火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

新編「聖徳太子は実在しない」

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「聖徳太子(574年〜622年)は用明天皇の皇子で本名は厩戸王。おばにあたる推古天皇の皇太子で摂政となり、冠位12階、憲法17条の制定など内政を整備、遣隋使を派遣して進んだ大陸文化の導入にもつとめた。仏教に帰依し、居所の斑鳩宮(奈良県)に接して法隆寺を、また難波(大阪)に四天王寺を建立、法華・維摩・勝髷経の注釈書である『三経義疏』も著した。国家改革の理想は中大兄皇子や中臣鎌足らに継承され、大化の改新によって実現される」と大山誠一教授は『聖徳太子の誕生』吉川弘文館・2頁)で書く。だが…。

「王族の一人として厩戸王という人物が実在したことは確かであるが、その人物がはたして<聖徳太子>という聖人であったかというと、古来、憲法17条や『三経義疏』などが太子のものではないという疑問をはじめ、その事績のすべてが事実ではなかったのではないかという疑問にさらされているのである。つまり、伝説や信仰の世界の話ならともかく、歴史上の人物としての聖徳太子の実像は、ほとんどすべてが謎に包まれているのである」(前掲・3頁)―――。著者の大山誠一は東大の博士号を持つ歴史学者。専門は古代史。聖徳太子の研究者です。

大山教授は続ける。「『日本書記』の聖徳太子関係記事を個々に検討したが、ただ一つとして、聖徳太子の実在性を証明するような記事はなかった」「法隆寺系の資料も聖徳太子のものとしてはすべて偽物だった」「聖徳太子の実在性はほぼ完全に崩れた」と説き進める。
最後に「架空の人物というなら、そういう人物像を、いつ誰が何のために作ったのか明らかにする」と書く。結論―――作ったのは古代国家<最大の政治家>…<藤原不比等>。何のために…。これを火山は論じたい。その一部が前回までの前置き。

聖徳太子<伝説>の<捏造>には<大化の改新>が関係する。ここで確立された<天皇家>の<覇権>を巡る<権力争い>だ。今まで部族連合の上に載っていただけの天皇家が初めて<覇権>を獲得した。だがそれは<血で血を洗う>政争を激化させる。
大化の改新の功労者は中大兄皇子。でもなかなか即位しなかった。できなかったのだ。後の<天智>天皇。彼は人望も実力もあった実弟<天武>を警戒、皇位を継がせず、卑しい母を持つ息子<大友皇子>を後継者に選ぶ。これがさらに<壬申の乱>の大乱を呼ぶ。

天武は大友を殺し、皇位を手に入れる。大友は兄・天智の子、つまり<甥>だ。しかも天武の正妻(皇后)は天智の娘、後の<持統>天皇。皇后は夫・天武亡き後、大化の改新の功臣・藤原鎌足の息子<不比等>と組む。自分の息子<草壁>に皇位を継がせたい。
邪魔になったのが姉(天智の娘)の息子<大津>。大津は文武両道に優れ、人望もあった。ただ母(太田皇女・天武の妻)は世を去り、後ろ盾がいなかった。そこに付け込んだのが皇后と不比等。天武が686年9月9日に崩御すると、24日後の10月3日には大津に謀反の罪を着せ、殺してしまう。大津皇子の辞世は今も火山の<涙>を誘う。

だが皇后(後の持統)が溺愛した<草壁>は軟弱・病弱だ。即位を待たず、689年(持統3年)4月13日に早世してしまう。草壁には7歳の軽皇子(後の文武天皇)と二人の娘がいたが、当時は天皇にも実力が必要。幼少の天皇は論外だった。
一躍、有力候補になったのが高市皇子。天武の長男だが、母が皇族でなかった。順位は下。

だが上位2人(草壁・大津)が亡くなってしまえば話は別。だが高市が即位して困るのは草壁に賭けていた皇后と不比等。権力を高市に渡せない。策士の不比等は巧妙な手を打つ。幼少の軽皇子の成長に期待、祖母(皇后)の即位を強行。<持統>天皇だ。
<春過ぎて 夏きにけらし…>とは百人一首で有名な持統の歌。即位4年後の694年、藤原京に遷都した時、自分の権力を誇示した歌という。

だが役者が一枚上だったのが不比等。順調に成長した軽皇子が15歳で文武天皇になると、不比等は持統の支持をバックに「大宝令」を制定。自分が望む<律令国家>を作る。はっきり言えば<天皇家>の<象徴化><宗教化>だ。
政治の実権は有力貴族の<合議体>である<太政官>が握る。天皇は軍事力も経済的基盤も失い、無力にされた。不比等が構想した国家は天皇を宗教的世界に祭り上げ、その信任を得て自分が縦横に権力を振るうものだった。

前天皇の女性の持統で、現天皇の一人前とはいえない文武(軽皇子)だったのが幸いした。
大化の改新、壬申の乱を通じて確立された天皇家の<覇権>は不比等によって<骨抜き>にされた。それが「大宝令」による<律令国家>の正体。天智・天武時代の面影はない。
ここに成立した国家秩序を歴史的に正当化するために行われた作業。それが「古事記」「日本書紀」の編纂。詳しくは別の機会となるが、その「日本書紀」で最も多く語られる主人公こそ<聖徳太子>―――。聖徳太子は最高の<聖人>でなければならなかった。これが国家権力の正当化(捏造)だった。

「聖徳太子」シリーズ連載です。毎日、投稿しています。併せお読みいただければ幸いです。

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