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「民主党は年金保険料流用禁止法案を参院に提出した」と8月10日(金)の「日経」。
「今国会は10日で閉会するため、秋の臨時国会への継続審議を求めるが、与党の理解が得られない場合は秋の臨時国会で再提出する。社会保険庁の調べによると、1945〜2005年度までに福祉施設など給付以外に使われた保険料は6兆4千億円にのぼった」と続く。
だが「日経」、またもや<社保庁>発表を<鵜呑み>!ウソの数字を垂れ流しにしている。流用額は<6兆4千億円>というが、甘い!岩瀬達哉「年金大崩壊」(講談社・2003年)には<9兆3684億9089万3909円>(2002年12月末現在)とある。
岩瀬達哉は「<年金食いつぶし>官僚弾劾裁判」(「文芸春秋」(04年5月号)で堺屋太一(作家、元経済企画庁長官)や金子勝(慶大教授)との座談会でも発言している。「莫大な年金財源が年金官僚によって食いつぶされていた。厚労省は業務経費という名目で年間2965億円(2003年度)もの年金を、職員旅費、外国旅費、研修費、交際費などに使い果たしてきた。我々が老後のために営々と納めてきたお金から累計1兆5千億円にも及ぶ年金が国民の誰にも給付されることなく、官僚たちに掠め取られたのです。
たとえば厚生年金の事務費のうち年金官僚が専門家からアドバイスを受けたり、講演会の講師に贈る謝礼の8割を年金で賄っています。厚労省の保有する<黒塗り>15台の高級車や社保庁の1215台の普通車が、年金で購入されている。しかも悪質なことに、国会に提出する予算書にも決算書にも流用の事実は明らかにされていません」(「文芸春秋」・98頁)。
事務費の流用はさすがに国会でも問題になった。厚労省も一時は流用をやめると言った。だが「実はここにもトリックがあります」と岩瀬達哉―――。「国会で問題になっているのは財政構造改革特別措置法で流用している1000億円のみ。他に厚生年金保険法から福祉施設費として流用している1800億円には議論が及んでおらず年金官僚は隠そうとしている。私は、年金官僚は今後も流用をやめないとみています」。げっ!
事務費への流用は橋本龍太郎が首相の時、国の予算を削減させるため、「財政構造改革法」に基づいて98年度から開始した。だが<悪辣>な年金官僚は<焼け太り>を図った。なんと社保庁長官の交際費や職員のゴルフ用品やカラオケセット、テニスコートなどにも流用したのだ。<発覚>後、政府・与党は04年に「保険料の使途は年金給付に限定する」と合意した。当然だ。だが財務省が抵抗した。「財政負担を減らすためやむを得ない」と頑強に主張、<特例措置>として06、07年度で計2000億円の流用が認められた。
もちろん<期間限定>の<特例>措置のはず。だがここにも<悪辣>な官僚の<知恵>が働いた。2年間<先送り>を図ってホトボリを冷まし、<焼け太り>を手に入れた。6月30日の<通常国会>で成立した「社保庁改革関連法」に<給付以外への流用>条項が盛り込まれていたのだ。しかも許せないのは例の「女性は<産む機械>」発言をした柳沢伯夫厚労相は、年金官僚が作成したペーパーをこう棒読みしたらしい。「保険料徴収などの経費は給付と密接不可分なコスト」―――。だから<流用>を<恒久化>する。げっ!
社保庁を<解体>!職員を<非公務員化>する!怠け者は再雇用しない」―――。もっともらしい<美辞麗句>が並び、安倍晋三首相は「私たち自民党は実行します。<改革実行力>とCMを流した。だがやったことは<特例><期間限定>のはずの<流用>の<公認><恒久化>―――。<非公務員化>したというが<解体>社保庁は<ねんきん機構>という名の<行政独立法人>になる。職員は公務員より<10%>高い給料がもらえる。<焼け太り>だ!
「流用の恒常化に関し、社保庁は『年金事務費の使途は保険料徴収に関係する経費に限定する』」と説明。同改革関連法では、保険料を年金給付以外に使用する場合、インターネット上での公開を義務付けている。 しかし、こうした流用が年金財源を目減りさせているのも事実だ。野党は『事務費はバケツの穴になる恐れがある』と批判しており、保険料流用の是非が再び問題化する可能性がある」と「毎日新聞」(中西拓司)は書く。だが中西拓司のホンネは「流用額は今後も膨らみ続けることが予想される」という見方なのだ。 げっ!
年金ジャーナリストの岩瀬達哉。「年金は給付以外に使うことはない」とずっと信じていた。これは諸外国を含めた常識。だから<流用>の事実を知って愕然。担当官に質問した。
「年金掛け金から福祉施設費を出すのは年金制度の趣旨に合いません。厚生年金を批判するわけではないが、掛け金を給付以外に使うなんて考えられないこと。うちでも福祉事業は行っていますが、別途、福祉掛け金を集め、その範囲内で行っています」(岩瀬達哉「年金大崩壊」同・23頁)。国家公務員共済年金の財務省主計局給与共済課・武内良樹企画官。
「年金掛け金は、あくまで年金の給付のための財源です。それを他の事業に回すというのは、やってはならないこと。福祉事業は福祉掛け金で行っています」―――。地方公務員の共済年金を所管する総務省自治行政局公務員部の中平真課長の言葉!!公務員たち。自分たちの掛け金はちゃんと管理している。掛け金流用はないのだ。
火山が悔しいのはこんな悪巧みを許す自民党や公明党。いったい誰の味方なのか。それとも政治家らしい見識がなく、官僚に自由自在に操られているだけなのか。<ねじれ国会>とマスコミは囃す。だが民主党さん、頑張ってほしい。秋の臨時国会に期待します。
(平成19年8月11日)
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