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ドイツ語の勉強をやり直している。懐かしい。高校1年の昭和28年4月から3年間、NHKラジオ講座を聞いた。講師は桜井和市。謹厳実直、いかにもドイツという感じ。シューマンの「蓮の花」の美しい前奏が今も耳に残っている。
翌・高校2年からフランス語を聞いた。講師は前田陽一。洒落れていた。シャンソンの講義は最高に楽しかった。いかにもエスプリ(機知)という感じ。
ドイツ語はシュトルムの「みずうみ」を原語で読みたい。フランス語はヴェルレーヌの詩で上田敏の名訳がある「秋の日の ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに…」を原語で味わいたいと強く願っていた。どちらも混血の美しい女生徒から借りた本だった。
幸い、ヴェルレーヌは高校3年、独習を始めて2年目の秋、前田先生がテキストで教材に採用、解説してくれた。文法も一通り勉強していたのでバッチリ理解できた。定年後、地元図書館の「文学散歩」で谷中霊園を訪ねた。上田敏の墓があり、感激した。
ドイツ語の「みずうみ」は大学1年の夏休みに独力で読み通した。英語を含め1冊の本を独力で原書を読む初めての体験だった。恋は実らなかったが、語学の目標は達成した。
大学では「独逸文化研究会」に入った。やはりシュトルムの影響だろう。仲間にドストエフスキーなどロシア文学に強いのがいて、「『みずうみ』が好きだ」といったら「あんなのは『おとぎ話』だ」と笑われた。意味が分らなかった。最近、OB会(オンケル会)で再会したので、文句をいってやった。
<大学出てから四十有余年>。ドイツ語と再会した。ラジオ講座も日進月歩。教え方は<隔世の感>がある。文法よりも日常生活。すぐ使える会話が多い。暮らしが分るので理解が早い。もっともこっちの記憶力が衰えたので、すぐ忘れ<元の木阿弥>だが…。
講師の増本浩子、声も若く、話し方が幼いので学生のアシスタントかと思っていた。独協大学講師、文学博士と知って仰天した。当然、テキストも自分で書くのだろう。
毎週のスキット(会話シーン)の主人公ナターシャはロシア人、ライプチッヒに音楽の勉強に来ている留学生。幼い頃をライプチッヒで過ごし、幼馴染の3人を探している。でも10数年の歳月を隔てているので、誰もいない。
10月から探し、女友だち2人は連絡が取れた。だが彼女が一番会いたい初恋のミヒャエルは消息不明。そのナターシャを好きになる男子学生クラウス。いくらアプローチしてもナターシャは気づかない。
ライプチッヒは旧東ドイツ。バッハが若き日、Kantor(合唱隊長兼オルガニスト)を務めたニコライ教会やドイツ二番目のオペラ劇場ゼンパー・オーパーの話、ベルリンの壁崩壊の前後の歴史なども出てきた。
昨日、買った3月号。ナターシャは初恋のミヒャエルと再会できるのか、夢中になってテキストを読んだ。幸い<昔とったキネヅカ>。読めば分る。結果は…ナイショ。学習の成果は…これもナイショ。半年前の日記でした。
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