菅総務相が頑張っても「霧がさっと晴れない」!松尾前検事総長の検証委は「非協力」を解決できない。いわば報告書で「事実を隠さず、委員会の調査・検証に協力することを求める」としか進められない。発足後約1ヶ月、7月10日の発表だ。
「(検証委の)原因究明は、ずさんなデータ管理の実態をあぶりだす作業。焦点は制度変更などの際の不手際の検証。一人で複数持つことがあった番号を一人一つへ統合を進めた。統合は遅々、今なお宙に浮いた記録が5千万件。作業を怠ったことは疑いようもない。
統合作業が進まない背景には、社保庁が持つ年金加入者の情報に誤りが多いこともある。80年から情報をコンピュータで管理し始めたが、この際に担当者が氏名の読み仮名を誤って入力したり、生年月日を間違えたりする例が相次いだ」(6月15日)。
「日経」の記事はさらりと書く。だが岩瀬達哉の「年金消滅の主犯を暴く」(「文芸春秋」7月号)に重大な記述がある。「NTTデータのシステムは、ごく初期の段階から2001年のシステム変更までDIPSという大型コンピュータを使っていた。これは80年代に開発されたもので、骨董品とまで揶揄された代物だ。日進月歩のコンピュータの世界で、20年も前の思想で造られたハードを01年まで使っていたのである。NTTデータに言われるがまま、われわれの掛け金で大盤振る舞いを続けてきたということであろう」(109頁)。
年金オンラインシステム。1980年のスタートだ。「スタートする前に既に次世代のコンピュータが開発されていた。しかし、なぜか、古いコンピュータによるシステムを導入したのです。そして入力作業は、すべてカナですることになった。カナ入力では読み方を間違えると本人の記録でも別人の記録になってしまう。入力ミスもありますが、このカナ入力を採用したことが、宙に浮いた年金を生み出す大きな原因になっている」(114頁)。社保庁のオンラインシステムを管理している年金官僚の証言だ。
吉原健二長官(86年6月〜88年6月)のもとで87年までにカナ入力されたデータは8862万件に上る。検証委の初会合(6月14日)を報じる「日経」は翌15日のもの。出席した村瀬清司長官は「今後、新たな問題が出てくることはない」と明言したという。
だが記事の歴代首相、厚労相、社保庁長官は全部95年以降だ。つまり検証委の検証は問題の80年までは遠く及ばない。火山は既に書いた。年金オンラインの検討は74年に始まり、これが社保庁長官と組合・自治労の密約を生み、今日の腐敗を生んだ。何たるピンボケか。
(平成19年7月26日)
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