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「年金で<未来責任>を果たせ」(日経・8月9日)は「<参院逆転>問われる針路(2)」の見出し。筆者は編集委員<大林尚>。日経の<社説>はほとんど大林が書くという。
だがこの記事、気になるのは「官僚の論理」そのまま!<役人の発想>に毒されている。編集委員なら<調査報道>を心がけてほしい。独自の<哲学精神>を持ってほしい。
「21世紀は日本にとって人口減の世紀だ。前半は特に少子化と長寿化が加速する。飛躍的な経済成長も望みにくい。民意は真に安心できる年金の再構築に尽きる。負担と給付の両面で痛みを分かち合わなければ制度を保てないと自覚しつつある。将来世代への責任感、<未来責任>ともいえよう」―――。これ、実は<官僚の論理>そのもの!
「<少子高齢化>で未来は暗い。年金は<給付減負担増>が避けられない」。これは<官僚の論理>。だが年金ジャーナリスト岩瀬達哉は「年金大崩壊」(講談社・2003年)に書く。
「少子・高齢化で年金崩壊はウソだった。年金官僚たちの陰謀に新聞・テレビは騙され、そのお先棒を担いだ。(147兆円の積立金という)<年金利権>を確保し、悠々と暮らす<年金官僚>の高笑いが聞こえる」(12頁)。
岩瀬は「新聞、正義の仮面の下に腐敗あり」「大蔵官僚たちが溺れた<京都の宴>」で1996年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の企画賞とスクープ賞を受賞している。
要するにいい加減なジャーナリストではない。「年金大崩壊」第1章は「少子・高齢化で年金崩壊のウソ」。「年金積立金は<147兆円>(2001年3月末)もある。「(厚労省)年金局数理課の『厚生年金の財政見通し』によれば年金財政が赤字に転落することはない。積立金が対前年比で増加しない年が初めて現われると記されている」(53頁)。
「「論より証拠」―――。火山がインターネットで「厚生年金・積立金」と打ち込んで調べたところ、厚生労働省年金局の「積立金運用ホームページ」が出てきた。平成17年度(2005年)の積立金は150兆円。4年前にくらべ3兆円も増えている。
「2000年の年金法改正で厚生省は厚生年金の給付額(報酬比例部分)を5%カットした上で、60歳から受け取れるはずだった年金の支給開始年齢を段階的に引き上げ、2003年現在、42歳以下の男性サラリーマンは65歳からでないと、年金を満額受け取れないようにしてしまった。その結果、60歳から厚生年金を満額受給できている世代と比較して、受け取れる年金額が試算値で1749万円も削られたことになる」(12頁)―――。<少子・高齢化>宣伝は岩瀬達哉の指摘通り<負担増・給付減>を国民に押し付ける<演出>だったのだ。
堺屋太一は「団塊の世代<黄金の十年>が始まる」(文藝春秋・2005年)で指摘する―――。<人口は減ってもルネッサンスは起った>。「15世紀のイタリアでは人口が猛烈に減りました。1340年に930万人だったイタリア半島の人口が、1500年には550万人になった。そしてその間にこそルネッサンス(文藝復興)の花が開きます」(250頁)。
「団塊がまた時代を変える!新しい労働力、新しい市場、新しい欲求が新しい文化を創る」(扉)―――。堺屋太一はだから「<黄金の10年>が始まる」と書く。「少子高齢化で日本の未来は暗い」―――。官僚の論理に騙されてはダメ。堺屋太一も岩瀬達哉も同じ主張。
「日経」の<編集委員>ともあろう者が、ちょっと調べれば分かることを、検証もせず<官僚の論理>を<鵜呑み>にする。<哲学精神>とは<根本を疑う>ことなのに―――。
「保険方式か税方式か。この論は国のあり方を問う選択であり、ある意味で哲学的な論争でもある」―――<編集委員>大林尚は書いている。
<税方式>は民主党の主張。「財源が不足するなら<消費税>を年金の目的税に改めよう」。<保険方式>は自民党・公明党の主張。「現行方式の維持」。だが少子高齢化が進む。「与党は3年前に掲げた<百年安心>という看板を下ろせ」と書く。だが「小さな政府」(リストラ)という発想がない。「年金は年金」という財布でしか考えない。タテワリ発想だ。
民間サラリーマンの平均年収は国税庁発表で442万円。一方、公務員は国696万円、地方688万円。つまり民間より6割も高給。仮に半分の3割をカットするだけで、公務員403万人の人件費は35兆円だから10.5兆円が浮く。10.5兆円は消費税5%分に相当する。
「税方式か保険方式か」という発想自体<哲学的>ではない。公務員リストラを断行すれば<財源>は簡単に捻出できる。3割カットしても民間よりまだ3割も<高給>なのだ。
それなのに前提(根本)を疑わず「税方式か保険方式か」と<官僚の論理>に乗せられる。
「保険方式か税方式か。この論は国のあり方を問う選択であり、ある意味で哲学的な論争でもある。それぞれに一長一短がある。与野党は胸襟を開き、わかりやすく丁寧に協議を尽くすべきだ。行政府も態勢を立て直さなければならない。長年、改革の原案づくりは厚労省とその意をくむ委員が多数を占める審議会が独り占めしてきた。膨大な数値資料を解読できるのは同省の一部の数理官僚に限られる」―――。情けない。だが情報独占は事実。
「日本の厚労省の情報独占体質は年金改革に経済や財政の視点を生かす妨げだ。『世代間格差を言い募るのは上品ではない』という審議会などの一部意見も封印する時だ」―――。大林尚は続ける。若い世代ほど少子高齢化の被害を受ける。給付減負担増の犠牲を受ける。バレると年金や政府への不信が広がる。だから審議会が<封印>する。確かに<官僚の論理>。だが大林尚さん、今、必要なのは<哲学>。もっと本質を突いて欲しい−<完>−
(平成19年8月14日)
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<旅の途中>さん。情けないご意見ですね。官僚の論理そのもの。不勉強なマスコミや視聴率本位に踊らされているテレビの安っぽいコメンテーターと一緒。鵜呑みにせず、もう少しご自分で考えたり、調べたり、研究してください。せめて堺屋太一や大前研一の著書を読んでください。
堺屋太一は「団塊世代、<黄金の10年>が始まる」(講談社)で「イタリアのルネッサンスは人口減少社会で起こった」と論じています。火山も賛成です。
「少子高齢化」の<危機>宣伝、官僚や族議員の<利権>絡みのウソ。もっと真剣に政治や経済を勉強してください。それともお役人ですか。バカもいい加減にしてください。政権交代が実現してからあわてても遅いのです。
2008/1/19(土) 午後 2:07 [ kom*_19*7 ]
全く同感です。
政府・官僚は危機感を煽って、国民の負担増や移民の導入を目指していると感じています。
高齢化の問題も、長寿化だけを原因として語り、高齢化を永遠に続く大問題のように言っています。しかし、根拠とするデータは団塊世代が高齢化する2030年、団塊ジュニアが高齢化する2050年のデータである。団塊世代・団塊ジュニアの老齢化の問題を、長寿化による高齢化のように見せかけて永遠に続くように思わせている。
その根拠とする2030年、2050年でも総人口に占める労働力人口は現在の52%とあまり変わらない約50%であり、国民経済としては問題ありません。
年金も団塊世代・団塊ジュニアの高齢化の時期を積立金の取り崩しで乗り越えれば、私も問題はないように思います。
2008/2/16(土) 午前 7:57 [ ステレオ ]
<chohshunn>さん、ようこそ。心強いコメントです。
労働人口の問題、実はそこにも厚生官僚のウソがある。15歳から60歳というデータの取り方も変えないとダメ。60歳を超えても働く人間は大勢いる。古希を迎えた火山ですが、火山の同期で働く仲間は男女とも大勢いる。しかも立派に現役。
堺屋太一も指摘している。今、15歳から20歳位の学生世代のほとんどは高校や大学で勉強している。中卒で働く人間はごごく少数。20歳から65歳を労働人口に置き換えると、あと数年、労働人口は増えても減ることはない。
情報やデータも操作、役人天国を決め込む<極悪人>ども、火山は絶対に許せない。
2008/2/16(土) 午前 8:17 [ kom*_19*7 ]
火山さん
やっとマスコミの嘘を見破っている方がいて、心強く思いました。私の周りも、多くのホームページを見ても、マスコミ・政府の受け売りで、それを否定する私の言うことが理解できません。
厚生労働省の数値に基づいてすら、少子高齢化は国民経済としては問題はありません。
問題は、「総人口や労働人口が減少すると危機感を煽りながら、赤字垂れ流しのまま歳出を減らすことを考えていない政府・官僚」です。
2008/2/16(土) 午前 9:38 [ ステレオ ]
同感です。しかし、データを操作、大臣や政治家を手玉に取る実態を暴露しないとダメ。それこそが政権交代=官僚支配打破なのです。
民主党の長妻昭。彼の<望年会>(忘年ではない)に出ました。「ミスター年金」の彼、言いました。「問題は年金や社保庁ではない。訴えたいのは<政権交代><官僚支配>の打破です」。
そう!そのとおり。火山、握手して来ました。
2008/2/16(土) 午後 8:19 [ kom*_19*7 ]